第9話 誕生会
ロイド先生の授業が始まってから2週間ほとがたちました。
授業にも慣れてきて先生の質問にも対応できるようになり知識もだんだんとついてきています。
さて、実は来週、父さんが所属する派閥のボスの娘さんの誕生会があります。
前回まではまだ外には出せないと言って留守番でしたが、この2週間でロイド先生が礼儀を中心に授業をしたため(たぶん父さんの指示。)今回から誕生会に出ることになりました。
授業はもう少しあるということですが、一応すぐに出てもまだ小さいからとフォロー出来るレベルにはなりました。というよりまだ6歳なので落ち着いているという印象があると思います。
誕生会のプレゼントは父さんが用意してくれるということで僕はただ授業を受けているだけでいいみたいです。
若干飽きてきたとかそういうことはないですよ?
・・・今日も頑張るか。
時間がたち誕生会の日、会場前です。
まだ馬車に乗っていますがすぐに降りるでしょう。
「ザック、今回は侯爵家の娘の誕生会だ。失礼のないように。」
「はい。分かりました。」
うちって爵位なんだっけ?(作者が)気にしてないからな。
取り敢えず、伯爵以下ではある。子爵だと思うんだけど、まあいいか。
「降りるぞ。」
「はい。」
ちなみに今回は父さんと僕の2人だけです。
「オーブリー・ハインリヒ子爵及び御子息アイザック・ハインリヒ。ご来場!」
会場に入るときに扉の両端に立っていた守衛さんが会場に向けて到着を告げました。
「ザック、最初に主賓のもとへ行くぞ。はぐれないようにな。」
「はい。」
主賓の下へ向かっている途中に何人かの人が声をかけてきましたが、父さんは軽く挨拶するだけで止まることなく進みました。
そして父さんと同い年くらいの男性と僕より若干年上の少女の前で止まりました。
「コレット様、お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとうございます。そちらが御子息でしょうか?」
「はい。ザック、挨拶しなさい。」
「オーブリー・ハインリヒが嫡子、アイザック・アズナヴール・バシュレ・ハインリヒです。以後、お見知りおきを。」
「私はコレット・エマールです。」
「コレット様、こちらは誕生日プレゼントです。」
挨拶が終わると父さんがプレゼントを渡したので、僕も事前にもらっていたプレゼントを渡します。
「ありがとう。」
「ではこれで。」
「失礼します。」
父さんはコレット父に挨拶をせずに離れます。いいのでしょうか?
「父上、侯爵様に挨拶をしなくていいのでしょうか?」
「ああ。後でするから大丈夫だ。」
「そうですか。」
その後、伯爵から順に男爵まで挨拶回りをしました。
きついです。
「ザック、私は侯爵の元へ行くから、お前はほかの子と話でもしておきなさい。」
「はい。」
話って言われても話す人いないんだけど。
「こんにちは。」
突然後ろから声をかけられました。
振り返るとコレットさんと変わらないくらいの女の子がいました。
藍色の長髪に蒼い目の静かそうな女の子です。
「あ、こんにちは。」
「今暇かしら?」
「はい。大丈夫です。」
空いてることを伝えると女の子は近くの空いているテーブルまで移動しました。
僕が座ると近くのメイドさんから果実水を2つもらって片方を僕見渡してきました。
「ありがとう。僕はアイザック・ハインリヒ。」
「私はブランシュ・オリオル。よろしく。」
オリオルはさっき挨拶したな。たしか子爵だったと思う。
オリオル子爵の第一印象が優しそうなおっさん(口には出せない。)だったから覚えている。
あとの人はだいたい“ゴマすり”か“ヤクザ”の印象だったからな。
「ブランシュさんの父上は確か子爵だったよね?」
「はい。貴方の父上と同じです。父上同士も仲がいいみたいですよ?」
「そうなんですか。では時々父上に会いに来ていた方はブランシュさんの父上だったのかな?」
ケティーが前に父上に客人が来ているので今は会えないと止められたときがあったな。
その後も何度かあったけど、全部オリオル子爵だったのかな。
「そうかもしれません。何度か出かけると言って高級酒を何本か持っていくのを見かけました。」
そういえば、次の日は頭痛がすると言っていたような。
「ブランシュさんは誕生会とか結構来てたりするんですよね?」
年上だし、結構慣れてる感じがするな。
僕も早くなれたいんだけど“空気”が悪いからな。
「いえ。今回で2回目ですよ。まだ会場の雰囲気に慣れません。」
「そうなんですか。その割にはかなり落ち着いているよに見えます。」
「そう見せないと“変な虫”が近寄ってくると父上に言われました。事実、前回は声をかけられましたし。」
声をかけられたって、対応も緊張するだろうな。相手は“変な虫”だし。
「あら。ブラン、貴方ここにいたの。探したわよ。」
ノリで書いていたので書くが少なくなりました。
どうにかしたいがどうしようもない。ですかね。
誤字脱字その他は気軽にご指摘ください。