白色×街
「はあぁあ。」
ため息をついた。あの後、なんだかんだ言って喋ってしまった。私の悩み。ポケットに、名刺と石。
『この石を大切に持っていてよ。僕は準備出来次第仕事をはじめるけど、もし、それまでに何か起こったら、この石に助けを求めてみて。その石が、君のこと。守ってくれるから。』
歩きながら私は、ポケットの上からその存在を確認して、またため息をついた。
(一体なんであんなとこに行ったんだろう。確か、目を閉じた瞬間。…部屋に居たはずなのにいつの間にか真っ白な部屋にいて…んー理解できないな。しかもその前の電話。番号間違えてなかったはずなんに。それと…あの店長さん、スゴく存在感あったなぁ。口調は結構穏やかだけど。)
あ。しまった。
考えことをしながら歩いていたら…どうやら道に迷ってしまったらしい…見知らぬ道に出てしまった。
む。困ったぞ…
人に道を訊こうかと、人に近づいた。
「あの、すいません。道に迷っ…」
スルーされた。ひっど。まぁ。人を間違えただけ。違う人に聞けばいいわ。
私は、ほったて小屋で休んでる人に訊いてみた。
「すいません、道に迷ってしまったのですが、#*&£☆駅はどう行けば宜しいでしょうか?」
無視。
どころか、こちらを見ようともしない。
また他の人に訊こうか、と思ったところで不思議なことに気づく。
今は夏だ。太陽はギンギンに強い光を放っている。暑いとてつもなく暑い。なのに、何でみんな厚着なのか。そしてなぜ、暗い表情なのか。
ここには来ては行けなかった場所のようにに感じた。
本能が 逃げろ と言う。
どこでもいいから、走りまくってれば、きっといつか知ってる道に出るはずだよね。
走った。
走った。
走った。
でも、またおかしい事を発見した。どこをどう行っても、さっき道を訊いたほったて小屋のとこに来てしまう。体中にかいているこの汗は、きっともう、冷や汗もでている。
なんでっ。
なんでなんで???
またしても、戻ってきたこの道で、私はもうしゃがみこんだ。
疲れた。
そのときのことだった。
「…」
トントンと、肩を叩かれた。ビックリして振り返る。知らない人がたっていた。その人は他の人と同じように厚着だった。でも、汗びっしょりだった。
「あ。な、なんですかっ…ーっ!?」
いきなり、口をふさがれた。