#109~力の交渉~
すみません…盛大に躓きました…
清瀬小学校の校舎は敷地の南東に置かれ、北西方面へ開いた扇の形である。
敷地の南西には体育館を置き、校舎と渡り廊下で繋がり、校舎の北には倉庫・プールが並び、四角形な敷地の残りは校庭が敷かれている。
体育館と校舎を繋ぐ渡り廊下の体育館目の前、『体育館利用者出入り口』を、ジャージ姿で仮面を付ける男女の集団は、門を破壊して強襲している次第だ。
『体育館利用者』と銘打った出入り口だが、校庭にも出入りできるようになっている。ちなみに校舎側には職員用入り口が置かれている。
あわや、難を逃れた神田先生は『あぅ…』と這う這うの体で逃げていく。
ジャージ姿の面々は興味を無くしたかのように神田先生には無反応だった。
『…邪魔。』『ドンッ!』『いぅ…っ…』
いや、通りすがりの紺ジャージの一人に蹴られる始末だ。
黒ジャージ仮面の三人が凪乃の前に立つと、凪乃は声を飛ばす。
「退きなさい!!怪我ではすみませんよ?目的と貴方達は何者か名乗りなさいっ!」
凪乃は居丈高に言う。
対する弓使いは背筋を伸ばし、軽く腰を折って対応する。
「ふふふ…俺は弓使い。…心配は要らん。”丁重に”金山春香嬢を我々のホームに招待するだけだ。無論、身の安全は保障するし、あまり日を掛けない様に金山邸に送り届けよう…帰りの日時はここでは決められないが。」
人を小馬鹿にした態度で弓使いは言う。
凪乃は歯を『ギリィ…』となりそうな程、歯に力を入れる苛立ちを見せ、口と足を前に出す。
「何を訳の分からない事を!!そんな事は私が許しません!貴方たちは『悪漢』と呼ぶ程度がお似合いです!!」
弓使いは仮面の下でほくそ笑むとメイスを構えて凪乃と対峙する。
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凪乃は校舎から校庭に出てきているが、弓使いを始めとした黒ジャージ仮面男三人が間に入り、行く手を遮っている。
知識の後ろには『ドン…』『キンッ!』と言った戦闘音交じりのやり取りを垣間見て聞いているが、知識に急いだ風は無い。
今回は紺色のジャージに身を包む知識だが、その後ろには同じような恰好をした女性、五人を伴っている。知識は児童達へ声を飛ばす。
声はドスの効いた声…と言うよりも神経質でハキハキしている、個性が無い声だ。
「聞け!金山春香嬢を迎え入れる準備がある。大人しく出てくれば手荒な真似はしない。素直に言う事を聞かない場合は、痛い目を見るかも知れないぞ?”アレ”では済まない。」
「………」
”アレ”と呼ばれた、校庭の体育館近くで立ちはだかってやられた教員・早川斗真を指し示す。
誰も動かないのを見て、ただ事では済まない事を知る児童と居合わせる教員だ。知識は若干、声に険を入れて言葉を放つ。
「……時間切れだ。我々も暇ではない……」
知識を先頭に、校庭で足場の悪い土を踏み越えて来る。
『っ…』『えっ…』とその場に居る児童達は紺ジャージの六人に怯え始める。
「ま、待って!従います!……これ以上誰かに手を出せば舌を噛み切ります!!凪ノ…っ、スーツの女性と戦っている者達にも動かない様に言いなさい!」
「むっ、そこか…」「えっ……」とその場の全員は『んっ…』と舌を少しだけ出し、それを歯で噛んでいる春香を見る。
春香の声を聞き、驚いて見せる勝也は凪乃の方を見る。
……そこには三対一の劣勢に輪をかけて苦戦している凪乃が居た。
知識は春香の顔と声色から言葉を返す。
「……ハッタリか?まぁ良い…それ以上は動くな。俺一人はそちらに行かさせて貰おう。」
『ザッ…』と足音をたて、、不安定な足場を踏みしめる知識だ。
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