表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核戦記  作者: ハムジン
7/17

天津の神格

初日なのでまだ投稿します。再投稿2話目です。

遼真は言葉を区切ると、わずかに顔を伏せた。


「……さらに、君には知っておいてもらわなければならないことがある。

天統院――いや、“天津神の神核”を宿す者たちが、なぜ支配に固執するのか」


悠真が眉をひそめる。


「支配……?」


遼真は視線を上げ、静かに語った。


「天津神の神核は、力だけでなく、神の“意思の断片”も内包している。

宿した者は、その影響を少しずつ受け始める。

やがて、“正しさ”を定義し、“秩序”を守ることに異常なまでに執着するようになる。

その帰結が――支配と管理だ」


「……人格が乗っ取られるってこと?」


「いや、もっと複雑で、もっと厄介だ。

天津神の神核は、宿り主の“価値観そのもの”に染み込んでいく。

気づかぬうちに、“己の秩序が唯一無二である”と信じ始める。

だからこそ、天統院は“従わぬ者”を排除する。

それが彼らにとっての“正義”であり、“使命”なのさ。」


悠真はぞくりと背筋に冷気を感じた。

自分もまた、いずれそうなるのではないかという――根拠のない不安が喉の奥にこびりついた。


しかし、遼真の声がその闇を断ち切る。


「君の宿す神核は――“天津”でも“国津”でもない。

だからこそ、君には選ぶ自由がある。

支配か、自由か。管理か、共存か。

……神ではなく、人として――どう在るかを」


悠真はゆっくりと、深く息を吐いた。

彼の中に、わずかながら“選択肢”という灯がともった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ