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力の使い方  作者: やす
三年の春
117/474

#116~動き始める力~

#113~力は動き始める~のBパート的内容です…

年齢指定は設定してないですからね。エロは無いです。はい。

『ドムッ、ドムッ!』

『ガー『ダッ、』ー『ダッ、』ー『ダッ、』ー『ダッ、』ー…』

『キシィン、ガッ!キシィン、ガッ!キシィン!ガッ!』

『ギシィ、ギシィ、ギシィ…』


清虹市内にある、ある建物のある部屋。

むさ苦しい男達が『ふむぅっ!』と言った、呻き声を時折漏らす。

彼等は薄暗い部屋の中、モーター音や、金属がきしむ音、金属が打ち当たる音を鳴らしている。

彼等はそれぞれが自分の世界に没頭し、理性のタガが外れかかっている。

今にも誰かが叫び出しそうだ。だが、誰も言葉は発しない。

口から聞こえるのは荒い息遣いと、小さな唸り声である。


そんな鬼気迫る雰囲気のさなか、毛色が違う声が部屋に一つ飛び出る。

「んっ?あちゃー…また太くなってるなー………これ以上膨らませると、すぐバテちゃうんだよなぁ…はぁ、困った…」

男達が漏らす苦悶の呻き声の中、妙齢の女性が独り言まじりのため息をつく。


男達は視線を合わせない様にして、自分の世界で集中している風を装う。

その女性の近く、目の前に居る男性は、彼の目の前にある、きめ細やかなやわらかい繊維へ顔を押し当てたい衝動を我慢している。

『はぁはぁ、はふーはふぅ!』と鼻息荒く、そろそろ我慢の限界だ。


『ピピピッ……ピピピッ!』

そんな時、その部屋の天井に付いているスピーカーが電子警告音が鳴り響く。

「んっ!皆、集中トレーニング終了!タオルと水分補給!誰かカーテンを開けて!静かにね!」

どこか有無を言わせぬ口調だが、その中にフランクな空気を混ぜた声が部屋に投げられた。

先程独り言を言っていた女性の声だ。


その部屋はスポーツジム顔負けのトレーニングルーム。

女性の指示を聞いた面子は、続く情報を聞く為、無駄な動作をせずに”きめ細やかな”タオルで顔を拭いている。

『シャッ………』

ガラス張りの壁近くに居た男性が洗礼された動きで音を一切立てず、部屋の静寂を壊さない様にカーテンを開けた。

「うぅ!まぶしっ…」

太陽は昼の日光を薄暗かったトレーニングルームに届け、『春が終わった』と思わせる温度環境を部屋に充満させる。

『ガッ…事件発生、事件発生、通報二件!清虹自然公園の東・清虹川上流終端と、近くの市立清瀬小学校で仮面ジャージの目撃情報。土旗西の民家より二分前に通報1件。紺色ジャージ上下で黒い仮面を付けた若い女性一人と、魚の様な青い恰好をした齢不詳の男性一人による、怪しい二人組。行動は土旗駅方面・清虹川下流方向の北寄りに向け、青い恰好をした男性が水系の法力で大量の水を射出したとの事。その後、標的を確かめる様に水の飛ばし先へ徒歩で移動して行った。と。要領を得ない通報から、当初はフィクション作品等のパフォーマンスか何かと確認の為に初動が遅れています。通報した男性に確認した所、特徴から先の事件・”魔人”又はそれに近しいモノの可能性アリ。担当する者は十分に注意されたし。もう1件は三十秒前、清虹川上流終端の北東に位置する、清瀬小の職員から、同小学校は今日、避難訓練中、敷地南西に建つ体育館から、水を伴う衝撃を確認。と同時に黒のジャージ上下と紺のジャージ上下を着た男女10人弱が校庭に侵入してきたとの事。校庭に居た児童が100人規模で身柄を抑えられています。校舎で保護した児童ありとの事、該当集団は尚も校庭に居座るが、交渉も話し合いもせずに居ると、二つは一連の事件と見られ、交通規制・報道規制はすぐに……』

トレーニングルームに居る面子は、スピーカーの音声途中から素早く行動を始めている。

タンクトップ姿で身支度を整えていた飯吹は指示を出す。

「装備Sで二台!4、6、8、9は私と学校!”残り”は塩谷君指揮で清虹川!現場に居る警官と情報を共有する様に!」

『『『『『『『はいっ!!』』』』』』』

トレーニングルームに居る男達はタオルで汗を拭い、威勢のいい返事をした。

無言・無休憩の”ハズ”だった集中トレーニングは発起人・飯吹の声で終了する。

筋トレなどのトレーニング法では短い時間で高負荷をかけるトレーニングがある。

班長である飯吹の考案で実施された。

『無言』とは口を閉じ、声を出さない状態を指すが、飯吹は『無言』の中でも、独り言はノーカンらしい。


『ガサッ、ガサッ、ガンッ!』と慌ただしく装備を手に持ち、地下まで伸びているポールを片手で伝い降りる一同、彼等彼女等は半地下の駐車場へ向かう。

飯吹達がいた場所は清虹市の中心から少し東に寄った清虹署である。

”ある部屋”とは署員の使用するトレーニングルームだ。

この時、部屋を使用していたのは法力警察特捜課・実働隊前線班の面子である。


警察等の緊急出動をする集団の敷地が狭い建物では一般的に一階、若しくは地下に車等の乗り物が置かれている。

一人一人がポールで降りる移動は、一定人数が一定の速度で駐車場に移動する事が出来る。

それは総合的に見て一番速い動きなのだ。

署員が出入り口で詰まらず、地球の重力に沿って降りる事で、施設の維持費や、点検が少なくなると言った利点だ。


横に移動して、建物の出口を通る事になると、前と横にいる人と歩幅をそろえ、駐車場の端から自分達が使う車まで行く。

のと

上下に動く為、建物の中にあるポールを掴み、重力による均等の速さで駐車場中央に降り、自分達が使う車まで行く。

のでは、短時間で車まで移動できる。

加えて、ドアなどの破損・修理等の可能性は少ないのもメリットだ。


飯吹達は自分たちが使う車に乗り込み、『バンッ!バンッ!バンッ!』とドア閉める。

『ギュギュギュルルン…ブォォ…』と二台の車がエンジンを回すと『キュキュキュ…』と駐車場とタイヤが音を鳴らし、道路へ躍り出る。


慌ただしく発車する車の中、指示をほぼ丸投げされた塩谷茂は汗がにじむ顔から眼鏡をはずし、切れ長な目をさらに細めていた。

彼は”魔人”を相手にする事が不安に感じている。

『今現場に行ける、”残り”の隊員は

・No.2である自分02(アシスタント)

・期待の新人だが、まだ現場経験の浅い03(バックパッカー)

・猪突癖のある07(アタッカー)

…の三人。

後方からの援護攻撃と現場を見て的確な提案が出来るスナイパー役で、頼れる隊員の05(ヴィジュレン)は居ない。


彼は正午過ぎに私用で早く退勤している。前から予定していた退勤だが、なんともタイミングが悪い、いや、悪すぎる。

と益体もない思考の末、それを差し引いてもこの編成は無難である結果に行きつく。


小学校で児童に危害が及んでいるのなら、何よりも最優先すべきは児童の安全だ。

ゆえに担当するのは法力警察の最大戦力である01(エース)で間違いない、例え『魔人』と呼ばれる、”厄介な”相手を万全の体制で相手に出来なくとも。

塩谷は自分のマスクをかぶり、飯吹の為の”前線班”で実質の頭脳とも言える02(アシスタント)となって現場に向かう。

厄介なのは、力とその姿からメディアに『魔人』と名付けられた者を最小限の被害で捕らえ、相手と自分・どちらもけが人を出さない事だ。



隊長兼班長の飯吹金子。その一人を効率よく運用するための”前線班”は9人からなる精鋭である。

一人の為のチーム・特にトップに立つ者が現場で動きやすくする為に作られたチームは一見効率の悪い集団だ。

現場で活躍できる者は現場に専念する為、高い地位には就かない事が多い。

集団の指揮は後方から行うべき物で、指示の伝達・指示を最後まで出す為、優勢が崩れても対応しやすい後方に居るベキだからだ。

現場指揮・陣頭指揮と言う見方もあるが、その場合は代えが居る者・タフな者がその任に付くのが常である。

名将とはその身では戦わず、知識と経験でその実績を作るのが現代戦術である。つまり、体が貧弱でも名将たりえる。

むしろトップに立つ者は力が無い方が慎重に物事を捉え、被害が出ない様に尽力する傾向がある。

勿論この場合の力とは武力を指し、体力では無い。

特に人間は体力知力が連動していて、体力的にも余裕を持って事に当たる方が良い。


しかし、前線班の班長である飯吹はメディア的にも実力的にも前面に押し出すべき存在だ。

『法力警察の隊員が凶悪事件を解決!』と『法力警察官の隊長が凶悪事件を解決!しかも美人!』では見出しのインパクト以上に効果が有る。

『非力に見られがちな女性でも荒事を解決できる法力』と言う事実と、『アイドル的な求心力・象徴とされた個人の作りだすクリーンなイメージ』は現場の士気


にも影響する。

何より飯吹が未婚である所は大きい…ついでに母性的な所も飯吹は大きいのだ。明確な説明は割愛する。セクハラになりかねない。

(ry

話が進まないBパートを続けて申し訳ありません…

じ、次回こそは…いや、次回でBパートは終わるハズ…っ!!!

次回をお待ちください!!

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