分岐点
颯汰と中山は同時に叫んだ。なぜなら今まで気づかなかった4人目がそこにいるからだ。
「もしかして、b組の松田君?」「知ってるのか蒼?」
蒼は彼と面識があるようだ松田は頷いた。
「これからどうする?」
「二手に別れよう、その方が効率が良い。」蒼の言う通りだ。「ところで松田君。」蒼がおもむろに質問する「この騒ぎには何人の生徒が参加してるのかな?」一瞬固まった松田だったが口を開いた。
「そんなに多くないはず、少なくとも30人くらいかな。」
「人が多い場所があるはず。校長先生も、おそらくそこに。」
「じゃあ俺はこっちを探すぞ!行くぞ菅原ぁ!」
そう叫ぶと中山は体育館の方に走っていった。
「ちょっと中山君!?、校舎は2人に任せたよ。」
蒼も彼を追って体育館に向かった。
そして残されたのは颯汰と松田だけになった。
「まぁ、俺たちも行くか。」そうして2人は校内に向かうのだった。
その様子を見ていた影が「やっとやってきたか。」
「...うまくいくと良いが。」「彼らなら大丈夫さ。」
中山と蒼は体育館の前にいた。
「ここには絶対に何かがあるな。」「何か心当たりがあるってこと?」中山は自信に満ちた様子で言った。
「勘だ!」「か、勘?」蒼はドアハンドルに手をかけ引いてみた、少し動くだけで開かない。
「鍵がかかってるよ、中から閉められてるのかも。」「どれ、」中山はドアハンドルを握り、押した。
すると扉が開いた。中山は中に入りながら「開いたぜ。」声をかけた。「あの扉、引き戸だよね...」蒼は自分に確かめるように呟いた。
体育館の中には一見誰もいない、しかし蒼は違和感に気づいていた。
「中山君。」「ん?」「誰かいるね。」「なんでわかるんだ?」2人の視線が壁側に向く。
そこには煌々と熱気を放つ業務用ストーブが!
「確かに、誰かいるな。」「今日は寒いからね。」
そんな会話をする2人だったが視線が一瞬で舞台に向く、そして舞台袖から何者かが躍り出た。
中山が体育館のドアを突破した頃、颯汰と松田は校内を歩き回っていた。しかし1年生の教室がある1階にはいない、「2階を探してみるか。」「...そうだな。」
2階 2年生の教室がある、やはりいない。
3階 同様にいない。
颯汰達は2つある校舎のうち、渡り廊下を渡った奥の校舎を探していた。ここにいないとなると残るのは生徒玄関や図書室、職員室と生徒会室がある方に違いない。なのでそこに向かうことにした。
「少し待ってほしい。」颯汰は先程から気になっていたことを松田に聞いた。
「なんで松田君は見ず知らずの俺たちと一緒に行こうと思ったんだ?」
松田は少し驚いた顔ををしたが答えた。
「俺はー」