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神核戦記  作者: ハムジン
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五影

天統院も動き出す

次話は18時投稿予定です。

──京都・天統院本部 地下最深層。

石造りの広間の巨大な円卓に集う五つの影が、重々しい沈黙のなか対峙していた。

それは天統院における最高権力。この世界の“秩序”を保つ、"五影ごかげ"と呼ばれる存在たちだった。


円卓に浮かび上がる立体映像には、一人の少年の姿が映し出されている。

未完成ながら規格外の神核を抱える者。


「……一条悠真。神核の素性は確定している。」

会議室に響く低い声。

その場にいる誰もが動じることなく、その報告を静かに聞いていた。


「アメノミナカヌシ。原初の神核。

我々天津神系統にも国津神系統にも属さない“始まりの存在”だ。」


一瞬、空気が僅かに震えた。

誰も表情を変えないが、空気に籠る緊張は明らかだった。


「それがなぜ、今この時代に現れた……?」


「理由はどうでもいい。問題は、その存在がこの世界に再び足を踏み入れたという“事実”だ。」

別の影が口を開く。


「天照大御神の神核は、まだ顕現していない。

現在の“支配軸”が不安定なまま、“原初”が覚醒すれば──」


「我らの秩序が崩壊するかもしれんな。」

また一つ、声が重なる。


「しかも保護したのは“根の会”。

我々の管理に従わず、自由を掲げる国津の集団だ。」


「原初の力は不明な点が多いが、創造神だ。極論何でも思い通りのままに出来るのだろう。」


部屋の最奥、静かに座す影が一言だけ口を開いた。


「……まずは捕縛しろ。それでも従わないのなら排除だ。

“今”なら、まだ遅くない。」


その言葉に、他の四人の影が無言で頷く。


「アメノミナカヌシが覚醒する前に、“天の刃”を振るう。

これが、我々の“正義”だ。」


五つの影が、再び闇に沈む。


──彼らの名は世には出ない。

だが、歴史の裏で無数の“排除”を重ねてきた存在。

彼らが動くとき、世界の流れは決して元には戻らない。

もし、少しでも面白い、続きが気になると思われたら評価をして頂けると、とても嬉しいです。

よろしくお願いします。

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