先輩の抱える痛み。
Ep42です!!
今日もよろしくお願いします!
先輩が退院してから1週間。今日は12月30日。もうすぐで年が明ける。
「先輩、お仕事休み取れてよかったですね。」
僕は食器を洗って台所の水を拭き取る。
「……まぁ。年末はそもそも休みだから。なんとかなったよ。」
「時期的にちょうどよかったんですね。…まぁ、入院するのによかったも何もないですけど。」
僕が小さく笑うと、先輩も「そうだな。」と頷く。
ミルクが温まったのでココアを入れる。
「先輩マシュマロ入れますかー?」
「うん、ほしい。」
「あ、焼きマシュマロにしてもいいですか?」
「いいねぇ、最高。」
先輩は嬉しそうに同意する。
マシュマロを火にかけると、香ばしい匂いが部屋を包む。うん。いい匂いだ。
「はい、お待たせしましたー。」
僕は先輩にココアを手渡す。
「ありがと。」
先輩はココアを一口飲むと、口元を緩ませる。
「うん。美味い。…なんか焼きマシュマロを見ると夏合宿を思い出すな。」
「夏合宿?」
「春輝が初めて参加した夏合宿。お前、マシュマロを焼くなんて信じられない!みたいな顔してたじゃん。で、初めて焼きマシュマロを食べたあの時の顔。今でも忘れない。」
懐かしそうに楽しく笑う先輩を眺める。
「そうでしたね。懐かしい。」
「だろ。……あの時はすんごく楽しかったなぁー。」
「楽しかったですね。」
僕の言葉に先輩は頷く。
しばらくの沈黙の後、幹樹先輩は話し始める。
それは、独り言みたいで、でも確かに僕に語りかけている。
「……あの頃とは、全く違う。社会で生きるって難しい。」
黙って、僕は聴く。
「俺さ。……倒れるぐらいに忙しかったのは事実なんだけど。
3年目になって、
いつも通りに仕事をしていても、なんか些細なミスもあって、同僚と折り合いもつかなくて。
めっちゃ頑張ってやればやるほど、空回って。
俺って、誰からも必要とされていない気持ちになって。
本当にしんどくて。
最後には、仲の良い同僚に裏切られて、倒れた。
バカだよな。俺。
仕事も出来ないし、
俺が信じた人は、みんな俺から離れていく。」
先輩の目からは涙がこぼれ落ちる。
「なぁ、春輝。…あの頃に戻りたい。しんどいよ。」
幹樹先輩は、弱々しく、まるで迷子になった子どものように不安な表情で泣き続ける。
僕は、先輩にかける言葉が思いつかない。
だけど、幹樹先輩を抱きしめたいと思った。
先輩の近くに行って、そっと先輩を抱きしめる。
「……先輩。よく頑張ってたんですね。大丈夫です。僕じゃ役不足かもしれませんが、傍に居ます。だからまずは、身体を回復させましょ。」
言葉に迷いながら、出来る限り優しく僕は伝える。
先輩が泣き止むのを待って、僕は帰り支度をする。
玄関まで見送りに来てくれた先輩が言う。
「春輝。…明日の大晦日、2人で神社に行かないか?」
「いいですけど、体調は大丈夫ですか?」
「うん。平気。」
「分かりました。そしたらまた待ち合わせ時間決めましょう。」
「うん。ありがとう。」
泣き止んだ先輩は、すっきりしたようにも見受けられる。
僕は安心して先輩に別れを告げる。
「じゃあ、また明日。」
「また明日。」
ありがとうございました!!
タイトル考えるの難しいですねー。
明日もよろしくお願いします!!




