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太陽の人と、日陰の僕  作者: ことね
東京での、僕たちについて。
66/69

春輝の受難。②

Ep66です!

よろしくおねがいします!!

 それから僕は、気が気でない数日間を過ごしていた。

土田さんが何を考えているのか、まるで分からない。何をされるか分からない恐怖が僕を支配する。


 『陰山が男性と付き合っている。』

ーその話題がじわじわと広がっていることを知ったのは、土田さんが脅して来た5日後のことだった。


近藤さんや柏木が知ってるかは定かではないが、同じ部署の先輩が心配して僕に教えてくれたのだ。


みんなの話し声が、全て僕の噂をしているように感じる。


「おい、陰山。ちょっといいか。」

血の気が引いていた僕を呼ぶのは柏木だった。


彼は誰もいないミーティングルームに僕を連れて行く。


「今日会社に来たら、お前の話題をしてる人たちがいて。土田さんから聞いたって言ってた。……お前、やっぱりあの時脅されてたんじゃないのか??」


柏木は、僕に問いかける。


「……。」

僕は何と答えればいいのか分からずに黙る。


「……なぁ。俺ら同期だろう。力になれないか?」

彼は、優しく僕に投げかける。


柏木の心配そうな顔を見て、夏生や冬真のことを思い出す。


……あぁ、そうだった。僕は1人じゃない。



「助けてほしい。」

僕は柏木を見て言う。

「おう。」



近藤さんにも同席してもらい、今回の経緯を話す。

「……土田さんに貶められたってことか。」

「最近態度悪かったですもんね。」

近藤さんと柏木は話し合う。


「ご迷惑をお掛けして、すみません。」

僕が頭を下げると、近藤さんが言う。

「お前は迷惑をかけられている側だろう。今回の件、俺に預からせてくれ。部長と相談して対応するよ。」


「よろしくお願いします。」


 その日、家に帰るとすでに幹樹先輩が帰宅していて。


「春輝。お疲れ様。」

「お疲れ様です。」


「……大丈夫か?」

「え?」

「ここ数日、なんかしんどそうだったから。……その左腕の包帯も気になってて。」


先輩は僕の左腕を優しく取る。


「あぁ、これですか。」

僕は包帯を外す。傷1つない腕を見て先輩は驚く。


「……前まで、ストレスが溜まると左腕を引っ掻いて血だらけになることがあったんです。だから、今回も念の為、包帯を巻いて引っ掻いても大丈夫なようにしてたんですけど。……必要ありませんでした。」


僕は笑って言う。


「何があったの?」


今回の経緯を話す。同期と先輩が力になってくれていることも含めて。

全てを聞いた先輩は、僕を優しく抱きしめた。


「……お前は、強いな。よく頑張った。」

先輩の言葉に、僕は涙腺が緩んだ。



 2日後。僕は部長に呼び出されて会議室に向かう。

会議室には、すでに近藤さん、柏木、そして土田さんが居た。


今回の経緯を確認したのち、ばつが悪そうな顔をしている土田さんに、近藤さんは厳しく言う。


「誰かを好きなことを俺らが判断するべきではない。

ましてや、それを非難することは出来ない。


もし今回のことを、陰山を貶めるためにやったのなら、土田さんは出版業界には向いてないよ。


出版社は、陰山みたいな同性を好きな方たちのことも、世界に発信していく役割を担っているんだからな。」


土田さんは、僕に頭を下げて謝罪をする。



会議室を出たところで、柏木が大きく伸びをして言う。


「一件落着だなー!」

「ありがとな、柏木。」


「おう!てかさ。お前の恋人いつか紹介しろよ?恋バナも聴かせろよー!俺も彼女の惚気聞かせてやるから。」


「なんだよ、それ。」

ふたりで笑い合う。


僕も、肩の荷が降りたー。



今日もありがとうございました!

引き続き、よろしくお願いします!

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