第3話 専属メイド
6才になりました。
あれからやってたのは簡単な基礎体力作り(敷地内のランニング)と魔道具作りです。
魔道具の材料は4才をちょっと過ぎたときに、僕に向ける好意の度合いの違うメイドさんがいたので、魔力測定器の材料を1つおねだりをしてみると3日後には直接渡しに来ました。
あ、そのメイドさんの特徴は栗色の髪を肩あたりで切りそろえていて、目は水色に近い青。肌は白色で背は低い。
多分お母さんより低い。第一印象は可愛い中学生って感じかな。
で、話を戻すけどその渡しに来た材料が魔力測定器作成で最も入手困難(年齢的に)で、普通のメイドさんでも難しいから諦めてたんだけど持って来てくれたから嬉しくなって、つい抱きついちゃったんだ。
そしたら何か恋人を抱きとめるような感じで抱き返してきたから、少しびっくりしたよ。
その後、いろいろ話しているうちに仲良くなって(名前はカリン)材料集めを手伝ってもらうことにしました。
「若様、ケティーでございます。」
ある日の昼下がり、昼食が終わって本を読んでいると専属のメイドさんが来ました。
「どうぞ。」
ガチャリと音がしてドアが開きました。
ケティーの見た目は若干薄い青髪ロングに青い目、背はカリンより少し高い。
ぱっと見、優しい高校生委員長という言葉が浮かぶ。
「若様、今日は少し話があるのですが。」
「なんだい?」
少し表情が硬いような気がする。ばれたかな?
「若様、最近カリンと仲がよろしいようですが何をなさっているのでしょうか。」
何をしているのかと言っているが、表情からすると結論には至っているようにも見える。
「少し話し相手になってもらってるだけだよ。ケティーと話すのは面白いけど、時々は他の人とも話したくなってね。」
「本当にそれだけでしょうか?」
「何でケティーは何でそう思うの?」
カリンが話している可能性もゼロじゃないけど、他が怪しんでいるだけならかわせるといい。
ケティーにバレたら材料集めどころかほかのメイドとのコミュニケーションが取れなくなる可能性があるからだ。
「ケティーが出入りの商人と話しているところを見ました。その後に商人から買った物を私に見せに来ずに若様にお渡ししていました。」
確かに僕のもとに集まる商品は全てケティーのチェックが必要になる。
「商人から買ったものと僕に届けに来たものは同じものとは言えないと思うよ?最近は僕に届いたものはケティーがチェックしてカリンが持ってくるというのは珍しくないでしょ?」
「確かに頻繁にありますが、中には秘薬となる草や特殊な素材が多く混ざっていました。若様が悪用しないことは分かっていますので見逃しましたが、ひとつだけこの部屋に私がチェックしてないものがあります。」
え?
そんなはずはないんだけどな。
「どれかな?」
「そこの棚にあるラドンの角の粉です。特徴は密封しても香るほどの臭いを発することと、粉自体がクリーム色であること。最後に保管時に使うビンは特殊なものなのでビンのデザインが特徴的。ということです。」
あ、そういえばあれは少し危ないからチェックしてもらってなかったな。
「そうなの?あれは僕が頼んだんだけど。」
「あれは羊皮紙に特殊な水に解いて塗ると臭いがなくなると同時にある一定の条件を満たすまで文字が消えるという効果があります。あのビンの中身は若干減っているように見えるのですが私の見間違いでしょうか?」
「確かに減ってるよ?開けてみたら粉が少し飛んできてくしゃみしちゃったからね。」
ケティーが言った方法で減ったのもあるが、実際開けたときにくしゃみをして飛んだのも事実。
少しもったいないなと思った。
「そうですか。では、最後にもう1つ質問させていただきます。」
「なに?」
「なぜ、ラドンの角の粉が欲しいと思われたのですか?あれは魔道具技師、それに準ずる魔術師か国家機密に指定されるような情報を残すときに用いられます。若様には必要のないものだと思いますが?」
確かにそうだ。ラドンの角の粉はさっき言った使い方以外に魔道具の材料になるということもあるので、魔道具技師にも使われる。
今回入手してもらったのも魔力測定器を作るのに必要だったからだ。
「欲しかったから・・・じゃだめ?」
「ダメではありませんが不自然です。」
はっきりと言うな・・・
どうしよ?
「もし話した後に、僕のしていることを止めないでいてくれるなら話してもいいと思う。」
何かいいわけないかな・・・
無いな。ラドンの角の粉は王国でしか使われていないから物語で出てくることもないしな。
「内容によります。」
「うん。実はランプとかの簡単な魔道具に興味があって、カリンと仲良くなった後に色々と用意してもらっていくつか作ってみたんだ。そこにあるランプがそうなんだけど、僕、指鳴らせないから合い言葉を言ったら点くようにしたんだ。それで本格的に何か作りたくなったときに魔道具の本からいくつかの魔道具を合体させたら何かできないかなと思って集めてもらってるんだよ。」
言い訳はないが、事実をぼかしていうことはできるので、あえて、既存のものを作るという方向で言ってみた。
「・・・分かりました。その程度のことならカリンでも大丈夫でしょう。彼女は少し小さな男の子がタイプのようにですが、あれでも魔道具についてはある程度は理解しています。その彼女が大丈夫だと判断しているのなら、今回は目をつぶりましょう。しかし、もし1回でも危険なことがあればカリンには辞めてもらって、若様の魔道具作りも専門的な学校を出るまでは禁止にします。」
よかった。逃げ切れた。
というより、カリンて魔道具作れたんだ。てっきりランプの件は商人とかから教えてもらってたんだと思ってたよ。
今度カリンには魔力測定器について話してみようかな?
3話でした。
時々口調が違ったりするところは、書いたときの気分によるので目をつぶっていただけたらと思います。
また、お気に入り登録を極少数ですが、登録して頂けました。
有難いと思う以前に、文才もないのに次の話を少しでも期待されていると思うと申し訳ない気持ちになりました。
ですので、次回からも気合を入れて書かせていただこうと思いますので、よろしくお願いします。
誤字脱字その他は気軽にご指摘ください。