恋人として出来ること。続
※性的表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
Ep51です!
よろしくお願いします!
9月下旬。先輩の家で過ごす頻度が増えてきた。
お揃いのマグカップに、ブラックコーヒーを淹れて先輩に手渡す。
「はい。先輩。」
「ありがとう。今日は豆を挽いてくれたのか?」
幹樹先輩は、コーヒーの香りを嗅ぎながら言う。
「はい。近くにカフェがあるでしょ。そのお店が豆も仕入れてたので、買ってきました。」
「そうだったんだ。…コクがあって美味いな。」
僕も淹れたてのコーヒーを口に含み味わう。
「うん。美味しい。」
「今度お店も入ってみましょう。ピザトーストが美味しいって店長さんが言ってました。」
僕の提案に、先輩は「そだな。」と同意する。
先輩の隣に座って、もうひと口、コーヒーを飲む。
コーヒーの苦味が喉を通る。これが癖になる。
「なぁ、春輝。」
先輩は後ろから抱きついてくる。
「はい?」
「……今日も泊まって行かないか?」
先輩は甘えた声で言う。
「……はい。先輩と一緒に居たいです。」
「今日の晩ご飯どうしようか。」
「ゆっくり考えましょう。」
悩んだ末に僕は答えた。
寝室に行き、明日ここから仕事に行けるように準備する。
幹樹先輩と付き合って、先輩の家に泊まることが増えるに伴い、僕の私物も増えていく。
誰かの家に、僕の私物が増える。それは、僕が心を許せる場所が増えたような、くすぐったい感覚だ。
「……これが、誰かと生きるってことか。」
ふと、そんなことを思う。
ひとりぼっちだった僕が先輩に出会ったことで、
夏生や同期、冬真ら後輩と出会って信頼出来る人がひとりふたりと増えていく。
そして、恋をして、誰かの隣で笑いたいと思った。
その軌跡が、なんだか温かく感じる。
恋人として出来ることは、こういう時間を続けていくことなのかもしれない。
そう思い立った僕は、先輩に断ってスーパーへ向かう。必要な食材を買い込んで、早足で先輩の家に帰る。
戻ってすぐに台所に立つ僕に、幹樹先輩は問う。
「何してんの??晩ご飯?」
「明日のお弁当作ろうと思って。僕と先輩の。」
「俺のも?」
先輩は驚く。
「はい。いつもの感謝というか……。先輩への想いを形にしたかったというか…。」
僕の言葉に先輩は嬉しそうにはにかむ。
「ありがとう。」
「お弁当箱ないからタッパーですけど。あと晩ご飯もお弁当と一緒でいいですか?」
「勿論。…楽しみだなぁ。」
先輩の表情は緩み切っている。
「そんなに嬉しいですか?」
僕は笑う。
「うん。嬉しい。」
「幹樹先輩。……大好きです。」
そう言う僕を、先輩は優しく抱きしめる。
その日の夜、僕は初めて先輩と肌を重ねるー。
優しく僕を抱く先輩の熱い吐息が、いつもよりも近く聞こえて、鼓動が重なり合う。
初めての痛みも、高揚も、先輩の体温も、全てが愛おしく感じたー。
ありがとうございました!!
いかがでしたでしょうか。
これからも、よろしくお願いします!




