木管&打楽器day's
①ガキ
「やっばいこれ!!!」
「やっばいすねこれ!!!!!」
テンションあげあげな3人。
いつものことではあるが・・・いつも以上に興奮していた。
そんな3人の間にあるのは、共通で好きな芸能人の写真。
「かっこいいよねぇ♪」
もってきたのは、さや。
「やばい、これほしい!頂戴!!!」
「だ~め~」
「しゅんもほしい~!!」
「だからだめ~」
「けちぃ・・・」
「じゃ、ロングトーンやりますか!」
「なぜにそうなる?!」
「ほしい~」
「ロングトーン~」
「頂戴~」
「ロングトーン~」
「・・・いい加減練習すれば?;」
教室を通りかかったエノが呆れた顔で覗く。
「「「はーい」」」
なにかと素直な3人。
「・・・ほんっと、ガキみてぇ」
「なんか言った?」
「・・・なにも。」
そのまま呆れ顔ででていくエノであった。
②おにごっこ
「つかれた~」
だら~んと椅子にもたれかかるしゅん。
「もう?まだ部活始まって1時間じゃん;」
さやが呆れ顔でしゅんを見た。
「今日授業だるかったんですよぉ~・・・」
「じゃあさ、気分転換に運動しない?!」
満面の笑みで言うハル。
「わけわけんないですよ~、疲れてんのにぃ」
「だからこそ!!動けば元気になるさ☆」
「別に気分がおちこんでるわけじゃ・・・」
「ほらほら、ジャンケンジャンケン!」
「え?なにやるの??」
「いいから!!ジャーンケーン・・・ポン!」
さや&しゅう⇒グー
ハル⇒チョキ
「よし、ハルが鬼!よーいどん!」
「え?え?これ鬼ごっこ?!」
「せーかい!!」
「急すぎますぅ!!!」
なんだかんださやとしゅうは全力で逃げた。
「まてまて~!!!」
「おい!」
ドンッ
「っつつ・・・」
「!ハル大丈夫?!」
「あ、たけ先輩・・・」
「ったく、低音は・・・鬼ごっこはやるなって;楽器あぶねぇだろ;」
「「「はぁい・・・」」」
「って、もとはハル先輩が・・・」
「あたしのせい?!」
「喧嘩はいいから!戻れ!!」
「「「・・・はぁい」」」
部長には逆らえない3人であった。
①女子の権力
「「「「じゃんけんぽん!!」」」」
「っしゃ勝った~!!!」
Saxパート4人でのジャンケン。
勝ったのは、シュウだった。
「え、なんかシュウに負けるのやだからもう一回」
「なんでだよ?!」
勝った人が教室内にあるこのクラスに入った転入生に用意された、一番綺麗な椅子と机を使える。
「とにかく俺勝ったし、サユは昨日使ったからいいだろ?」
「ブー・・・」
「なんかさ、最近後輩2人で独占してるよね~」
口をとがらせるエイミー。
「年功序列でしょ、ここは」
アキはそういってにやっと笑う。
「いやいや、先輩たちも先週いっぱい座ってたじゃないですか;とにかく今日はおれっすよ」
そういって、シュウは満面の笑みで綺麗な椅子に座った。
「「「・・・」」」
「・・・;」
「「「・・・」」」
「・・・なんすか;」
「「「・・・」」」
「・・・せめて目で訴えてくるのはやめてくださいよ;」
「「「・・・」」」
「(これじゃあ吹けねぇじゃん;;;)だから、せめて無言はやめてくだs」
シュウがいいかけたところで、ふいにアキが立ち上がった。
「・・・?」
「・・・((ニヤッ」
ガコッ
「いっつーーーー!!!!」
アキがシュウの足をおもいっきり蹴った。
「なにするんすか?!」
「だって、無言は駄目なんでしょ?だったらそれ以外はいいんじゃないの?」
「えっ・・・」
「「あ、そっかぁ!」」
エイミーとサユも手をぽんとつくと、立ち上がった。
「え、ちょ・・・」
「みなのもの、襲撃じゃーーー!!!」
「「おーー!!!」」
「おわっ」
~~~~~1分後~~~~~
「わ、わかりました!どきますって!!!」
「「「やったぁ!!!」」」
「じゃ、最近座ってないから私座るね♪」
「OK!」
「はい、どうぞ!!!」
「ありがと♪」
アキはにこっとわらって、いすに座った。
「ってか、礼を言うなら俺・・・」
「ほらシュウ、さっさと座って!練習はじめるよ!!!」
「・・・はーい(理不尽だ;)」
女子の圧倒的な権力に、ため息をつくシュウであった。
②常識
「ねぇ、常識ってなんだとおもう?」
と、呟いたサユ。
「・・・どうした、とうとう脳みそ自爆した?」
「・・・その台詞を真顔で言うのはどうかと思うけど;」
「ていうか、なに急に?」
「いや、さ、なんか常識はずれとかよく言われるからさぁ・・・」
「なにお前、そういうの気にするタイプだったっけ?」
「ううん、まさか。」
「じゃあいいじゃんか。」
「でもねぇ、一応知っといたほうがいいかなって、常識ってものも。女子はいろいろあるしねー」
「・・・で、なんで俺に相談する?」
「あんたが一番まともだと思うから。」
きっぱりというサユ。
「(あ、その辺は認められてるんだ・・・;)それはどうも・・・」
「で?まずさ、うちが常識からずれてるところは?」
「・・・全部?」
「真面目に。」
「・・・ほとんどの面で。」
「・・・」
バシッ
「いでっ・・・俺、真面目に答えたけど?!」
「具体的に!」
「う~ん・・・昼になると必ず急に寝るとか、授業中堂々と寝るとか、レッスン中に寝るとか・・・」
「全部寝ることに関してじゃん;」
「だってさ・・・てか、うん、レッスン中にあんな堂々と寝るとかお前最強だと思う。」
そう・・・つい1ヶ月前にあったプロの先生による強化レッスンで、サユはSaxパートのみの少人数のレッスンにもかかわらず、堂々といびきまでかいて寝ていたのだ。
「う~ん・・・まぁ、確かに普通じゃないかもね。他、寝る系以外では?」
「・・・弁当に必ず納豆まき入ってるとか」
「それは好きだからしょうがないじゃん。」
「あれ、結構臭いからやめたほうがいいと思うけど」
「だって・・・」
「どうしたの?」
そのとき、エイミーとアキがトイレから戻ってきた。
「先輩、弁当に納豆まきってどう思います?」
「え~?個性的で良いと思うけど?」
「うん、良いと思う。あたしもときどき入ってるし?」
エイミーが爆弾発言。
「(マジかよ;)」
「ですよね~♪ほらぁ、結局常識なんて存在しないんだよ!」
「(わけわかんねぇし;)常識がどうのっていいだしたのお前だろ・・・」
「ん~?」
「(あー、めんどくせー;)・・・なんでもない」
シュウはため息をついて椅子に座った。
①ガールズトーク
「・・・ふぅ」
「休み時間ー!!!」
パート練の合間の休み時間。
Clメンバーは教室の窓の方の席に固まって座った。
「先輩、絶対彼氏いますってー!!」
「いやだからいないって!そういうナナこそどうなの?」
「勿論いませんよ?ってか、皆もいるでしょ?」
ナナとノックの会話。
周りでにこにこしながら聞いていた皆は、突然話を振られてビクッとした。
「・・・ね?」
「・・・私もいないって;」
「絶対いるー!!えなちーもうのちゃんもハナ先輩も絶対いるー!!!!皆可愛いし!!」
「だからいないって;ナナも十分可愛いと思うけどなぁ?」
「・・・可愛い人にそれ言われると腹がたつ、とくにうのちゃんに対しては」
「なんでー?!」
「もーいいですよーだ、うちは韓国が恋人ですもーん」
といって、韓国のアイドルの写真のファイルを抱きしめるナナ。
「まぁさ、皆でがんばって彼氏つくろうではないか、夏までに」
「え・・・無理難題ですよ;」
「大丈夫、うのちゃんはすぐ出来る」
「よし、がんばろー!」
「「「おー!!!」」」
「・・・あのー」
「ん?ハナどうした?」
「ごめん、私彼氏いる」
「「「「・・・え」」」」
その後ハナは、質問攻めの拷問にあったとさ☆
②乙女
※①ガールズトークの続編(?)です。
「裏切り者めー!!!」
そういいながら、ハナの頭をポカポカ叩くノック。
「いてて・・・彼氏いてなにが悪いのさ」
頭を抑えながらも涼しげな顔で言うハナのごもっともな意見に、ノックは一瞬言葉がつまった。
「だ、だって・・・」
「いや、別に彼氏いることはいいんですけど、なんで教えてくれなかったんですか!」
ナナのさりげないフォローに、胸をなでおろすノック。
「え?だって・・・ねぇ?」
ハナはうのちゃんのほうを向いて、首をかしげた。
「・・・私に聞かれてもわかりませんよ、彼氏いませんし;」
「・・・で、結局その彼氏さんは誰なんですか!」
さっきからその質問だけは答えないハナ。
「えー」
「私の知ってる人?!」
「んーどーだろーねー」
「その棒読み・・・あやしいですよ」
「知ってる人?!誰だ誰だ・・・」
「私まだ肯定してないけど;」
「いや、否定しない=肯定とみなす。」
「で、誰ですか?」
「だから教えないー!」
「ね、なんでもするからー!」
「なんでも?」
「・・・やっぱやめとく;」
「じゃあ教えない」
「やっぱなんでもするからー!!」
若干幼稚化しはじめたノック。
「とにかくいっちゃってくださいよぉ♪」
にっこり(ニヤリ?)と笑う後輩組み。
皆に囲まれるハナ・・・
「・・・」
ハナは、無言でうつむいた。
「「「「・・・(あれ、なんかやばい?);」」」」
「・・・言えるわけないじゃん」
よく見ると、顔が真っ赤だ。
「あ、ハナ真っ赤ー!!!!」
「っるさいなぁ、私だって一応年頃の乙女なの!!!」
「(ハナ先輩らしくない;本気なんだなぁ・・・)」
えなちーは真っ赤なハナを見ながら、1人ニヤリと笑った。
①困惑
「レイちゃん、その新しいペンいいね♪」
かれんは教室に入るなり、机でワークの問題を解いていたレイにそう声をかけた。
「ありがとうございます!昨日お父さんにもらったんです♪」
一見普通なこの会話・・・
しかしレイが手に持っているのは、万年筆だ。
しかも、ペンのキャップにはなにやら高そうなブランド名が書かれている・・・
このOb&Flパート内では普通らしいが、その様子を目撃したたろうちゃんは気絶寸前だったそうな。
またあるときは・・・
「は?!なんでそうなるのよ?!」
「そっちこそどうなの?!?!」
「せ、先輩・・・」
なにやら喧嘩をはじめたはっしーとみれいと、その間に挟まれて困惑中のさくら。
「かれん、こんどのパーリーかいg・・・どうしたんだ;」
部長伝言にきたたけちゃんもまた、教室に入るなり困惑顔になった。
「あはは・・・喧嘩;」
「(嘘、あいつら喧嘩するんだ・・・って、そういえば双子だった;)てか、なんで?」
「ん~・・・たしか・・・」
~~~
「「ふんっ」」
朝練のときから険悪ムードだった2人。
教室に戻ってから、かれんは同じクラスのみれいに話を聞いた。
「今日どうしたの?;」
「それがさー、ほら、私たちそろそろ誕生日じゃん?そしたらお父さんが”好きなもの何でも買ってあげる”って。」
「おー。」
「で、買い物にいったんだけど、私は今のよりもっといいOb見つけたからそれにすることにしたの。」
「へー、じゃあもっと音よくなるね」
「うん。でさ、はっしーもフルート買ってもらうことにしたの、結構良いの。でもさ、やっぱりObのほうが高くなっちゃうじゃん?そしたらさ、”みれいずるい”とかいいだして。」
「ありゃ;」
「別にそんなの良いじゃん、たかが10万ちょっとの差だよ?っていったら、”お金の額は愛情の額”とかいいだして・・・」
「・・・ドラマ見すぎ;」
「で、私もついかっとなって”小さい女だね”って言ったら・・・この状態;」
「あはは、2人らしいや」
「笑い事じゃないー!」
~~~
「・・・ってわけらしいの」
「まった、幾つかつっこみどころが・・・;」
「ね、はっしーもみれいもなんかドラマの台詞みたいなこといっちゃってさ」
「いや、そこじゃ・・・いや、そこもだけどさ!まず誕生日に楽器って・・・しかももってるやつ!」
「え?誕生日だよ?そのくらい普通じゃない?」
「(そうだった、こいつらは金銭感覚がちがうんだった;)てか、自分の楽器何本もってるんだ;」
「私はFlは3本だけだけど・・・たしかはっしーは5本とか言ってたっけ?あとPICC」
「・・・お前の3本も十分だ;で、会議明日だから。じゃあ」
たけちゃんは早口にそうういって、教室をでていった。
「・・・ってわけでさ~」
後ろには、普通に会話しているみれいとはっしーの姿が。
「あれ、何時の間に仲直りしてる;」
「なんか小さいなって思ってさ;」
「くだらないし、やめようって。」
「(こいつらといるといろいろ狂ってくる;)」
たけちゃんは未だ困惑中・・・。
②風とともに
~♪
FlとObが奏でる華麗なメロディー。
木管独特の、綺麗な旋律・・・
ふわっ
「・・・?」
急に、心地よい風が吹いた。
「・・・あ、ちょうちょ」
風とともにやってきたのは、可愛らしいもんしろちょう。
「あらら、外に出してあげないと・・・」
迷っているのだろうか、ずっと窓のそばでひらひらと飛んでいるちょう。
「「ちょーちょ!!」」
どうしようか?と言っている先輩組みをよそに、ちょうを追っかけまわして遊び始めた後輩組み。
「・・・さくらちゃんもレイちゃんも、大人しくしてれば完全なお嬢様なのに・・・;」
そうつぶやいたみれいの声など全く聞こえていない2人。
しばらく2年ははしゃぎ、3年は呆れ顔で楽器を吹いていたが、ふと2年がちょうを追いかけるのをやめた。
「「「・・・?」」」
楽器をもち、吹き始める。
「あ、レイちゃんにさくらちゃん」
理由はすぐにわかった。クラスメイトが入ってきたのだ。
ただ、2人はちょっと笑顔をむけると、お構いなしな顔をして曲を吹き始めた。
「(あ、ちょうちょ・・・)」
FlとObの綺麗なメロディーに、心地のよい風に、ちょう。
「(・・・なんか優雅すぎる!!!!)」
ここ学校だよね?と思いながらしばらく見とれていた、クラスメイトちゃんであった。
「「「(2年生・・・なんて切り替えの早い;)」」」
①偽打楽器No.1
パコポコ
シャランシャラン・・・
さまざまな音が鳴り響く教室。
時計の針が50分・・・休み時間をさしたとたん、すべての音が鳴り止んだ。
「さ、休み時間休み時間♪」
4人は手を止め、座り込んだ。
「ねぇしずちゃん」
「ん?」
「机ってさ、叩くと良い音するよね」
ほら、といって、カンッと机を叩くともか。
「ほんとだー!」
「叩き方によっても音かわるんだ♪」
「面白い!」
「ともか、うまくなったな」
それを見ながら、感心するこう。
「へへっ、ありがとうございます」
「あ、こうが教えたのね」
えんりーは納得したようにうなずく。
「あぁ・・・じゃ、ほかに良い音がするものがあるかいろいろたたいてみっか」
「おー!」
というわけで(どういうわけ?)、いろいろな物をたたき始めた4人。
「窓は微妙ですね・・・」
「ドアのノックの音っていいよね」
「あ、床も意外といけます」
「黒板もなかなかだぞ・・・どれが一番良いと思う?」
「んー、どれだろう。。。」
・・・と、そのとき。
グゥ~
「っはは、誰今のおなかのおと!」
「ごめん、俺。腹減った・・・」
ポンッ
「「「・・・!!!」」」
「・・・?;」
急に輝いた目で、腹を叩いたこうを見た3人。
そんな3人を、こうは訝しげな顔で見る。
「「「その音が一番だ!!!!」」」
3人の声が重なる。
「・・・はぁ?!?!」
「グゥってなるし、ポンッってなるし!!」
「わたしのおなかはそんな綺麗な音でないし!」
「こう先輩のおなかがトップですね♪」
そしてその日からこうには、”偽打楽器No.1”という名誉ある(?)称号がついたのだった。
②種類
「やっぱジャズ最高!」
そう叫んだともか。
「え~、そこはクラッシックでしょ」
そう反論するのはえんりー。
「いやいや、いまどきは歌謡曲ですよ!J-POP!」
しずちゃんもまた反論。
「絶対ロックだろ!」
ドラムを叩きながら、こうも反論する。
「じゃあさ、ジャズの良いところって何?」
「そりゃもう、ただかっこいいじゃないですか!あのちょっとレトロなかんじとか・・・」
「まぁ、確かにかっこいいけどさ・・・」
「演奏してても楽しいし。そういうえんりー先輩は?」
「クラッシックはもぅ、綺麗だし優雅だし・・・朝聞くと最高!じゃあ、しずちゃんは?」
「歌がすきなんですよ。歌詞が面白いし、いろんな曲調もあって楽しいし。じゃあこう先輩は?」
「かっけーじゃん、めちゃくちゃ。いま軽音ブームきてるし。ドラム楽しいしな!」
なーんて、それぞれ良いところをあげる。
「でもさ、結局全部音楽にかわりないんだよね。」
「確かに」
「音楽好きだからここにいるわけだしな。」
「しかもブラバンっていろんな曲できますよね♪」
「音楽最高!!!」
と、最終的に一致団結。
めでたしめでたし♪
・・・と思いきや。
「・・・でもやっぱこの曲はあんますきじゃねぇな・・・」
「えークラッシック否定するなぁ!!」
「私はやっぱこの曲がいいです!」
「えー、うちはこっち!!!!」
「じゃあ、それぞれ良いところあげていこうよ!」
仲が良いのか悪いのか・・・
結局最初に戻る4人であった。