先輩と最後の夏合宿②
EP20です!
いつもありがとうございます。
ごゆっくり、お楽しみください。
昨年と同じく、みんなと一緒にご飯を作ったり、レクリエーションをしたりする。午後のレクリエーションでは、今年入った1年生の振り返り、困り感等を話し合う。
僕は、1年生3人のうち1人、橋本 蘭さんが気にかかる。グループワークでも自己紹介でもあまり話したがらない大人しそうな女性。他の2人の1年生がとても元気なキャラクターであるから、より気になるのだろう。
やはり、自由時間になっても彼女は1人で過ごしている。他の2人が声をかけてくれているが彼女は困った様子だった。
まるで、僕の中高時代のようだ。
少し彼女の様子を伺っていると夏生と中島がやってくる。
「あの子、気になるよね。」
中島は心配そうに言う。
「うん。オーキャンスタッフになってからも、なかなか他の人たちと仲良く出来ていないみたいだし…。」
「……まるで、春輝みたいだな。」
「え?」
夏生の言葉に振り向く。
「俺のおかけだなー!」
彼はふざけたように笑う。
「あぁ、感謝しているよ。」
僕もふざけて返す。
僕と夏生を見て、中島は笑う。
「蘭ちゃんも、ほかの2人と仲良くなって変わってくれたらいいね。」
ーー2日目の夜。
夏らしいことをしよう、という4年生を送るイベントを行う。
3年生が用意してくれた花火やスイカ、みんなで作った焼きそばなどを持って、それぞれが楽しむ。
「スイカ割りしよーぜー!」
梅田先輩がスイカと棒を持って同期の先輩たちのところへ行く。
「いやそれ海でやるやつ」
幹樹先輩は笑う。
「えーいいじゃん!やろーよー」
駄々をこねる梅田先輩に、他の先輩たちは仕方なく同意する。
スイカ割りをして、一緒に食べて、花火をして、笑い合う先輩たちが、とても楽しそうで。
「よかった…。」
心から安堵していると、幹樹先輩に声をかけられる。
「春輝、写真撮ろうぜ。」
気がつくと、すぐ横に先輩が居て、携帯のカメラが僕たち2人を捉えている。
……やっぱ先輩格好いいな。
「僕で、いいんですか?」
ふと、思ったことを言う。
「春輝がいいの。」
先輩の真っ直ぐな目が、僕を捉える。とても嬉しかった。
心の中で喜んでいると、他の4年生の先輩たちも集まってくる。
「私も春輝くんと写真撮りたい!」
「俺も!」
夏生だけでなく、先輩たちにも僕は救われていた。本当に感謝をする。
僕の持っていた線香花火が消える。ー花火を終えた静かさは、どこか僕の心と似ていた。
……やっぱ、寂しいな。胸が詰まる気持ちをどうにか治めたくて、あの会議室のような部屋に行く。
「はぁー…。」
ため息を落とす。
「やっぱこの部屋に居た。」
声の主は幹樹先輩だ。
「ーーありがとな。」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
心の中が空洞だ。どんどん枯渇していく感覚。
「何泣きそうな顔してるんだ。卒部しても先輩と後輩に変わりはないだろう。」
「…はい。」
少し気が楽になる。
「これからもよろしくな、春輝。」
先輩な笑顔は、相変わらず眩しかった。
毎日EP投稿が続くとは思いませんでした笑
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします。




