過去と向き合う。①
Ep26です!
今日もよろしくお願いします。
僕は何も考えられなくなる。次第に過去の出来事が
フラッシュバックをして息が出来ない。
しばらくそのままでいると、後ろから夏生が「おい」と声をかけてくる。
「…どした?大丈夫か?」
夏生の言葉で我に返った僕は「うん。」と短く返事をする。
まだ呼吸は荒いが、少しずつ落ち着きを取り戻していく。
その後は何事もなかったかのように活動が進む。しかし、1年生の男子学生たちは、僕の指示には応じず、まるで空気扱いをしてくる。
その様子を見て、僕の同期たちは異変を感じ取っていたようだった。
この日を境に、1年生の男子学生たちは僕の悪口を言ったり無視したりすることを繰り返していく。
「あの人、元は陰キャだったらしい。写真もある。」
「あーめっちゃ地味じゃん。何、大学生だからってキャラ変?ださくね?」
「てか、リーダーになったから調子乗ってんじゃないの。」
「ほんと。夏生先輩みたいな人がリーダーだったらよかったのに。」
「最悪。同じ空気吸いたくないし。」
「はよ、消えてくれませんかねー?」
彼らは僕を見て嘲笑う。彼らが向ける目線が痛い。
こんな感じの僕に対する攻撃が数週間続く。
夏生や他のメンバーが、彼らに注意をしても状況は変わらない。
……中学校の時のことを思い出す。
当時、僕は学年で2位の成績を取っていた。勉強だけが取り柄の僕は、毎日必死に勉強を続けた。僕が1位を取れば、もしかするとクラスメイトから目を向けられるかもしれない。そんな期待を抱いて。
しかし、現実は違った。僕が学年で1位を取って喜んだのは、僕だけだった。それまで1位を取ってきた、同じクラスの男子生徒から「調子に乗るな」と殴られたのだ。それを見たクラスメイトは、当然と言うばかりにその男子生徒の肩を持つ。この日から僕はクラスメイトからのいじめを受けるようになった。
僕はただ、クラスメイトと仲良くしたかっただけなのに。みんなの一員になりたかっただけなのに。
僕はこの状況に耐えられず、次第に不登校となった。
ーーーあの時と同じだ。僕はなんて非力なんだ。
……こんな状況でも、僕が活動を休むわけにはいかない。部室の前で高ぶる鼓動を落ち着かせる。…と同時に、ほぼ自然に、僕は左腕を掻きむしっていた。
「おい!春輝!!!」
夏生が僕を呼ぶ。
「おい、やめろ!!」
そう言って、彼は僕の左腕を掴む。
「お前、爪の先真っ赤じゃん……。腕もひどい。」
掻きむしる左腕は、血の混ざる傷が複数見られた。
僕は慌てて左腕を隠す。
「部室入ろう。」
僕は夏生と一緒に部室へ入る。
僕は、その日行った活動の記憶はなかった。中島が代わりにリーダー日誌を記録し、学生部に提出してくれる。
翌日。朝起きて大学に行く準備をしていると、玄関のチャイムが鳴る。ー夏生だった。
彼は部屋に入るなり頭を下げる。
「昨日は悪かった。」
彼の言動に、素直に驚く。
「え?」
「お前のその腕。傷をみてショックだったからさ。止めようとしてしまった。昨日帰ってから、ネットでそういう行動について調べてみた。無理に止めるのは良くないって書いてあって。…ごめん。」
「いや。確かにこの腕を見たら驚くよな。ごめん。」
僕の言葉に、彼は力なく首を振る。
「手当てをすると良いって、書いてあった。…だから、俺が手当てしていいか?」
僕は頷く。
彼は、薬局のビニール袋から消毒液、傷を塞ぐ道具、包帯を取り出す。
僕は黙って、彼に左腕を差し出す。
夏生の手は優しく僕の腕を取る。…しかし、少し震えているようだった。
夏生をそっと見ると、目には涙が溜まっている。
「…俺、全然力になれてないな。」
か細い声で、彼は言う。
僕は、なんと返すべきか悩む。
「ごめん。本当にごめん。」
夏生は泣き出す。
「……違う。夏生は悪くない。むしろ感謝してる。夏生はずっと僕の味方でいてくれて。本当に支えられてるんだ。……だから、ありがとう。」
僕の言葉に、彼は少し戸惑う。
「俺、力になるから。」
「うん。」
僕は、もう少しだけ頑張ろうと思えた。
ありがとうございました!!
昨日から左目が痒くて仕方なくて、今日とうとう腫れてきました( ; ; )




