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力の使い方  作者: やす
三年の夏
342/474

#341~力の船に乗る!それぞれの思惑は?変?~


「んっ!これ……」

澄玲と夕お姉さんが顔を見合わせていると、売店?に並べられている品々を見ていた厘が”何か”を見つける。


「……」

勝也はそんな厘の声に”あえて”反応しない。


「……んっ?どうしたの厘?……何かあった?」「っ?……」

代わりに厘の声に反応するのは夕お姉さんと母・澄玲である。

「…………箱?」

母・澄玲は厘の目線を追って、厘に続いてその”気になる箱”を見つけていた。


「……っ……」『ガゴッ……』

厘がテクテクと売店?へ近寄り、そこに並べらているモノの中から、ある程度の大きさな”箱”を両手で持ち上げる。

その”箱”とは、上部にある蓋部分?が横長で山なりに丸く、厘の頭程度に大きい”箱”だった。


「っ?!……あっ!?もしかしてその箱って……売り物?じゃなくて……金貨が入ってたりする宝箱なんじゃない?!……」

夕お姉さんは先程聞いた”ヒント”を思い出して想像力を働かせていた。

板金船長は『(そこの売店?に)出来るだけ早めに訪れてご利用になった方が良いでしょう』なんてヒントをくれている。

”つまりは”そういう事なのかもしれない……


西洋の海賊等を主題にする作品や、ゲーム等でよく見られる様な宝箱は上底・蓋部分の断面が半円を描く様に丸くなっているのが一般的だ。

ちゃんと実在していた・若しくは実在する箱だが、そんな形状をしている理由は諸説ある。

『宝箱の上にモノを積みづらく、置いても不安定にする事で、宝箱が潰れない様にした形状』だとか、『色々な物を倉庫等に積み込む際、大事な物が入れられるだろう宝箱を一番最後に一番上に積みたくなる様な形状にする事で、積み上げられる荷物の中でも比較的に上の方へ置き、それら積み上げた物を運び出す際は最初にその宝箱から動かしやすくする為』等がある。

他には『箱の上底部分に丸みを持たせる事で強度を増す目的』があったり、『樽の半分を蓋替わりした事が宝箱の始まりだった』だったり、『ビンや丸い宝石等を入れる際、蓋に丸みを持たせる事で蓋を閉める際にそのビンや丸い宝石等が蓋に押されて割れにくくする目的がある』だとか……

また、それらの中身や箱を衝撃から守る為以外にあげられる説としては、『上蓋部分を丸くしていても、組体操のビラミッドの様にして積める事ができ、そうやって宝箱と宝箱の間に隙間を作る事で風の通りを生み出して湿気等で宝箱を腐敗させない目的がある』……等と言う説もあるそうだ。

また、『宝箱のイメージとしてそう定着しているから』だとか、『宝箱の外に装飾される宝石や箱の配色等を見えやすくする為』等の説もあるらしい。


「……っ……厘?……じゃあ、早速……」

夕お姉さんは生唾を飲み込む様にして、厘へ次の行動をする様に催促する。

宝箱を見つけたら次にする行動……それは勿論”宝箱を開ける”事だ。


「……ぅ、うん……」『……ガッ……』

厘はその”宝箱”を両手で左右から挟む様に持っているが、片方の手の親指を宝箱の側面につけ・それ以外の指で宝箱の底を支える様に持ち替えると、反対の手で上半分を開く為にその蓋であろう部分の側面と上底に指をかける。


『……ググッ……』

はたして、その宝箱の中には……



『……グッ……』

……満杯に光る金貨が……



『……ッ……』「……ふぅ、開かないね……」

……だが、厘の頑張りに反して、その宝箱は全くと言っていいほど開かなかった。

厘は結構な力をその宝箱に加えた様子だが、早々にその宝箱の中を見るのを諦めてしまう。

どうやらその宝箱は丸みを帯びた上部分の一辺がヒンジで繋がっていたり、宝箱の中でレールやアームで繋がれて大口を開ける様にして開く箱ではない?のかもしれない。


「……え?……じゃあ、、ちょっとソレ貸して?」

そうしていると夕お姉さんがしびれを切らし、その宝箱を受け取ろうと動きだそうとしていた。


「あぁ、はいはい、……そこらへんで止めといてくださいな、それも一応、”金貨で交換するモノ”ですから。……書かれている数字分の金貨を渡してくれるんなら好きにしてかまいませんけど……」「あっ、ごめんなさい……厘、あんまり勝手に触っちゃ駄目だって。」

その売店?に詰めている老齢なエプロンドレス女性が遂に”待った”をかける。

澄玲はその売店?にいる女性の声を聞くと、弾かれる様にして厘を咎める感じに言葉をかけていた。


「……はーい……ごめんなさーい、、あれ?紐?っ、本当だ!数字が……」

厘も、てっきりこの宝箱が売り物?いや、金貨で交換する物ではないと思っていたが……

『……ガゴッ……』

その宝箱をあらためてよく見てみると、その宝箱の厘が見ている方とは反対側の裏側に、二本の紐がそれぞれ輪になる様に付けられていた。

その紐には値札代わりのタグが付けられている。そこに必要な金貨の枚数が描かれているらしい。

その”宝箱”を交換するのに必要な金貨の枚数はと言うと……

「……五十枚……だって……」

トーンが下げられた厘のその声は、今も彼女の手にある”宝箱”を交換するのに必要な金貨の枚数を伝える。


「五十枚!?……」「五十枚?!……」

厘から枚数を聞いた母・澄玲と夕お姉さんは対照的な顔をした。

母・澄玲は『五十枚!?……厘なら交換出来るじゃない!』と、”ならスグ交換しよう!”と言だしそうな顔をしていて、

夕お姉さんは『五十枚?!……なら、一旦は止めといた方が良いかも?』と”交換するか慎重に判断しよう?”と言いそうな顔をしている。


二人は真逆な思考をしているらしい。

澄玲は『五十枚なんて沢山金貨を持っている人は他にいないだろうから……多分それ以上の金貨が入っているんだろうね!』と喜び

夕お姉さんは『五十枚なんて沢山金貨を持っている人は他にいないだろうけど……もしかしたらそれは罠かも?まぁ、そんなに金貨を持っている人は他にいないかもしれないし、交換するのも別に後からでも良いんじゃない?』と、いぶかしみつつも、そうすぐにはなくならないだろうと軽く考えていた。

どちらも『厘が今現在持っている金貨・56枚は開始早々にしては沢山持っている』とそこまでは同じ考えだが、”元手が沢山あるからこそ金貨が増える!”と、”沢山持ってる人ほど狙われて金貨を減らされるかも?”と、全く逆の結果を予想していた。



「……んっ、ん゛ん゛……」

そして、厘の判断はと言うと……



「……でもぉぉぉ……」

……すぐには決められないらしい……


「ぁ、あのっ!すみません。ちょっと確認したいんですけど……」

「あぁ、はいはい?」

厘が”モォォォ……”と牛が鳴くように悩む傍ら、そんな厘を売店?の中から見る老齢なエプロンドレス女性に声を向けるモノがいる。

「……この、皆が集めている”金貨”って、私達みたいな仲間内で1人に集めたり、、恵比寿レストラン?でこの子の分として金貨を私が代わりに払ったり出来ますか?それとも……金貨の移動や、共同所有は駄目だったりします?」

その声の主は悩む娘の母・澄玲だ。

珍しくも厘の悩む仕草を見て、ふと疑問に思ったらしい。


「あぁ、はいはい、構いませんよ。皆さんで自由に金貨を貰ったり譲ったりの金貨移動は全く構いません。ただ……”共同所有”と言うと……使う場面でそれを言う場合は駄目です。数人で金貨を集めて、その方達で”サービス1人分を分けて受ける”や、”ここにあるみたいに皆で出しあった金貨で交換した、モノを皆で使う・サービスを受ける”、なんて事は許されません。……ただし、金貨を落とした場合も私共としては補償出来ませんし、無くした場合であっても一切補償をいたしません。「……ぇ!?」ですから、ここや、廊下等で拾った金貨はたとえそれが誰かの金貨であっても、自分の物としてもらって構いません。……なので、金貨の管理は”しっかり”して頂く様にお願いします。勿論ですが、金貨の強盗や窃盗、金貨をわざと落とさせて、その金貨を拾う等の私共が判断する悪事があった場合、私共は後からでも、その金貨移動に関して可能な限りは戻す事としています。それらの”悪事”に手を染めた場合はそれ相応のペナルティも予定しています。」

「ぁ、そうですか……ありがとうございます。」

つまり、金貨の共有は可能だが、1人ぶんのサービスを人数分に分けて、共同でサービスを享受しようなんて事は出来ないらしい。

まぁ、恵比寿レストランは金貨一枚で食べ放題と言う事だから、それに関しては”当たり前と言えば当たり前”だろうルールであった。


「なら厘?……その宝箱も交換して良いんじゃない?いざとなったらお母さんが厘に金貨を分けてあげるから。」

母・澄玲は厘が最初に発見した”その宝箱”を、厘が今持っている殆どの金貨が必要とあっても、交換するのを後押ししている。

彼女は”娘の背中を押す”のだった。


「……いやぁぁぁ……うーん……でもぉぉぉぉ……」

「えっ?違うの?」

だがしかし、厘は母親に後押しをされても煮え切らない。

厘は厘で、澄玲とは違う思惑があるのかもしれなかった。


「……うむぅぅ……っ!!……勝にぃ!!「ぇ?」勝にぃは金貨を何枚持ってるの?!」

「ぁ、そういえば……」「確か……”力は見えない”だっけ?勝也のクイズの答えは。」


厘のやや唐突な金貨の枚数を確認する声は、1人、一・二歩程度離れた所にいる彼女の兄・勝也に向けられている。


「っ……ぅん……」『ビリィ……』

そして勝也は遅ればせながらも、手提げファイルの口に貼られているテープを剥すとファイルをひっくり返し、中に入っている物を反対の手に落としていた。

『……スッ、ッ』「ぅん?」「ぁれ?」

しかし、金貨同士がぶつかる音の『チャリィン!』やら『ザザッ……』といった音が全くしていない……勝也の手に落とされたのは”カード”だけだ。

「ぇ?ちょっと待ってよ?……勝也?……金貨はどこかにやった?あれ?隠してる?……って、、そんなわけはないと思うど……」

勝也の手に落とされたカードは他の者が持つ手提げファイルにも入れられている物だ、この船の簡易マップである。

勝也のひっくり返したファイルの中と、その手提げファイルの口が向けられている勝也の手には、”金貨”が一枚も存在していない。


「んっ?……ぁ!?もしかして、、さっきエレベーターで厘が落とした金貨を拾ってた時、そのエレベーターの中で勝也も金貨を落としちゃってたとか?……それで、厘の金貨と混ざっちゃって、一緒にいれちゃった……って可能性もあるんじゃ?」

「……ぃえ、私と夕義姉さんが渡された金貨の枚数は、どちらも端数が六枚でした。なので、厘の56枚には勝也の金貨が混ざってはいないと思います……もし落としたとしたら……エレベーターに乗る前の、この手提げファイルを貰った倉庫ででしょうね……、でもそんな風には見えなかったから……うん……もしかしたら……最初から金貨が入ってなかった可能性もあるんじゃないかしら?……勝也はどう思う?貰った時はどうだった?よく思い出してみて?」

澄玲はクイズで金貨が足されたとしても、端数は六枚なのだろうと考える。

もしも、厘がクイズの回答をした事で、金貨が20枚足され、厘に渡された金貨が合計で26枚だったとしたら、残りの30枚は勝也の金貨と考えられる。

しかし、その場合、渡された金貨の端数である六枚が覆されてしまうのだ。

まぁ、クイズを答えた事で貰えた金貨の枚数を彼女らはちゃんと知らされていない、なにも”金貨の端数は絶対六枚”とは限らないのだが……

また、そもそもの話しとして、勝也が金貨を落としたとは思えない澄玲である。

彼女は何かを知っていそうな当の金貨がない息子・勝也に、気になっている事を言わせようと確認している。


「ぅっ、うん…………実は、、この手提げファイルを貰った時から”やけに軽いな”と思ってたし、夕お姉さんの六枚でも金貨が擦れる音がしてたから「……」”全然音がしないのは変だな?”って思ってたんだけど……でも……っ……金貨を”落としてない・無くしてない”って証明は多分出来ないから……」「ぁ!」

そうなのだ、勝也は売店?にいる老齢なエプロンドレス女性が先ほど言った『無くした場合であっても一切補償いたしません』から考えるに、『元から金貨入れ忘れてたよ?』と訴えても、はたしてその言葉を信じてもらえるかどうか……まぁ、先ほどまでいた倉庫にはセンサー等があったと言うし、防犯カメラの映像を確認すれば、もしかしたら金貨が元からなかった・落としてもいない!と証明出来るかもしれない。だが恐らくは……絶対的な証明にはならないだろう。こういう場合は手提げファイルを受け取った時・その場で開封して訴えていれば、何とかしようもあったかもしれない……、、だがもう今更だ。


「ま、まぁ別に……良いんじゃない?ゲームなんだし……」

何と言う事か、勝也は一番少ないと思われていた夕お姉さんの金貨六枚を下回り、金貨0枚から”宝探し”を始めなくてはならないのかもしれない……

まぁ、朝食やら昼食、夕食等で、少なくとも金貨が必要だろう……ただ、澄玲や厘から金貨を貰うなり借りるなりして、言うなれば金貨マイナス状態からスタートしても飢える事はそうそうにないだろうが……

しかし、もし勝也と澄玲の予想通りで、始めから金貨が入っていなかったとしたら、ゴルドラグループの中でも屈指の従業員数と精度を誇る企業・ゴルドラファミリーにあるまじき失態である。


それとも、勝也の『”力”について』の答え、『力は見えない』と言う回答にかけて、金貨0枚からスタートする様に密かに画策されていたのだろうか?……

それともそれとも、金山家の当主・金山限無会長に、怒らせるような事を金山邸で言った勝也だ。九分九厘でそんな事は無いだろうが……ゴルドラグループの者達が『みじめな思いを勝也に味合わわせてやろう!』としている可能性もなきにしもあらず……なのだろうか?……


そうだ。今にして思えばその可能性は十二分にある。

勝也が金山邸で限無会長に放った言葉

『春香に誕生日プレゼントの一つも渡さない所か、おめでとうの言葉をかけないで帰るんですかっ!春香のお爺さんはっ!』

これへの”当てつけ”として、勝也には金貨をプレゼントしなかったのかもしれない……



「あぁ、はいはい……聞かれなかったので答えませんでしたけど……お嬢ちゃんの持ってるその”宝箱”は別に金貨が入ってるわけじゃないですよ。「ぇ?!……そうなのっ!?」はい、それですが、”宝箱型貯金箱リュック”と言ってね、金貨を沢山入れて、背負って持ち運び出来るリュックなんですよ。」

そこで、売店?に詰める女性が助け舟を出す。

夕お姉さんの想像力から始まった考えも訂正している。”その宝箱に金貨は入ってないよ?”と言う事だそうだ。


「あっ?!財布みたいな?」「ぇ?ならなんで50枚なんて枚数が必要なの?……」

そこで澄玲は、この船に乗る前に受付で渡さなけれはならないモノからある程度予想をする。だがしかし、ならなぜそんなに金貨が必要なのか分からない夕お姉さんであった。


「まぁ、本来それは……、皆さまが金貨を沢山集めているだろう三日目とかに必要になる”道具”なんです。……ほら、今はまだ皆さんが持っている金貨はせいぜい数十枚でしょうけど、二日目とかでは金貨100枚、200枚……が当たり前になる予定です。でも、そうなったら持ち運びが大変です。多くの皆さんが金貨が落とす様になってしまうと、”私達”ではどうしようもありません。『その頃になったら”そういう道具”を金貨と交換して、宝探しをしてください。』と言うわけなのです。私達が当初予定していたところでは、”三日目”になると、金貨を求めて”奪い合い”がおきるでしょうし……「ぇ?奪い合い?」「むむっ?」あぁ、一応言っておきますけど、船内で誰かが落としたのだろう金貨を拾う以外、例えば……”人を殴る蹴るして襲い、その結果落とした金貨を集める”なんて事をした場合は、その襲った人は持ってる金貨全部を没収したのちに、場合によっては”警察に通報!”なんて事も予定してますので……別に”人を物理的に襲って奪え!”なんて言ってるわけでは勿論ございませんし、そんな事はまず間違いなく起こさせません。今現在ではどうか安心して”お宝”を集めてくださいませ。」「むぅ」「……」

売店?に詰めている女性の言葉に不穏な空気を感じる雨田姓の者達だが、彼女・彼等はこの”宝探しゲーム”の隠されている本質に気付き始めた様だ。


ならば『”暴行等”以外の手段ならば”人から金貨を奪っても良いのか?』と。

彼女ら・彼らは頭の回転が早く、”そんな”手段をスグに心配出来る者達だった。


「うぅん『……ガゴッ』じゃあ……本当は”コレが”欲しいんだけど『ふむっ……』”今優先する”のはコッチかなぁ……」

遂に厘はその”宝箱型貯金箱リュック”を置かれていた所に戻す。

そして今度はカードが置かれている個所に手を伸ばす厘だった。

売店?の中から厘に目を向けている女性は、厘の動きに相槌を打ちつつ、”賢明な判断だ”と言いたげである。


「あぁ、それとですがね?……その”手提げファイル”に金貨の”入れ忘れ”は”絶対にないよ”。「えっ?……」ですから、そのファイルの中か、”出てきた物”をよくごらんになってくださいませ。」

「……ぁ、はいっ……」

売店?の中から続けて言葉を向けられるのは勝也である。

しかし”一瞬だけ敬語を使われなくなった事”と、”告げられた言葉”に驚く勝也であった。

ただし、最後はちゃんと固い言葉で締めらているし、確かに手提げファイルの中身・出てきた船の簡易マップをよく確認していなかった勝也である。

「……えっと……」

言われた通りにもう一度手提げファイルの中を確認し始める。


「ぁったー!これぇ!……」「んっ?」「……っ!?」

「おっ?ナニナニ?やっぱり金貨があったんじゃ……」

そして遂に厘は、当初から探していた目当ての物をその売店?で見つける。

そんな言葉を聞く澄玲は娘のテンションと視線に疑問の声をあげ、夕お姉さんは『やっぱりこの売店?にあるのだろう金貨を見つけたの!?』と、期待の眼差しを向けている。


「…じゃじゃーん!…”ナギノン”カードぉ!」

「あぁ、凪乃ちゃん?」「……んっ?そのカードに印刷されてるのって……」

厘は、”サービス”や”身の周りの世話”・”一緒に宝探し”をしてくれるという『サービス命令カード』の中から

『風間凪乃・総合サービス・期限”下船まで”・本人からの一言”頑張ります”・金貨”五十枚”』と印字され、ピースサインをしている凪乃の写真が印刷されているカードを掲げていた。

奇しくも先ほど夕お姉さんが撮影した一枚と全く同じ格好・表情・空気の姿が印刷されているカードである。

「くっ?!」

凪乃はエレベーターの前に立ちながら、厘を見て独りたじろぐのであった。


「……ぁ!これ……」

そして勝也は自身の持つ手提げファイルから”何か”を見つける……

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