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太陽の人と、日陰の僕  作者: ことね
東京での、僕たちについて。
42/69

先輩の抱える痛み。

Ep42です!!

今日もよろしくお願いします!

 先輩が退院してから1週間。今日は12月30日。もうすぐで年が明ける。


「先輩、お仕事休み取れてよかったですね。」

僕は食器を洗って台所の水を拭き取る。


「……まぁ。年末はそもそも休みだから。なんとかなったよ。」

「時期的にちょうどよかったんですね。…まぁ、入院するのによかったも何もないですけど。」


僕が小さく笑うと、先輩も「そうだな。」と頷く。


ミルクが温まったのでココアを入れる。

「先輩マシュマロ入れますかー?」

「うん、ほしい。」

「あ、焼きマシュマロにしてもいいですか?」

「いいねぇ、最高。」

先輩は嬉しそうに同意する。


マシュマロを火にかけると、香ばしい匂いが部屋を包む。うん。いい匂いだ。


「はい、お待たせしましたー。」

僕は先輩にココアを手渡す。


「ありがと。」

先輩はココアを一口飲むと、口元を緩ませる。


「うん。美味い。…なんか焼きマシュマロを見ると夏合宿を思い出すな。」

「夏合宿?」

「春輝が初めて参加した夏合宿。お前、マシュマロを焼くなんて信じられない!みたいな顔してたじゃん。で、初めて焼きマシュマロを食べたあの時の顔。今でも忘れない。」

懐かしそうに楽しく笑う先輩を眺める。


「そうでしたね。懐かしい。」

「だろ。……あの時はすんごく楽しかったなぁー。」


「楽しかったですね。」

僕の言葉に先輩は頷く。



しばらくの沈黙の後、幹樹先輩は話し始める。

それは、独り言みたいで、でも確かに僕に語りかけている。


「……あの頃とは、全く違う。社会で生きるって難しい。」



黙って、僕は聴く。


「俺さ。……倒れるぐらいに忙しかったのは事実なんだけど。


3年目になって、

いつも通りに仕事をしていても、なんか些細なミスもあって、同僚と折り合いもつかなくて。


めっちゃ頑張ってやればやるほど、空回って。


俺って、誰からも必要とされていない気持ちになって。


本当にしんどくて。


最後には、仲の良い同僚に裏切られて、倒れた。


バカだよな。俺。


仕事も出来ないし、

俺が信じた人は、みんな俺から離れていく。」


先輩の目からは涙がこぼれ落ちる。



「なぁ、春輝。…あの頃に戻りたい。しんどいよ。」


幹樹先輩は、弱々しく、まるで迷子になった子どものように不安な表情で泣き続ける。



僕は、先輩にかける言葉が思いつかない。

だけど、幹樹先輩を抱きしめたいと思った。



先輩の近くに行って、そっと先輩を抱きしめる。


「……先輩。よく頑張ってたんですね。大丈夫です。僕じゃ役不足かもしれませんが、傍に居ます。だからまずは、身体を回復させましょ。」


言葉に迷いながら、出来る限り優しく僕は伝える。



 先輩が泣き止むのを待って、僕は帰り支度をする。


玄関まで見送りに来てくれた先輩が言う。


「春輝。…明日の大晦日、2人で神社に行かないか?」


「いいですけど、体調は大丈夫ですか?」

「うん。平気。」


「分かりました。そしたらまた待ち合わせ時間決めましょう。」

「うん。ありがとう。」


泣き止んだ先輩は、すっきりしたようにも見受けられる。

僕は安心して先輩に別れを告げる。


「じゃあ、また明日。」

「また明日。」





ありがとうございました!!

タイトル考えるの難しいですねー。

明日もよろしくお願いします!!

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