新しい春が来る。
Ep45です!
よろしくお願いします!
3月中旬。大学を卒業した冬真が東京にやってくる。
「春輝先輩!」
大きな荷物を持って手を振る冬真。
「お疲れ様。もう引越し作業は済んだのか?」
「はい。終わりました!!」
冬真が東京で就職したと聞かされたのは、つい先週電話をした時だった。
彼は、僕を驚かそうと思って言わなかったらしい。まさか冬真も東京に来るとは思わず、僕はまんまと驚いてしまった。
冬真は、荷物を駅のロッカーに預けて身軽になる。
今日は、冬真の引越し祝いをしようと約束していたのだ。
「今日は僕の奢りだから。好きな物食べなよ。」
しっかりと貯金をしていて良かった。
「ありがとうございます!」
冬真は、肉が食べたいと要望を出した。
僕と夏生がよく行く焼肉屋に向かう。
お店に行く道中、僕たちはたまたま幹樹先輩と会う。
「幹樹先輩、覚えてる?」
僕は冬真に尋ねる。
「はい。覚えてます!オーキャンスタッフ1番人気の先輩ですね。春輝先輩も負けてなかったですけど。」
冬真は嬉しそうに言う。
「幹樹先輩と僕を一緒にしたら失礼だろう。」
「そんなことないですよ!」
「幹樹先輩、冬真です。覚えてますか?」
「うん。秋といつも戯れあってた冬だよね。」
「そうです。」
「うん。覚えてる。…これからどっかいくの?」
先輩の問いに、僕は答える。
「はい。冬真の引越し祝いをしに。」
「そう。楽しんでね。」
「ありがとうございます!」
僕たちは先輩と別れて焼肉屋に向かう。
焼肉をたらふく食べながら僕は冬真に言う。
「引越しのこと言ってくれてたら手伝ったのに。」
「だって先輩忙しそうだし。…2人の兄が手伝ってくれたのでなんとかなりましたよ!」
冬真はあっけらかんと笑う。
「そうだ。春輝先輩、今度誕生日でしょ?パーティーしません??」
目を輝かす冬真の提案に、僕は断れずに承諾する。
ー3月30日。僕は23歳になった。
部屋の窓からは、桜が綺麗に咲いている。春爛漫。
太陽の光がキラキラと輝く。
「春輝先輩!お誕生日おめでとうございます!」
クラッカーで盛大にお祝いをされる。
僕の誕生日パーティーには、夏生と幹樹先輩が集まってくれた。
「ありがとうございます。……冬真、ありがとな。」
「いえいえ。3年間一緒に居たのに、こうやってお祝いしたことなかったですから。やりたかったんです。」
冬真は満足げに笑う。
今日のパーティーは、冬真の進行でどんどんと進んでいく。
みんなが、僕に誕生日プレゼントをくれる。
家族以外の誰かに、こうやって自分の誕生日を祝ってもらうなんて。
こんなこと、初めてで。
「めっちゃ嬉しい。」
僕は素直に喜びを表現する。
そんな僕を、ほろ酔いの冬真は写真に撮る。それも、何枚も。
「そんな撮らなくても。」
僕の言葉に、冬真は「むふふ」と楽しそうに笑う。
「これは俺の宝物でーす。」
そんな冬真に夏生は言う。
「お前ほんと春輝のこと好きだな。」
「はい好きです!」
大きな声で宣言する冬真に、思わずびっくりする。
「ありがと。」
僕は、この時間を忘れないように。
「ねぇ、みんなで写真撮ろう。」
ほろ酔いで、喜びで胸がいっぱいのこの瞬間を、カメラに収めた。
今日もありがとうございました!
これからも、よろしくお願いします⭐︎




