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力の使い方  作者: やす
三年の夏
176/474

#175~力は本物~

「ちょ、ちょっと!誰でぇ……うむっ……」

『……ゴンッ!』

勝也は突然迫ってきた白のYシャツ……ごしの肉塊に、押しつぶされるようにしていた。

突然目の前に迫って来た人にあらがえず、声を出そうにも声の出す間もなく押しつぶされている。

勝也の機転で足は玄関の土足部分、身体は玄関マットの上まで引っ張ってきているので汚れは無い。


先程の声や、澄玲の反応からして、少し前に雨田家に泊まり来た、”飯吹”と言う、母・澄玲の高校時代の先輩らしい。

突然ののしかかりを受けるが器用に飯吹の身体を下から支えている勝也である。

「……くぅ……」

だが、飯吹は言葉の途中で言葉を止めると動こうとしない。

「……あのっ!……ちょっとっ!……何を……」

飯吹の動きは酷く緩慢だ。

非力な勝也だがなんとか押しのける様にして、突然寄りかかって来た女性から顔を上げる。

「……くぅ……くぅ……」「うっ……顔が近い……って……この人、寝てる?……」

飯吹は顔が近い事に驚いた勝也の声に反応せず、顔や身体を動かさない。

勝也が見ると飯吹は寝ているらしい。


『ピーッ、ピーッ……』

そんな勝也は家の奥の方から目覚ましタイマーの音を聞く。

「……あっ、時間……やばっ……」

澄玲の声から察するに、出勤時間らしい。

今日はいつもより少し早く家を出るつもりらしかった。


「……」「……」「……」

雨田母子(おやこ)は少し沈黙の時間を挟む。

急な来客の飯吹をどうするか?と思っている母子(おやこ)だ。

「……」

澄玲が動き出す。

「…ごめん!勝っちゃんっ!大丈夫?……っ……朝ごはんは作ってあるからっ……後は任せるっ……遅れちゃう!」

澄玲は外に出勤出来る姿の一歩手前だ。

ハンドバックを取りにキッチンの奥・澄玲の部屋に急ぎ足で歩いていく。

いや、既にそれはもう家の中を走っていた。


「え?……ちょ、ちょっと母さん?”この人”どうするの?」

そのまま勝也へ、”いつものように”口を動かし、横を走り過ぎて行く。

「……じゃ、じゃあ……いつものように何かあったら携帯に電話して……もし緊急で何か困った事があったら……務伯父さんや、……夕さんにも頼れるからね。……飯吹さんは……」

澄玲としては伝家の宝刀的に頼れる近くの知り合いで、澄玲の夫であり勝也達の父でもある雨田大の実兄や実姉の存在を言った。

澄玲は大事な要件を無視して玄関に揃えられているパンプスに足を入れている。

「いゃ……この人……どうするの?母さんに用事があったんじゃ?」

堪らずに澄玲が意識的に無視している訪問者・飯吹をどうするのかと母に言った。

「……そんなに悪い人ではないから!……多分大丈夫!……勝也に任せる!用事は勝也にあるらしいよ……」『ガチャ……』

何ともらしくなく言っている事がぶれる澄玲だ。

玄関ドアを開けて勝也に全てを放り投げるつもりらしい。


「……いやっ……そんな事言ったって……」「……あっ、でも、勝也達は外へ出歩かないでね、じゃー……行ってきまーす。」『ガチャン!』


「……」「……」『くぅ、くぅぅ……』

そんな寝息を立てる飯吹を見るのは厘と勝也の兄妹だが、厘が先に口を開く。

「”それ”って本物なのかな?」「は?……”それ”って?……」

厘が指さす先、それは尚も勝也にもたれかかっている。

後ろに倒れ込むようにして飯吹の下敷きになっている勝也の腕は乗っかっている人の身体、つまりは飯吹の胸を押し上げる様にして飯吹を支えていた。

飯吹の胸は大きく、小ぶりなスイカを胸に二つぶら下げている様な物である。

「……いやっ!……し、知らないけど……どうする?この人……無理やり起こすか?……」

勝也は厘の指摘でそれに気づき、咄嗟に腕を頭の上に挙げる様にして”不可抗力”を主張した。


「……ふぅん?……」

厘は勝の動きに声を返すがあまりその事に関心を寄せていない。

「……なら、厘も。」「……おっ、おい……」

おもむろに勝也と飯吹に近寄った厘は飯吹の胸を触る。

勝也は好奇心に突き動かされる厘を窘めようとするが、これからの事を思うとあまりキツクは言えない様だ。

『ムニュムニュ』とした効果音が相応しい感じで厘は飯吹の胸を調査する。

「……んー……確かに硬い様な……やわらかい様な……」

『……んっ、うんんん……』「なっ……おい!……」

厘はお構いなしに飯吹の胸を揉みしだく。

このままでは”飯吹を起こす”と言った勝也にとって、あまり良くない状態でそれを実行してしまう。

「うぅ~ん……」

「……止めとけって、そんな事したら……」

勝也は”そう”フラグが立つかの様に厘に言ってしまった。

「……うむにゃー……」『グゥ~~……、プゥ……』

飯吹が身じろぎすると、お腹を鳴らし、放屁する。


それはいつぞや聞いた音だったが……

食べている物が良いのか、ストレスを溜めていないのか、匂いは全くと言っていいほどしない。

人間の”おなら”はストレスや、身体の調子・食べた物で臭くなると聞く。


「うん……多分本物だ。……この人のおっぱいは大きいよ!触れてよかったね?勝兄ぃ。」

「なっ……」「……うむむぅ……くぅ……」

厘の太鼓判を貰った飯吹は尚も眠り続けている。

勝也は厘の言葉に毒気を抜かれ、飯吹の顔を見てみると、目の下にはうっすらとクマが出来ている事に気づいた。

もしかしたら、金山邸から疲れ果てて帰る所で、咄嗟にウチに来たのかも知れない……

そう思った勝也は飯吹をどうするか決めた。

「厘、この人を和室に運ぶから手伝って。」

「はいはーい。で?運んだ後はどうするの?」

「……朝ごはんを食べるんだよ。」

「ふぅん?」

こうして厘と勝也は疲れて眠っている様子の飯吹を雨田家の和室へ運んでいく。

今日は五月後半の月曜日。

飯吹の退職が実現するまであと少し。

申し訳ありません。

”龍の依頼”が思ったよりも長引きました。一週間も投稿が遅れました……


龍=ドラゴン

依頼=クエスト

です。11のアレです。

”クエスト”とはアーサー王がキリストの血が入ったサカズキ・杯を探し求める様に言ったお触れが語源でして、

クエストは=で言うと、聖杯を探す様に依頼される事

を言うらしいですよ。

龍の依頼11では女魔法使い用に女学生の制服+3を用意して、まさかのストーリー展開に衝撃を受けてこんな事を言ってしまいました。

やす「はいぃ!?」

これぞI say haii!!

聖杯です。おあとがよろしい様で……

※諸説あるらしいので真偽のほどは自己判断でお願いします

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