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太陽の人と、日陰の僕  作者: ことね
僕と先輩の出会い〜大学生活について
19/69

先輩と最後の夏合宿①

EP19です!

いつもありがとうございます。


よろしくお願いします。

 幹樹先輩と行ったあの焼肉以降、僕は鏡を見て自分の顔を見ることが多くなった。


「前髪あげる……。」

……どうしたらいいのだろうか。


ひとまず、自分の前髪をそのままぜんぶ上げておでこを出してみる。


「いや、キモいだろ…。」

目の前の自分を見て、自嘲する。



……とは言え、今日から夏合宿が始まる。

先輩に言われたことをやってみようと、僕は意を決する。ひとまず、買ったままずっと手付かずのコンタクトを付ける。


「……っ、イッタい!!!」

目が沁みるし、異物をずっと感じている。


慣れるまでの我慢だ。


「おし、次は……前髪。」

これも、100円ショップで買ったヘアピンみたいなを使って、横分けをしてみる。

……なんか、河童みたいだな。


しかし、このまま悩んでいる時間がない。

僕は慌てて、荷物を持って家を出た。



集合場所。

僕を見た幹樹先輩は吹き出すように笑う。


「春輝、髪型変だぞ。」


「やっぱそうですよね…。正解が分からなくて。」

「電車の中でやってやる。」


みんなで電車に乗り込み、僕と先輩は隣同士の席に座る。


先輩は僕に通路側に向くように指示を出す。僕はそれに応じ通路側を向く。


「鏡で見とけ。」

「はい。」


先輩は慣れた手つきで、僕の前髪をいじる。そして、額の上にピンで止める。


「ほら。」

「うお、すごい……。」

「前髪は全部を上げるとダサくなるし、横にぺちゃんこに止めるのもダメ。…お前の顔は整っていてきれいだから、今流行りの髪型でも決まる。」


「ありがとうございます。」

「あとはー、ワックスやコテを使うのもありだな。」

「わっくす…、こて??」

「お前まじか。……夏合宿終わったら一緒に買いに行くか!!」


先輩は楽しく笑う。

僕は同意する。


先輩は、何も分からない僕のことを、否定せずに受け止めてくれる。そして、手を差し出してくれる。…それが何より、嬉しいのだ。


ーー過去を思い出す。

…僕は中学の頃までいじめられていた。

オシャレに疎く、地味で話すことが苦手な僕は、いつも標的とされた。


「お前ダサいな。」

「お前みたいなの、生きてて何が楽しいの?」

嘲笑うクラスメイト。もう名前も顔も出てこないが、その声だけが耳に残っている。


だから、高校ではもういじめられないように、気配を消そうと思い前髪で顔を隠した。


だれも僕を認知しないように。


ーー

「春輝くん!」

女性の声にはっと我に返る。


「それ、似合ってるじゃん!」

目の前にいたのは大城先輩。

「ありがとうございます。」

「俺がやったんだよ?」

隣の幹樹先輩は、胸を張る。


「コンタクトにして、いつもと雰囲気が違う。…かっこいいよ、春輝くん!」

今度は兒玉先輩が僕を褒める。


「それも俺が提案したんだよ。」

またまた、先輩は胸を張る。


「ねー、それわかったー!春輝くんを褒めてるのに…。」

「でもそれ俺のおかげー。」


先輩たちのやりとりが、とても可笑しくて。


僕は笑う。

「あ、笑った顔もよく見えるー!いいよー!」


大城先輩と兒玉先輩は嬉しそうだ。


過去のことをこだわるのは、なんだか馬鹿らしい。

先輩たちを見て、そんなことを感じた。




ありがとうございました!!

これからも、よろしくお願いします。

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