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力の使い方  作者: やす
三年の夏
367/474

#366~中々にショックな力~

#365~力の船に乗る!3日目、昼食編~

のBパートなお話しと言うよりも、

#364~超ショックな力~

の続きなお話しです。


「……ん゛っ゛、ん゛っ゛、ん゛っ゛……っ゛……『ガゴッ』ぅ゛ぅ゛……”げぶっ”」

飯吹は出された麦色の液体を一息に飲み干すと、空になったコップの底をテーブルに打ち付けてから華麗にゲップを口から吐き出した。


「イヤッ、、実ハ……カナコ…………子供ガ……」

コルネは飯吹に視線を向けるだけで、沼岡の疑問・飯吹がメソメソと泣いている理由は答えない。

「ん?妊娠はしていないんだろう?……他に何かあるのか?」

しかし、沼岡はコルネが口を割らない事に疑問を抱いて再度問いただす。

「……ィャ、カナコのプライバサーレ……ノゥ……”プラァィバシィ”な事ダカラ……」

だが、それでも”コルネ”は流暢な発音で言いよどむ。


「ふん、、なら……さっさと”ココ”を出ていくんだ。特に用事は他にないんだろう?……俺、、いや、”俺達”はお前等みたいな女に構っている暇はないんだよ……」「「「?……」」」

”7カラ11カイ”の四階にある賃貸住宅を借りている者の憩いのスペース・”俺たちの秘密基地”に訪れている女性二人へ、立ち去る様に迫る沼岡だった。

なかなかトゲのある物言いだが、ついこの間までココに住んでいた彼等の兄貴分・”金山賢人が市長を辞める事”・また、それに先立って彼の市長秘書を解雇された”面子の今後”について話を彼等としたいのだろう。

「……」

だが……沼岡に関しては市長の秘書ではなく、この地で ある程度の勢力を誇る弁護士事務所に在籍している弁護士なのだが……まぁ、そこらへんはあわよくば”弁護士が必要になる”として、”名前を売れる様な案件”等のビジネスチックな思惑を抱いているのかもしれない。

「……ぇ「?」……」

しかし、当の市長秘書を解雇されたこの場にいる二人は沼岡の言葉に?マークを浮かべている。

「……フゥン?モシカシテ……”ソレ”が”コレ”の原因だったりスル?『ピラッ』「ちっ」「……なっ「?!」」フフン!」

そこでコルネは上着のポケットから一枚の紙……いや、1つの白い封筒を取り出した。

沼岡は舌打ちをして、他の男性・平岩と斉田は驚きの声をあげている。

その白い封筒には『辞職願い』と書かれていた。……つまり、沼岡は弁護士事務所を辞めるつもりらしい……

コルネはそんな沼岡と平岩・斉田の顔を見て、勝ち誇った様な笑みを見せていた。


「お前には関係のない事だろう?!……それは”俺”個人の問題で、”お前には”特に関係のない事だ。……それに、すぐ辞める訳じゃないしな。ふん、俺のプライバシーは守らないヤツが弁護士とはな……所長が聞いたらあきれるぞ?」

「ジィリィゲンファルシュ、キュ―、、、これはシェフが私に命令したジョバァンフラァゲ!」

「「「?」」」

「俺はプライバシーの事を言ったんだっ!!ココには俺ら以外の奴がいるだろう?「ウゥム……エストットミアライド……」くそがっ……」

コルネは終始外国語で言葉を返している。

沼岡はコルネの言葉が分かっている様に呪詛を吐いているが、斉田と平岩は彼女が話している言葉が分かっていない。


「ぃ、いやいや、ちょ、ちょっと待ってください……どういう事なんですか?樹癒さん?」「うんうん、何で樹癒さんが辞表を?確か……結構有名な弁護士事務所に就職出来たって話しじゃ……」

しかし、沼岡の同僚の女性・コルネが持って来たモノについては意味が解るし、言葉を出す平岩と斉田だ。

そんな話しは聞いておらず、”何かの間違いではないのか?”と混乱している。


「別に良いだろ?簡単な話だ。”今の職場よりも良い所に転職する。”ただそれだけだ。……それに、弁護士は場所さえ選ばなければ”お前らとは違って”どうとでもやっていけるしな。」

「なっ!?」「えっ?!……」

沼岡の視線は対面に座るコルネから横のソファに座る平岩と斉田に向けられる。

コチラに関しては先ほどの言葉も込みで考えると、結構トゲのある言葉だ。

「その聞きたいんだけど……今”すぐ辞める訳じゃない”って言ってたけど……具体的にはいつ辞めるの?ってのと……それは賢人さんも知っている事なのかい?……」

平岩は沼岡を見つめて真剣なトーンで疑問をぶつける。

「ふん、雄二には関係のない話しなんだがな……まぁ、良いだろう。答えてやる。『辞めるのは半年後』で『賢人さんも勿論知っている事』だ。むしろ、賢人さんに半分頼まれて弁護士事務所を辞めるからな。」

「「「「……」」」ぇ……」

沼岡の言葉に絶句する平岩と飯吹だが、対してコルネと斉田は感情を隠した表情をしている。


『ドンッ!』『ゴトッ』「「っ」「!」」

そこで”俺たちの秘密基地”に置かれている掘りごたつ式のテーブルを盛大に両手で叩くモノが1人。

「平岩さん!?「はいっ!?」前にも言いましたけど……」

勿論それは飯吹だ。彼女は先ほどまでメソメソと泣いていたが、今は感情の赴くままに場の”空気”を支配している。


「な、なんですか?……」

平岩は彼女の事を少しづつだが理解してきていた……

そういえば前に、『年上の平岩さんに舐めた口を利きすぎじゃない?親しき中にも礼儀!』と、沼岡に 平岩の部屋で二人が”近い”姿勢の時に怒っていた。

それを今この場でも蒸し返しているのかもしれない……だが、これは平岩達も”賢人さんが市長を辞める……市長秘書も解雇された……”と腐っていた自分たちを叱ってくれている事だ。

そういう所を汲んで、賢人も平岩に内緒で沼岡に手を回していたのかもしれない……

「……っ!」

ソコで平岩は思いつく。


漠然と”賢人さんの次に市長になるのは誰か?”と考えていたが……

『そういえばココに、自分の夢の為にコツコツと勉強等を頑張った者がいるじゃないか!』

……そう、沼岡だ。彼はいろいろとバイタリティ豊かに頑張れる者だ。

『賢人さんのあとを継いで、清虹市の市長になれるかもしれない……』そんな考えを一瞬で巡らせる平岩である。


「携帯電話を下さい!それと……契約まで手取り足取り付き合ってください!お願いします。あと、これまで通り『お肉がどーん!』にも通ってください!お願いします!あと、何でもしますから結婚してください!お願いします!」

「ぁ……はい……」

そして、賢人とは違って”持っているモノを持っていない”平岩だった。

飯吹の権幕に流され、ついつい彼女の願いの三つに返事をしてしまう。


明日(11/15)は小袋怪獣行け!の共同体の日ですね。

時間は11時から17時までで、

11時~19時の間に電気豚を電気雄牛に進化させると火焔放射を覚えるとか覚えないとか……

さらに今月は来週(11/21)にも共同体の日があって、

日にちを開ける二週に渡っての開催は初の試みだとかなんとか……

ゲッツ色チ、高個体!

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