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力の使い方  作者: やす
三年の夏
193/474

#192~力の歴史話~

遅れました……

このお話はフィクションです。

実在する国・組織・団体等と似たような名前の物がありますが、実在する物と何ら関わりありませんのであしからず。

「き、キングって?……」

春香はタブレット端末からの声を繰り返すが、その言葉に何かを思ったのか知識(ノウレッジ)は言葉を続ける。

『……王者(キング)の本名は本郷(ほんごう)郷史(さとし)、清敬高校の校長をやっている清田三郎と清虹市を作ったお方だ。……もっとも実際に清虹市の土地を法力で創造したのは王者(キング)ただ一人、清田はその後に清敬学校を作り、清虹市の回りで無駄な事をしているに過ぎないがな。』

「…………本郷って……」

春香は戸惑いの声を上げる。

もしそれが本当ならば本郷郷史は”死んでいるハズ”の人物である。

『……ふん、良いだろう。今は昼食の時間だな。清虹市の現代史の話しをしてやる。……飯を食べながらで良いから聞け。本当は高等教育の範囲だが貴様の近くに居るお方が誰なのか知っておいた方が良い。』

「はぁ?何を『聞け、貴様が王者(キング)を目覚めさせたらすぐにでも家に帰してやる。こちらとしても貴様を遊ばせてこれ以上無駄な出費とリスクを被る気は無い。』……ふっ、ふん!」

春香は知識(ノウレッジ)の勝手な物言いに怒りの声を上げるが……春香としても早く帰りたいが為に、タブレット端末から発せられる”高校で習う現代史”に耳を傾ける。


もしかしたら値段的に一番高い椅子を頼んだ事がいけなかったのだろうか?

『カチャ……』『ギュ……』

春香の手には昼ご飯の丼ぶり・牛丼がある。

知識(ノウレッジ)の言う様に昼ごはん食べながら聞く様子だ。

用意させた椅子のクッションは良好で、実を言うと春香はこれを気にいっている。


『21世紀の初め頃、日本は憲法第九条により、戦争に加担せず、他国に攻撃をする軍を持つ事は無かった。いわゆる戦争放棄・平和主義だ。軍の代わりにある自衛隊は日本が攻撃を受けた時にしか出動せず、例え日本の領土に外人が不法に居座ったとしても居座った相手に攻撃性が見られなければ自衛隊は出動しない。出動するのは警察だけで、警察は地域に住む者の数に弱く、”相手が明確な違法行為をしている”と証明出来なければ不法な占領問題は解決出来ない。自衛隊が出来る事と言ったら災害救助か自衛隊基地周辺の治安を守る事で日本の友好国や貿易相手国が襲われていてもそれが国外ならば黙って見過ごす事しか出来なかった。……当時は憲法九条の解釈を変え、”巡り巡って日本の為になる”ならば集団的自衛権の行使を認め、国外でも自衛隊は出動出来る事になったり、以前から行われていた燃料や食事を与えない経済制裁を行うようになるが、日本に移り住んできた外国の民間人と企業の反発にあってそれら経済制裁と海外での自衛隊活動に支障が出る。集団で相互に融通し合う”集団的自衛権”の取り組みは遠い戦地ならば、昔から手を出さない法律があると言うのなら、無視してもまだ良かったが、隣国で”事が”起きて、海外に派遣する前例があるにも関わず何もしなければ敵対行為とされて日本は不当な目を向けられる事になる……』


「……」

春香は知識(ノウレッジ)の長い言葉に何も言わなかった。

タブレット端末から聞こえる知識(ノウレッジ)の声は続く。


『……そこで立ち上がったのが自衛隊の一隊員として身を置いていた王者(キング)・本郷郷史と、医療の為に自衛隊にいた”日本初の”法力医師である清田三郎だ。二人は”当時”法力が戦力と見られない事と、憲法九条の法律が”日本国内に限る事”なのを逆手に取り、”日本国内を法力で戦う法術師”・”国外で日本と関係ある国の為に軍事活動をする元日本人”を育成する構想を練る。王者(キング)達と共に立ち上がった元自衛隊員の数名は”防人部隊”と自称してそう呼ばれていた。彼らは日本に残る者を”郷派”、日本の為に国外へ出て行く者を”園派”として活動を始める。発起人の二人は自然と郷派は王者(キング)、園派は清田が代表となった。しかし郷派は準備段階で問題が発生して計画は躓く事になる。日本の”どこ”に教育施設を”何処に置くか”が決まらなかった。”国の為”とは言え、法力で人を傷つける彼等”防人部隊の郷派”は世間に受け入れられない。その当時は”法力”が絵空事として人々には身近な力ではなかったのが大きな原因だった。教育施設を建設する為に土地を買収するがそのたびに地域住民から過度な反対を受けてどこにも根付けなかった。それに業を煮やした王者(キング)は苦渋の決断をする。……』


「……」

”Sound Only”と表示されているタブレットからは矢継ぎ早に濃い内容が垂れ流されている。

「…………」

それを話半分で聞く春香は思う。

『この声の主である知識(ノウレッジ)はお昼の時間に”暇な人”なの?』と。

もっとも、女児児童を誘拐してしまう人なのだからまともな人間ではないだろう。

「………………」

それよりも問題なのは隣の空間で眠る男性が”死んでいるハズの本郷郷史”と聞いた事だ。春香は考える。

丼ぶり片手のその姿は本当にどうでも良さそうな表情をしている。

春香はどうでもよさげに口を開く。

「……貴方は”防人部隊”って所の人なの?……」『……王者(キング)は……何?俺か?……ふむ……そうだな……』

タブレットから流れてくる知識(ノウレッジ)の声は肯定ではなく、考える様にして”そうだな……”と答えている。

春香が質問した事に驚いたのかもしれない。


『……私は防人部隊の人間ではない。だが、その組織を今もう一度造ろうとしている者だ。……後で説明する部分を先に言えば”防人部隊と名乗る組織は今は無い”。”本当は”我々が名乗るべき名前だから今すぐにでもそう名乗りたい所だが……』

知識(ノウレッジ)の声を他人事の様に思う春香だが、話が”飛び過ぎていて”、特に何も言うつもりは無い様だ。

……隣の空間で眠り続ける男性・改め、”本郷”をどうにか回復させて”防人部隊”なる物を再建させたいのかもしれない。


タブレットは少しの間を置いてから音声を流す。

『……話の続きだが、王者(キング)は自分が発現出来る以上の規模で土系の法力を発現し、海に向けて土地形(ソイルトポグラフィ)を発現する。ここまで大きな変化を与える土系法力技は前例が無く、出来るかどうかも分からない初の試みだったが、こうして今の清虹半島は誕生している以上、王者(キング)の技は成功する。しかし、世界で初めて法力を発現した”合衆国”が全ての法力について監視と管理・研究をしていたが、国の地形を大幅に変えるほどの法力は王者(キング)が最初で最後の者となる。”合衆国”は地図を変えてしまう程の地形変化を許さず、これを国連協会に通達して世界的に禁止した。防人部隊は非難のマトとなり、国連と”合衆国”は王者(キング)の身柄の引き渡しと清虹半島の破壊を防人部隊に要求した。……』

「……」

春香は昼食の牛丼を食べ終え、タブレット端末を見て座っているだけの状態になっている。

テーブルには食器だけが乗ったお盆のみ。

春香がそんな長話を聞いた感想としては

知識(ノウレッジ)は、友達も居ない様な残念な人”と言うだけ。

矢継ぎ早に喋るだけ喋って春香に確認等を行う様子は見られない。

典型的なコミュニケーション不足な説明で、それはまるで歴史の教科書を音読して聞かされている様な物だった。


『…………』

『……………………』

話は尚も続く。

『……………………』

『…………』


『……そして、最後は清田の裏切りにより、王者(キング)は脳死させられて埋葬される事で国連の理解を得ると防人部隊は分裂を起こして瓦解する。郷派の者はさらに死者をだしながらも”法力警察”の前身となる組織を作り、園派は”清敬学校”と”清虹市の市政”の前身となる組織を作ることになる。清田は自分で殺した王者(キング)が作り、叶えようとしていた学校経営を今はしている。……滑稽で何とも自分勝手な老人だ。我々は清田を絶対に許すことはない。』

「……」

春香の姉や母が卒業し、二人が人一倍信頼を置く清敬高校の長・清田三郎を悪し様に言う知識(ノウレッジ)だった。

すみません……

かなりの説明口調&痛い設定かも知れませんが……

私兵の組織が近所に出来たら怖いですよね……

本当は過去編も考えましたが過去編等は今の所しません。

また、”左派”とか”右派”とかにも興味は無いので法解釈等で話をしたければ他でしてください。

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