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力の使い方  作者: やす
三年の春
25/474

#24~力の抜ける帰宅~

二人が固まると、風呂のドアを開けた老け顔の勝也があせりだす。

…………

「な、なんで……い、いや、すみません!!間違えました(・・・・・・)!!」

と言うと、ゆでだこの様に顔を赤くすれば、目をつぶり、『バァン!』とドアを思い切りしめる。

…………『な、なな、な、なんで…』…『い、い、い、いえっ!…』………とドア越しに互いの狼狽ぶりが伝わる、風間は声を張り上げた。

「あ…お、お、お邪魔しておりますっ!!!!金山家の風間です…ま、間違えて(・・・・)はおりませんっ!!昨日、訳あって泊まらせて頂きました。(まさる)さんの留守に押しかける様な事をして、申し訳ありません。さらには勝手にお風呂を使ってしまいっ!!まことに申し訳ありませんっ!!…挙句に、お、お見苦しい物を見せてしまって、本当に申し訳ありませんでした!!」

風間は見えないのに何度も頭を下げて謝ってしまう。成人男性に裸を見られた事は無かったのでかなり気が動転している。


「い、いや、私は医者で患者さんの裸を見ることがありますから…恥ずかしがる事はありません、それに…風間さんの裸は見苦しいなんて……………い、いえ、なんでもありません……病院以外では気持ちの整理が出来なくて、戸惑ってしまいました……ありがとうございます…ん?」

と返す声は自分の言おうとしていた事の間違いに気付き、言葉を切り上げ、思わず感謝してしまう。それも『アウト』な事に気付くと見苦しくも言い訳が始まる。

「い、いえ…久しぶりに、誰もいないハズの家に帰ったと思ったら、物音(・・)が風呂から聞こえた物ですから……ほこりまみれの作業着が脱衣所にあったので、男の空き巣が風呂にいるのかと……急に開けたのはこちらの落ち度です。今考えると女性の鼻歌(・・)でした……考えもせずに軽率な行動を取ったと反省しています。……ひ、ひとまずは、普通にお風呂を堪能してください…私は居間にいるので…」

とさらにハードルを上げるのは勝也の父、雨田大(あまだまさる)である。


大は単身赴任で地方の大学病院に勤めているが、不定期に雨田家近くの病院に出張する形で帰省する。今回は平日の日中に一人だけ家でくつろぐ計画が頓挫していた。勝也とは身長が違うので見ればすぐに違うのが分かるが、顔は似ている。


この後、30分でシャワーを終わらせるはずが、一時間もお風呂場で赤面し、昼からの大学には遅れてしまう風間だった。


「ただいまー厘?食べたい物は凪乃さんに言わないと……あれ?父さん?帰ってたの?お、おかえり…」

勝也が学校から帰ると父親の大が居間でテレビを見ていた。

「勝也か…お帰り、ただいま。厘は出かけたよ…『凪乃さん』って…風間さんとは昼にここで会ったけど……風間さんは何しに来てたんだ?春香ちゃんは学校だろう?」

大は若干顔を赤くして勝也に聞いた。勝也は言葉を返す。

「え?厘は出かけたの?どうすっかな…風間さんは俺たちの面倒を見に来てくれてるんだよ、ほら、母さんが最近、帰り遅いから…春香達に目を付けられてさ。本人に会ったんなら聞かなかったの?」

「そうか…お母さんは最近大学の人と研究をしているからな…金山さんの好意をそんな風に言っては駄目だぞ…まぁ、確かに…いきなりって言うのもアレ(・・)だが……本人には聞けなかったんだ。急いでたみたいだったから…」


風間は風呂場で右往左往していたが、大学に遅刻している事に気が付くと居間の大とは碌に顔を合わせず、最低限の挨拶をすますと、そのままの意味でロールで飛んで行ってしまっていた。


不定期に(ry

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