3年生になる。
EP23です!!
いつもありがとうございます。
よろしくお願いします!!
ごゆっくり。
大学生活3年目の春が来る。
学内の桜も、勧誘に並ぶ学生たちも、すでに見慣れた風景だ。
大学3年目は、授業数も少なくなり、就職活動に向けての準備が始まる。今年は忙しくなるのだろうか。
そんなことを、まるで他人事のように考える。
ーーなんか、つまんないなぁ。
幹樹先輩が居ない学内は、どこか寂れていて。
「はぁー…。」
心のつっかえを吐き出したいと思い、ため息をついてみる。…あまり効果はないようだ。
「春輝。」
夏生が心配そうに僕を見る。
「なに?」
「死んだ魚の目をしている。」
「そうか?」
とぼける僕を、彼は仕方のないように肩をくすめる。
「オーキャンスタッフの活動の後、飯でも食いに行こうぜ。」
夏生の誘いに、僕は頷く。
授業の後、部室に行くと、既に数人のメンバーが活動の準備を進めている。
「春輝先輩、お疲れ様です。」
2年生になった立川が声をかける。
彼の声に誘われて、1年生女子学生が次々と声をかけてくる。
「…お疲れ様。」
僕も偉くなったもんだな。こんなにも後輩たちに挨拶されて、まるで社長にでもなった気分になる。……まぁ、僕には興味がないが。
「立川、今日は夏休みのオープンキャンパスの構想と、学内に配布する広報誌の作成を進めるから、よろしく。」
なぜか今年度のリーダーとなった僕はたんたんと言う。
「もちろんです!」
立川は、可愛らしく笑う。
2時間ほど、僕たちは作業を進めて、活動を終了する。
「お疲れ様。」
僕と夏生は、そそくさと部室を後にする。
僕たちが向かったのは、いつも通っている近場で安い個室の飲み屋だ。
お互い適当に注文し、早速空っぽの胃に栄養を入れていく。
「で。お前のこと。」
おもむろに、夏生は話始める。
僕は、ポテトフライを口に放り込みながら、彼の言葉を待つ。
「幹樹先輩が居なくなってから、お前変だよ。ーーなんか、心ここに在らずというか。」
「……なんかさ。空っぽなんだよね。」
「空っぽ。」
「うん。…なんていうか。なんのために俺って大学生活送ってるんだっけって思って」
夏生は、黙って僕を見る。
「ほら、僕は幹樹先輩に憧れてこの大学に来たからさ。……幹樹先輩が居なくなって、なんか、一気に気が抜けたと言うか…。オーキャンスタッフも楽しいけど。なんか、心が乗らなくて。」
黙って聞いていた夏生が閃いたように言う。
「幹樹先輩ロスだな。」
「そうだな。何を目標にして残り2年を過ごしたらいいか、分からないんだよね。」
ぼっと、空っぽになったビールジョッキを見つめる。
「お前。また幹樹先輩と一緒の東京に行くんだろう?」
「あぁ、そんな話もあったね。」
「それを目標にしたらいいんじゃない?胸張って、幹樹先輩に会いにいけよ。」
「うん……そうだね。」
それが出来るのか。僕には分からなかった。
「今の春輝なら、なんでも出来ると俺は思うけど。」
「え?」
「今年のオーキャンスタッフの新入生、みんなお前目当てだぞ。」
「は?そんなことないよ。」
「お前が気がついてないだけ。お前今モテてるの。しかも、今回はオーキャンスタッフのリーダーにもなった。それは、お前のこれまでの努力があったからだろ。」
夏生の言葉は信じがたいものではあるが、勇気づけてくれていることは分かる。
「…ありがと。」
「お前をここまで掻き立てる先輩は、やっぱ流石というか…。お前にとってそれほど特別な人なんだろうな。」
「特別。それはそう。幹樹先輩と夏生は特別。」
「ありがと。…でも、俺と先輩の特別は少し違う気がする。…幹樹先輩といる時のお前、めっちゃ恋してる表情してるもんな。」
夏生は茶化してくる。
……恋してる。
「え、僕が先輩に恋!?」
今までのことを振り返って、自分の気持ちに気が付く。
「うん。恋。」
「…まじか。」
僕は、素直に自分の感情に驚いた。
ありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします。




