先輩の痛み
Ep39です!
よろしくお願いします⭐︎
僕は、幹樹先輩に伝える。
「僕、先輩のことが好きです。……僕と付き合ってくれませんか?」
…その瞬間、幹樹先輩の目から光が消えるのが分かった。
「……お前は俺と違うだろう。」
か細い声を、僕はなんとか捉える。
「違う?」
「俺はゲイだけど、春輝は違うだろう。」
先輩はずっと目を背けている。
「なんですか、それ。…僕が先輩を好きな気持ちと、何か関係ありますか?」
僕は思わず口調を荒くする。
「……大ありだよ。」
先輩は吐き捨てるように言う。
「悪いがお前とは付き合わない。」
「僕がゲイじゃないから、僕と付き合ってくれないんですか?……それとも、僕のことが嫌いだからですか?」
「俺は春輝を可愛い後輩としか思えない。それだけだよ。……春輝。お前は他の幸せがあるはずだよ。」
諭すような優しい口調で言う先輩の目は、ようやく僕を捉える。
幹樹先輩は、そのまま振り向かずに帰っていく。
その日から数ヶ月。
僕は諦めずに幹樹先輩にLINEやら電話やらをしているが「仕事が忙しい」とか「しばらく会えない」の返事のみ。最近では既読スルーが増えている。
これは、拒絶か。
「俺とは違う」なんて意味の分からない言葉を並べられて、付け足されたような「後輩としか思えない」と言う断り文句。そんな振られ方をして僕は相当傷ついているのに、既読スルーは、流石に堪える。
仕事帰りに街を歩くと、煌びやかなイルミネーションが飾られている。
告白が成功していれば、今僕の隣には先輩が居て、このイルミネーションを一緒に見ていたのだろうか。
そんな夢物語に耽って、帰宅する。
携帯には、夏生からの着信があり、掛け直すと久しぶりのご飯のお誘いだった。
「久しぶり。」
お互いに挨拶を交わし、心と身体を温めるために鍋を食べる。
「あっつ!!」
熱々のお汁を口にしながら野菜と肉を頬張る。
この瞬間が幸せだ。
近況報告をし合う。
「…僕、幹樹先輩のこと諦めた方がいいのかな。」
ふと、思ったことを口にしてみる。
「はぁ?なんで。」
夏生は素直に驚く。
僕は、これまでの経緯を説明する。
「でさ、最近は音沙汰がないし。迷惑なのかもなって思って。」
「まぁ、数ヶ月その状態じゃ、そのまま想い続けるのもしんどいよな。」
夏生は苦笑いをして言う。
「そう。」
「でもさー。俺、幹樹先輩の恋愛対象が同性とかそう言うの分からんけど、幹樹先輩は、春輝のことを特別可愛がっていたと思うよ。だから、お前が先輩のことを好意的に想ってるの気がついた時も、お似合いだなって思った。」
「そうだったんだ。」
「うん。だからさ。なんか先輩にも事情があるのかなって。」
夏生は考える素振りを見せる。
「……事情?」
「うん。傷つくのが怖いんじゃないかな。」
夏生の言葉を受けて、告白した時のことを思い返す。
先輩は、怯えた子供みたいに表情が強張っていて、臆病な様子を見せていた。
「確かに。僕先輩の事情を聞いたことないな。」
「聞いてみなよ。お前も、これ以上傷つきたくないって思ってるかもしれないけど。……先輩と一緒に居たいんだろ?」
「うん。」
「だったら、ちゃんと向き合え。」
その言葉で勇気が出る。
「ありがとう。……ねぇ、お願いがある。僕の連絡返さないだろうから、夏生から先輩に連絡してもらえないかな?」
僕のお願いを、夏生は快く引き受けてくれる。
「任せとけ!!」
ありがとうございました!!
明日も引き続きよろしくお願いします!!




