#100~力の前日~
遅くなって申し訳ありません。
1ヶ所、『白衣』と書いていた所が『私服』の間違いでした……
白衣は男性です。話が変わる改稿しました事を報告します。
重ねて申し訳ありません……
勝也達の班・壱班のゲーム企画『どれが一番良い写真か?』は斉木茉奈の写真、『遊具前での集合写真』が圧倒的な票差で幕を閉じた。
三年一組は他にする事も無く、残りの『総合』時間では『防災ビデオ』を見ていた。
『キーンコーンカーンコーン……』
学校の五時間目の終了の鐘を合図に、児童達は帰り支度を始めている。これで清瀬小学校の一日は終わりである。
今日はそのまま『帰りの会』に移行するのだ。
「みんな!ちょっと良い?」
神田先生が教壇に立つ合間を狙い、声を挟む者が一人。
勝也だ。
先程の『どれが一番良い写真か?』で使われたB4サイズ:少し大きめの写真を取り出すと話し出す。写真は一位を獲得した斉木茉奈の写真である。
「今回の遠足で使ったカメラ、写真、この大きめの写真を刷ってくれたのは、土旗駅近くの土旗商店街三丁目に店舗がある、『カメラショップ・レインボウ』です。実は叔父さんが経営している店で……えーっと……カメラや、機材、反射板等の機材を豊富に取り揃えた穴場店舗で、頼めばプロが撮った写真のピンナップや、気の良い店長さんがプロ顔負けの技術で写真撮影を代行します。」
なんと宣伝を始めた勝也である。最後のセリフはメモを見ながら喋る入れ様だ。
しかし、ただ店の身内の者が宣伝しても効果は薄い。それを聞く教室の皆は先生含め、話半分で聞いている。
勝也の次の言葉を聴くまでは、だ。
「皆が清瀬小学校に通っている間は、『雨田勝也から聞いてきた。』と言えば、撮影代行・デジカメ等の指定されたサービス・商品を一律で二割引きしてくれるので、カメラ・関連商品をお求めの際は『カメラショップ・レインボウ』を使って下さい。」
それを教壇で聞く神田先生は言葉を挟む。若干真剣みを帯びている…
一応授業中は避けたのだが、あまり良く思われなかったのだろうか。
「もう、いいか?…雨田?そういうのは授業中は…ぁ、一応、授業中は避けたのか……う゛んっ!一つ聞きたいけど、それは先生方も対象?」
『えっ?……』っと微妙な空気を孕みつつ勝也は答える。
「…一応、『学校の全学年・その家族・皆が対象』って言ってたので………た、多分…三年間は……だいじょu」「よし!……じゃあ、『帰りの会』を始めるぞー」
この日は夕方ごろ、土旗商店街にある『カメラショップ・レインボウ』は少しだけ賑わった。
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その日の夕方、とある施設の薄暗い部屋にて~~
かろうじて暗闇に白が映えて恰好が解る。白衣姿の男が部屋の片隅に荒い声をかける。
『山!起きろ!!いつまで寝ている”キ”だ?……指令、場所は××だ。近くで待機中の弓使いが点火役を務める。『この手』の残党一人を魔人化する手筈で、弓使いの指示に従え。』
その声に反応するのは男女の二人。男が先に反応する。
「知識、弓使いに従うって…僕だけに出てるんですか?それとも…」「っ!ザけんな!あたしだろ?流石にそろそろ我慢出来ねぇよ!!いつまで寝かせて置く”キ”なんだ!!そもそも、私だけで変な集団で働かせやがって!!おかしな野郎たちに顎で使われた身にもなれよ!!おまけに!下請けとはいえ、ここの仲間に襲われるとか!!……咄嗟に何も出来なかったじゃんか!!『この手』に居る間、二三カ月はやりたいように出来なかったんだ!今回は『駄目』っつっても私に出された指令だつって、暴れるぞ?」
後から女の方が大声で喚き散らしている様だ。
女は顔のパーツは男と似ているが、雰囲気が違う。性格も大分激しい。
二十歳前後の、よれっとした青い私服に身を包む女性だ。
青いシャツの私服は豊かな膨らみを覆っている。
切れ長の目にスラっとした筋肉質な体型・背中までの長髪が特徴的である。
最近壊滅した集団、『この手で出来る事』のトップ:宮西渉、サブ:国近マサ美が襲われた時から音も無く姿をくらませて居た人物である。
要は『この手で出来る事』に潜入していたスパイをしていたのだ。彼女は黒服集団の研究員だ。
今指令を話している知識に近い人間なのかもしれない。
それを黙って聞いていた知識はこらえきれずに喋り出す。
『うるさい!静かにしていろ!!』
白衣姿の知識は続けて指令を淡々と吐き出す。
「明日は久しぶりに、山の二人で行動してもらう。」
「なっ…こいつと…」
「ふぅん?今回は活躍してよ?僕がフォローしてやるからさ。紅樹?」
「白樹ぃい!てめぇえ!もういっぺん言ってみろ!どっちの力が上か、白黒つけてやる!!」
イケメソな男:白樹は紅樹に喧嘩を売り、紅樹もそれを安く買い叩いた。
そんな双子のやり取りを黙って聞いていた知識は仮面の下の口を動かす。
「黙れ…研究者、工作員…研究者は聞け。脳筋な弓使いや工作員と同じ次元で話をするな…作戦区域が土研の管轄なのだ…水研の私とお前は客分。口を噤め。それが嫌なら力の強い者が上だ。力を見せろ。……実名呼びは辞めて、コードネームで呼び合えと何度言ったら……」
研究員と呼ばれた紅樹は『はい…知識の力のままに…』と反省して見せる。
対して
工作員と呼ばれた白樹は調子に乗って
「そうだぞ?ここでは俺が上だ。それに、俺たちなら『白黒』じゃなくて、『白赤付ける』だからな!」
と不遜な態度を見せている。
それを聞く紅樹は『うん…』と相槌を打っていた。
(ry
徐々にネタバレしていくつもりが…なぜこうなった…




