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颯の蒼空  作者: 心労心負
第1章
3/17

嘘と本音

 「俺は、変わりたかったんだ。」松田は続ける

「実は俺なかなかこの学校に馴染めなくて、昔の友達も新しい友達を作るのに俺は1人で。ついでに成績も良くないし。」

 松田は何かを決意したような顔をして

 「だから今日ここで何かを成して変わるきっかけにしたかったんだ。」

 「なるほどな。」颯汰は少し意外だった、自我が薄そうな彼がこれほどの思いを持っているとは思わなかったからだ。

「こんな話して、ごめんな。」「別にいいよ、一緒に見つけよう。」


 中山と蒼は体育館で突如現れた生徒達と対峙していた。

「なんだ、こいつらは。」

 「生徒会の書記だよ。」

 「よく知ってるな!そう俺は生徒会書記の南原だ、覚えとけよ影が薄いからな。」

 「おまえ、校長の居場所をしらねぇか?さがしてるんだ。」「もちろん知ってるとも、でも君たちには教えられない。君たちにはここでおとなしくしていてもらう。」

 彼がそういうと彼の周りの生徒たちが蒼と中山を取り囲んだ。

「どうする?中山君、このままじゃ捕まるよ。」「選択肢は1つだ、校長の居場所はこいつらから直接聞き出す!」

 「だろうね。」蒼は不敵な笑みを浮かべてブレザーのボタンを外した。そして2人は向かってくる生徒たちと対峙した。


 場所は変わり校内颯汰と松田は職員室、校長室を探したがもぬけの殻だった。

 「残すはあと1か所だけ…。」「生徒会室だな。」そして2人は校舎の3階、生徒会室に向かった。


 「なんだこいつ!強いぞ!」その頃体育館では数の利があるにも関わらず生徒達が押されていた。

3人ががかりで中山を抑えようとしても彼はそれを軽くなぎ倒す、蒼は中山に声をかける。

 「ちょっと南原さんと話をつけてくるよ。」そう言うと彼がいる部隊の壇上に向けて走った。

すると蒼の前にサッカー部の吉田が立ちはだかった。

 「通してくれませんか?」「断る!」

蒼はボタンを外したブレザーを脱ぎ、吉田の目の前に投げた。そのまま視界を塞いだ吉田に飛び蹴りを喰らわした「どわぁぁぁぁ!?」吉田は3メートルほど吹き飛んで舞台に激突して止まった。

 そのまま舞台に飛び乗った蒼は南原と対面し彼に告げる。

 「僕は貴方たちの目的を知っていますよ。」

 「ほう?俺達が目的を知ってるだと?」

 「参加を呼びかけられたんですよ。」「つまり、彼の同行者か、だが途中参加は感心しないな。」

 中山は蒼が何を話しているのか分からなかった。しかし少しの考えの末、蒼がこの首謀者達と何か繋がりがあるのではないかということに気づいた。

 「おまえっ、まさか裏切り者だったのか!?」南原は笑みを浮かべた。

 「学校の中にも外にも俺たちの味方がいる、校長もすぐに口を割るだろう。君もそう思うだろう?」

蒼も笑みを浮かべた。「なるほど、本当に貴方達の目的が分かりました。」「え?」「え?」

 「安心して、中山君。僕はこの人達の仲間じゃないよ。」「今のは適当に言った嘘。でも、大体何をしようとしてるのかは分かった。」

 「一杯食わされたか…」南原は一瞬驚いた顔をしたが手で顔を覆った。「あー騙されちまったか...」「もう言ってもいいんじゃね?」さっきまで対立していた生徒達も集まって来た。

 「仕方ないか...2人に話すぜ。」そうして南原は語り始めた。

 「実はこの騒ぎは敢えて大騒ぎになるように仕組まれたんだ、そしてそれは校長の汚職を明るみに出すためだったんだ。」「やっぱりか。前からどうも胡散臭いとおもってたんだぜ。」

 「これを計画した彼は悪事を目の当たりにした。しかし咎めようとしても権力でもみ消される、そこで彼は考えた。『もみ消すことのできないほどの事件を起こして悪事を明るみにだそう。』と」

そして南原は続ける「そして君たちを送り込んだのも彼の計画の一つだった。」

 「『彼』は何のために僕たちを送り込んだんだろう。」「おそらく外にいる教師たちの動向監視して俺たちに伝える役割のはずだ。」

 「つまり、俺たちの中に誰かお前らの仲間がいるってことか!?」

 「中山君、すぐに颯汰達と合流しよう。その前に…」


 颯汰と松田は生徒会室の正面にいた。「ここが最後か。」「そうだな稲生、行こう。」

 そして2人は扉を開けた。そこには3人の人間がいた。部屋の一番奥の椅子に座っている生徒会長の竹田、小柄で片目が隠れている副会長の梅田、そしてもう1人背が高く竹刀を持っている男子生徒。松田は彼らに近づき、入り口の近くにいる颯汰に向き合った。

 「すまない、稲生。」

 

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