#2~力の決まり事~
ふと見直すと中2全開設定でしたね…
『面白ければ良いんだよぉ…』精神で続きます。
技のネーミングセンスは触れないで頂けると助かります。
分かりやすさ一番かな?と…
行間と動作を少し付けました。
勝也達は小学校の授業を消化し、今は給食を食べている。
勝也の隣の席に着く春香は、ムスッとした顔で黙々と給食を食べていた。
『サッ、サッ、ボト…』「ん?」
春香がお碗を持って自分の机を見れない時、物音がした。
春香の机にある、給食のトレー内の食器は変わらないが一品だけ二つに増えている。
それはメロンだ。
「ちょっと!勝也?このメロンは何?私欲しいって言ってないんだけど?止めてよね、食い意地が張った女の子って噂されちゃうじゃない!?」
ジロッとを睨み付けられている勝也は言い返す。
「『まだ言ってない』の間違いだろ?力を使うのは嫌なんだよ……少し前に、メロンの水分を飛ばして即席乾燥フルーツを作らせたのはどこのどいつだ………今回はそのまま食えよ。無免許の俺が力を人前で使うのは犯罪なんだぞ?」
小学生らしくない会話をする勝也は苦労顔だ。
春香は尚もジロッとした目で言い募る。
「前にテレビで見たわ、『バレなきゃ犯罪じゃないんですよぉ……』って、それに私達は未成年でしょ、捕まっても名前バレしないわ。多分……」
※何を見たのかは察するしかない。察するしかない!!
勝也はサラリと流す。
「そうか、俺は見てない。証明してみろ。俺がそれをバラしてやるから。」
「くぬぅ……何よ、一回してるんだから二回も三回も一緒でしょ。やらなきゃ前の一回を私がバラすわよ?……良いの?」
勝也は苦虫を潰したように固まると、観念した様だ。
「くっ……解ったよ……やりゃ良いんだろ……はぁ……」
おもむろに立ち上がった勝也はメロンを戻して皿を持ち、担任の教師に言葉を飛ばした。
「……先生、メロンの汁で机が汚れるの嫌なんで、洗面台の所で食べても良いですか?」
「……ほぇ?あぁ…………そうだな……行儀は良くないけど……まぁ、別に良いぞ。」
先生の許すだろう事にお伺いを立て、了承を得る。
と、春香も次いで立ち上がる。
「雨田君の机を汚したら悪いので私も洗面台で食べても良いですか?」
「え?……まぁ、雨田に良いって言ってるし別に良いけど……雑巾で拭けば……いや、良いぞ。金山は隣の男子に気遣いが出来て偉いな。」
2人してトイレ前の蛇口がある、手洗い場兼洗面台に移動する。
2人が洗面台に来ると早速勝也が取りかかる。
「はぁ……春香に唆されて悪事に荷担してるって……『オホン!早く!!』解ってる……水蒸発!!」
見つかった時の言い訳を考えていると囃し立てられ、思考を中断せざるをえなくさせる。
この土や水の人外の力は『法力』と呼ばれる、人が持つ第四の力である。
火水土風と四系統に別れ、それぞれに免許があり、無免許の者が人前や公共の場で力を使うと罰せられる。
それぞれ火系、水系、土系、風系、と呼ばれるのが一般的だ。
朝の風間が運転するフライヤーロールの動力はこの法力で、風間凪乃は風系の法力免許とフライヤーロールの免許を持っている。
もっとも、ロール運用はロールの維持費が高額な為にあまり見かけないのが一般的である。
勝也の手が退けられると、メロンの皮はそのままに、果実だけが良い具合に乾燥したスナック菓子が残る。
「これこれ~!フフーン!!後で食べよ~う。」
春香は鼻唄混じりに乾燥菓子をハンカチに包むと自分の分の皿を持ち帰っていく。
「くっそ……覚えて……あ!前の一回を暴露するにも証拠が無いじゃん…………くっそ……騙された……春香!待てよ!!俺にも半分……いや、四分の一だけでも寄越せ~!!」
勝也達学生は平穏な清い(?)生活を謳歌するのだった。