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努力で生き抜くこの世界  作者: こっさむ
第三章 世界への一歩
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26/253

十一回目

ご覧いただきありがとうございます!

よろしければ、この話の読み終わりにでも【ブックマークへの追加】や【★★★★★評価】をポチッと押していただけると、今後の執筆の大きなモチベーションになります!


それでは、どうぞお楽しみください。

翌朝、俺はいつもより少し早くギルドへ向かった。


黒髪を水で濡らして寝癖だけ直し、腰にはいつもの剣。水桶に映った顔は相変わらず平凡で、もうすぐ九歳になるとはいえ身体もまだ小さい。少しずつ筋肉はついてきたが、町を歩く大人の冒険者たちに混ざれば子供にしか見えない。


ギルドへ入ると、リナとディルはすでに来ていた。


リナは肩より少し下まで伸びた栗色の髪を後ろで一つにまとめ、緑色の瞳で依頼板を眺めている。俺より三歳ほど年上で、細身だが、毎日歩いているせいか最初に会った頃より足取りはしっかりして見えた。今日は薄茶色の外套の下に動きやすい服を着て、いつもの木製の杖を背負っている。


その隣にいるディルは、短く切った赤茶色の髪と茶色の瞳を持つ少年だ。リナと同じくらいの年齢だが、身長は少し高い。革の胸当てと腰の短剣は初めて会った日から変わらず、じっとしているより動いている方が似合う顔をしている。


「遅い」


ディルが言った。


「昨日より早い」


「俺たちはもっと早い」


「それは知らない」


「またそれかよ」


リナが小さく笑った。


「ラウルさん探すんじゃなかったの?」


「探す。でも先に依頼」


昨日ゼノにも言われた。時間は増やせない。組み替えろ。


だから午前中に依頼を終わらせる。その後ラウルを探して十一戦目をする。


そのつもりだった。


依頼板を見る。短時間で終わりそうなものを探していると、ディルが一枚を指差した。


「これ」


《街道北東部、旧石橋周辺におけるゴブリン討伐。確認数五体前後。行商人二組より被害報告あり。》


昨日と同じゴブリン。


ただ、少し引っかかった。


「二組?」


受付で詳しく聞くと、被害に遭った行商人は別々だった。一組目は三日前。二組目は昨日。どちらも旧石橋を越えた辺りで襲われている。確認された数は四から六。武器は棍棒や錆びた剣で、弓は確認されていない。


「受ける?」


リナが聞く。


少し考える。昨日までなら、もう一度詳しく確認したかもしれない。


でも。


「受ける」


ディルが笑った。


「今日は早いな」


「確認はする。でも、全部分かるまで動かないのも違う」


現場に行かなければ分からないこともある。


ゼノが少し離れたところでこちらを見ていた。何も言わない。


それでいい。



旧石橋までは一時間半ほどだった。


町を出てしばらくは広い街道が続き、途中から道幅が狭くなる。問題の石橋は小さな川に架けられた古い橋で、ところどころ苔が生え、欄干の一部が崩れていた。その先で街道が緩く右へ曲がっている。


俺たちは橋を渡る前に止まった。


「どうした?」


ディルが聞く。


「ここで襲われたなら、逃げ道が少ない」


左は川。右は斜面。その先は街道の曲がり角で、前方を見通せない。


リナも周囲を見る。


「待ち伏せしやすそう」


「うん」


橋の手前から調べる。荷車の車輪跡はいくつもあるため役に立たないが、橋を渡った先の泥には小さな裸足のような跡がいくつも残っていた。


「五体じゃないな」


ディルも気づいた。


「多分」


足跡が重なっている。正確な数までは分からない。


昨日の俺なら数えようとしたかもしれない。でも、分からないものを無理に数字にする必要はない。


「戻る?」


リナが聞く。


「まだ。先に見る」


俺たちは街道をそのまま進まず、右側の斜面を登った。少し遠回りして高い位置から曲がり角の先を見る。


いた。


最初に五体。その奥に三体。木の陰に一体。


さらに奥にもいる。


「十」


小声で言う。


ディルの顔から笑いが消えた。


「多くない?」


「多い」


武器も確認する。棍棒が多い。剣が二体。槍のような長い棒を持った個体が一体。少なくとも見える範囲に弓はいない。


リナが声を落とした。


「どうする?」


十体に対して三人。


普通ならここで戻って報告してもいい。依頼書の確認数とは大きく違う。それでも俺は、ゴブリンだけではなく周囲の地形をもう一度見た。


街道。斜面。川。


そして、橋。


十体は一ヶ所に固まっていない。街道近くに四体。その奥に三体。さらに離れて三体。


全員を同時に相手にする必要はない。


「やってみたい」


ディルが俺を見る。


「十体だぞ」


「うん」


「昨日まで慎重だった奴が急にどうした」


「逃げられるから」


橋まで戻れば、通れる幅は狭い。橋の上なら横から囲まれない。その先には町へ続く街道もある。


危険になれば撤退できる。


リナを見る。


「リナは橋の手前。絶対に橋を渡らない」


「レオンとディルは?」


「俺が最初に行く。ディルは橋の近く」


「一人で?」


「最初だけ」


ディルが眉を寄せた。


「何する気だよ」


「減らす」



斜面を下り、街道へ戻る。


ゼノは橋からかなり離れた場所に立っていた。黒い外套をまとい、長い黒髪を首の後ろで緩く束ねている。背は高く、無駄な肉のない細身の身体。その腰には使い込まれた長剣が一本だけある。


初めて会った頃からほとんど変わらない。


灰色の瞳がこちらを見ている。


止めない。


なら、行く。


俺は一人で橋を渡り、街道の曲がり角まで近づいた。


近くにいた四体がすぐに俺を見つけて声を上げる。その声に反応して、奥からも二体が走ってきた。


六体。


俺は剣を抜かず、そのまま背を向けて走った。


「おい!」


橋の向こうからディルの声が聞こえたが、無視する。


六体の足音を後ろに聞きながら橋まで戻り、中央を越えたところで振り返った。橋の幅は大人二人が並べる程度。左右には壊れかけた欄干、その向こうは川。


ここなら六体いても、一度に俺へ届くのはせいぜい一、二体。


先頭のゴブリンが追いつき、棍棒を頭上へ振り上げる。


左右へ大きく避ける場所はない。


だから、下がらない。


振り下ろされるより先に一歩踏み込み、棍棒の内側へ入った。すれ違うように剣を首へ走らせると、ゴブリンの身体が前へ崩れる。


その死体を左後ろへ押した。


続いていた二体目が避けきれずにぶつかり、足を止める。さらにその後ろのゴブリンも進めなくなった。


狙った通りだった。


六体いる。


でも、六体と同時に戦う必要はない。


倒れた仲間を踏み越えて、錆びた剣を持ったゴブリンが出てくる。右から横薙ぎ。俺は半歩だけ後ろへ下がって剣先を外した。


追って前へ出ようとしたゴブリンの背中に、後ろの棍棒持ちがぶつかる。


狭い。


互いが邪魔になっている。


その一瞬に前へ戻り、剣を持つ右手首を斬った。武器を落とした腹へ蹴りを入れ、後続の群れへ押し返す。


また詰まった。


「……なるほど」


橋の向こうでディルが呟いた。


次の一体が仲間の横から無理に抜けようとする。


でも、通れない。


俺は前へ出た。


棍棒を持つ手首を斬り、武器が落ちた直後に首へ剣を返す。


三体目が倒れた。


《ゴブリンを討伐しました》


表示を意識から外す。


残り三体。


そのうち一体が長い槍を突き出した。


今度は間合いが違う。


正面から来た穂先を左へ身体をずらして外す。ただし欄干があるため、完全には横へ逃げられない。剣の腹を槍へ当て、穂先をさらに外側へ流しながら一歩踏み込む。


槍は長い。


懐に入れば振り回しにくい。


だが、深く入りすぎれば後ろの二体にも届かれる。


だから一歩だけ。


槍を握る手を斬り、そのまますぐ後ろへ戻る。


槍が石橋へ落ちた。


「レオン、下がって!」


リナの声。


考えるより先に二歩下がった。


直後、俺の頭上を火球が通過する。


槍を失ったゴブリンの胸に直撃した。火に包まれた身体が倒れ、後ろの二体が足を止める。


「今!」


ディルが橋へ飛び込んできた。


俺が右。


ディルが左。


残った二体も左右へ分かれた。


これなら普通の二対二だ。


俺の正面には棍棒持ち。振り下ろされた棍棒を左へ一歩ずれて外し、そのまま右腕を斬る。手から離れた棍棒を足で橋の端へ蹴り飛ばし、返した剣を首へ入れた。


隣ではディルが相手の棍棒を短剣で受けずに身体ごと横へ外し、空いた腹へ踏み込んでいた。短剣が深く入る。


最後の二体がほぼ同時に倒れた。


六体。


全部。


俺は剣先を下げ、息を整えた。


十体を相手にしたわけじゃない。


六体を相手にしたわけでもない。


橋を使って、できるだけ一体ずつ戦っただけだ。


でも。


こういう戦い方なら。


人数差は、少し小さくできる。



橋の向こうに残った四体は、追ってこなかった。


こちらを見ている。


そのうち一体が突然背を向け、街道の奥へ走っていった。


「逃げた?」


ディルが言う。


「分からない」


追わない。


しばらく待つ。


何も起きない。


「戻ろう」


俺が言うと、ディルが意外そうな顔をした。


「残り四体だぞ?」


「だから?」


「今なら倒せるだろ」


「多分」


「じゃあ――」


「向こうに何があるか分からない」


一体逃げたから追う。


残り四体だから追う。


それで街道の奥に二十体いたら意味がない。


ディルは少し不満そうだったが、すぐに頷いた。


「……分かった」


俺たちは倒した六体から討伐証明を取った。


そのときだった。


遠くから声が聞こえた。


一つではない。


いくつも重なる叫び声。


リナが顔を上げた。


「来る」


曲がり角からゴブリンが飛び出してきた。


さっき残った四体。


その後ろから、さらに現れる。


三体。


五体。


まだいる。


さっき奥へ走った一体も混ざっている。


見えるだけで十三体。


倒した六体を合わせれば、最低十九体。


依頼書の確認数とはまるで違う。


「嘘だろ」


ディルが呟いた。


「戻る!」


今度は迷わなかった。


三人で橋を渡る。


十三体のゴブリンが追ってくる。


さっきの六体とは違う。橋へ誘い込んでも、その後ろに何体いるのか分からない。


橋を越え、リナも一緒に街道を町側へ走る。


「どうする!?」


「逃げる」


勝てるかもしれない。


でも、やる必要がない。


六体倒した。


群れの規模も確認した。


依頼情報が間違っていることも分かった。


十分だ。


ところが、後ろから響いていた足音が途中で消えた。


振り返る。


十三体のゴブリンが、橋の向こう側で止まっていた。


「……来ない?」


リナも足を止める。


ゴブリンたちはこちらへ向かって叫び、武器を振っている。


なのに、一体も橋を渡ろうとしない。


「なんで?」


ディルが聞く。


分からない。


ただ、怒っているというより。


何かを怖がっているように見えた。


「レオン」


すぐ後ろからゼノの声がした。


振り返る。


さっきまで離れていたはずのゼノが立っている。


いつもの気の抜けた表情が消えていた。


「帰るぞ」


「何かいる?」


俺が聞く。


ゼノは橋の向こうのゴブリンではなく、さらにその奥に広がる森へ目を向けた。


「いる」


それだけだった。



ギルドへ戻り、すぐに報告した。


確認したゴブリンは最低十九体。


六体討伐。


残り十三体以上。


さらに、橋を越えて追跡してこなかった。


受付の女性の表情が変わった。


「十九……?」


周囲の職員も集まる。


依頼はその場で中止になった。報酬は支払われ、さらに情報提供分が追加された。


でも、誰も喜んでいない。


ゼノが受付と何か話している。俺たちには聞こえない。


しばらくして戻ってきた。


「今日は外に出るな」


「なんで?」


「調査が入る」


「何の?」


ゼノが少し黙った。


「ゴブリンは普通、理由もなく縄張りを大きく変えない」


橋。


渡らなかった。


「橋のこっちに何かいる?」


「逆だ」


ゼノが言った。


「向こうから、何かに追われてきた可能性がある」


リナの顔が強張る。


ディルも黙った。


十九体のゴブリン。


それだけの群れが逃げるもの。


「強い?」


「分からん」


ゼノは答えた。


「だから調べる」


俺は少し考える。


「俺も行く」


「駄目だ」


即答。


「見るだけ」


「駄目だ」


「遠くから」


「駄目だ」


「ゼノ」


「交渉するな」


終わった。



午後、ラウルを探した。


外へ出るなと言われた。


だからギルドの訓練場なら問題ない。


いた。


ラウルは壁際で木剣を振っていた。


昨日と同じ、少し癖のある濃い金髪。前髪は目にかからない程度に短く、日に焼けた肌に青い瞳。十五、六歳にしては肩幅が広く、俺より頭二つ以上大きい。


俺を見る。


「お」


木剣を肩に乗せた。


「十一回目か?」


覚えていた。


「うん」


「今日は勝てそう?」


「昨日よりは」


「言うようになったな」


向かい合う。


リナとディルも見ている。


朝の戦いで身体には疲れが残っている。


でも、それも含めて今の俺だ。


「始め!」


ディルの声と同時に、ラウルが間合いを詰めた。


最初は右上からの斬撃。


昨日なら、攻撃だけを見て左へ避けていた。


だから今日は、その次を見る。


俺が左へ避けることを、ラウルは知っている。


一撃目を左へ外す。


予想通り、ラウルはすでに二撃目を左側へ繋いでいた。


それもさらに左へ動いて避ける。


二度同じ方向へ逃げた。


なら次は。


突き。


来た。


三撃目の木剣が真っ直ぐ胸へ伸びる。


俺は横へ逃げず、剣先の右側を通るように斜め前へ踏み込んだ。


ラウルの青い目がわずかに動く。


一瞬だけ、予想から外れた。


そこへ右から木剣を振る。


ラウルは受け止めなかった。自分の木剣を斜めに当て、俺の一撃を下へ流す。


昨日と同じ。


だから逆らわない。


流された勢いに合わせて剣先を下げ、同時に腰も沈めた。そのまま左手でラウルの右手首を掴み、自分の方へ引く。


ラウルの重心がわずかに前へ動いた。


でも、崩し切れない。


右膝が上がる。


昨日もここで食らった。


掴んだ手をすぐに離し、右へ半歩ずれる。


膝が目の前を通り過ぎた。


空いた腹へ木剣を戻す。


届く。


そう思った瞬間、ラウルの木剣が横から割り込み、俺の剣を止めた。


昨日より近い。


でも、まだ届かない。


「へえ」


ラウルが笑った。


直後、前足を払われた。


崩れた身体を無理に残さず、そのまま受け身を取る。すぐに起きようとしたが、顔を上げたときには木剣の先が首に触れていた。


「一本」


負けた。



地面に寝たまま、息を吐く。


十一連敗。


でも。


「昨日より長かった」


ラウルが言った。


起き上がる。


「もう一回」


「いいぞ」


十二戦目も負けた。


十三戦目も。


十四戦目では肩に一発。


十五、十六、十七。


全部負けた。


それでも、同じ負け方は少しずつ減っていった。


そして十八戦目。


ラウルが横薙ぎを放つ。


俺は後ろへ下がらず、身体を沈めて剣の下を抜けた。


次は突き。


昨日から何度も見た流れだ。


斜め左へ踏み、剣先を外す。


そのまま近づくと、ラウルの肩がわずかに前へ出た。


身体をぶつけてくる。


そう見せて。


違う。


膝だ。


俺は左手を伸ばした。


ラウルの右手首を掴む。


――ふりをする。


昨日まで何度も手首を取ろうとした。


だからラウルは、掴まれた後の崩しに備える。


右膝が上がった。


待ってた。


左手を触れる前に引き、上がってくる膝の外側へ身体をずらす。同時に右足をラウルの左足の外へ踏み込んだ。


今までで一番近い。


俺は右手の木剣を、最短でラウルの脇腹へ走らせた。


ラウルも動く。


防御ではない。


俺の肩へ向かって木剣を振っている。


どちらが先か。


避ければ、また届かない。


なら。


行く。


俺の木剣がラウルの脇腹に触れた。


ほぼ同時に、ラウルの木剣が俺の肩を叩いた。


二人とも止まる。


「……相打ち?」


ディルが言った。


ラウルが自分の脇腹を見る。


俺も肩を見る。


「俺の方が先」


「いや、俺」


「俺だろ」


「俺」


ラウルが笑った。


「面倒くせえな、お前」


「どっち?」


「……同時でいい」


初めて。


当たった。


勝ってはいない。


でも、十七回、一度も届かなかった。


十八回目。


ようやく届いた。


《観察の習熟度が上昇しました》


《格闘術の習熟度が上昇しました》


そして、もう一つ。


《複数対象との戦闘経験を確認》


《戦闘中における継続的な位置把握を確認》


表示が続く。


《関連技能の習熟が不足しています》


《新規技能の獲得条件を満たしていません》


消えた。


何だった?


「レオン?」


リナが呼ぶ。


「何でもない」


まだ足りない。


でも。


何かがある。



その夜。


宿で夕食を食べていると、ギルドの鐘が鳴った。


一度。


二度。


三度。


食堂にいた冒険者たちが一斉に顔を上げる。


ゼノが立ち上がった。


「ここにいろ」


「何?」


「緊急招集だ」


外が騒がしくなる。


冒険者たちが武器を持って走っていく。


俺も窓から外を見る。


町の門。


その向こう。


遠い。


何も見えない。


でも、嫌な感じがする。


少しして、ギルド職員が宿へ駆け込んできた。


「ゼノさん!」


「どうした」


「調査隊が戻りました!」


職員は息を切らしていた。


「負傷者三名! 一名重傷!」


ゼノの目が細くなる。


「原因は?」


職員が答えた。


「オークです」


知らない名前だった。


だから俺には、どんな魔物なのか分からない。


ただ、その場にいた冒険者たちの顔を見れば、ゴブリンとは違う。


それだけは分かった。


「数は?」


「確認できただけで――」


職員が一度息を吸う。


「十二体です」


食堂が静かになった。


ゼノが剣を取る。


俺も立つ。


「座ってろ」


「でも」


「これは依頼じゃない」


灰色の目が俺を見る。


「今のお前が入る戦場でもない」


言い返せなかった。


ゼノが外へ出ていく。


俺はその背中を見る。


今日、ゴブリン六体と戦った。


狭い橋を使えば、一人でも複数を相手にできた。


少し強くなったと思った。


ラウルにも初めて届いた。


それでも、その日の夜には。


また。


俺の知らない強さが、町のすぐ外まで来ていた。

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それでは、次回の更新でお会いしましょう!

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