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  作者: 舞奇知
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壱話 春はあけぼの・前

この町は素晴らしい。我が国が誇る近代都市だ。もう誰もこの町は馬鹿にできない。

度重なる開発に建設。町には活気が戻り外国人も見られるようになった。

これも全部月島グループのおかげだ。彼らがいなかったら、この町は大して儲からない漁業や農業で満足し、時代におぼれていただろう。

中には自然がなくなる、昔の思い出の場所が消えて寂しいなどとぬかすやつもいるがそんなのじじいやばばあの戯れ言だ・・・

そう思っていたのはつい最近までだった。

この町の異常に気付いたのはいつだったか。

おそらくあの時だろう。

あの時俺は・・・






「ただいまぁ、ん?お客さんか?」


俺の名前は宮島謙。高校2年生、青春を生きる熱い男、

生まれも育ちも烏賊織市で、最近の月島グループによる近代化に賛成している者の1人だ。

家は9番街のA地区。住宅地で町の西北に位置する場所にある。

父さん母さん妹2人で5人家族でみんな仲がいい。

父さんを探していると居間で知らない男と話しているのを見つけた。

興味があったから俺は隠れて聞き耳をたてた。


「―別にただでという言う訳ではありませんよ。新しいお宅も用意するし、立退料として1億円差し上げます。」

「何度も言う!この家は先祖代々伝わる我らにとってとても大切な家だ!そんなビルのためにこの家を売り飛ばしてたまるか!」

「このご時世に先祖代々なんて古いですよ?それとビルではなくてタワーです。NFCタワー。四国、いえ日本のシンボルになる予定ですよ?そんなタワーがこの家の跡地にできるのです。ご先祖様もきっと喜ぶでしょう。」

「ふざけたことをぬかすなっ!!失せろっ!!もう2度とこの家の門をくぐるな!!」

「そうですか、残念です。きっと後悔しますよ?」

「父さん、どうしたの?」


男が立ち去ってから父さんに聞いてみた。

途中から盗み聞きをしていたのだが、今かえってきたような風をよそおった。


「ああ謙か。帰ってきたのか。手は洗ったのか?」

「今はそんな事じゃなくて俺の質問に答えてくれよ。」

「どうもこうもない。タワー建設のために立ち退いてくれとほざきやがったのよ。もちろん追い出してやったがな!がははははは。」

「でもこの調子だとここら一帯の家を買い取ろうとしてきそうだな。島さんとか木村さん大丈夫かな?」

「そうだなぁ。後で回覧板に付け加えておくか。」


島さん、木村さんはこのA地区に住む他の家の方達だ。

他に武田さん池谷さんたちがいる。宮島家を入れて5家は代々協力して生きてきた。

だが宮島家が他の4家を養っている、と立場は宮島家が一番高い。


次の日、彼ら4家がうちに集まった。

聞くところによるとA地区に住む人全員に同じような人がきて立ち退きを申し出てきたらしい。

何か問題が起きた場合、5家はいつも一番大きい宮島家に集まって対策を立てていた。

俺は会議に参加させてもらえなかったが今回も会議を開いていたようだ。



それから2週間、特に何も変化はなく何事も無かったように時は流れた。

ある夜、俺は居間で妹の香織とテレビを見ていた。

普段俺はニュースなど見ないのだが、烏賊織市中を揺さぶる大事件がおこり、

さすがの俺もニュースを見ずにはいられなかったのだ。


バチバチ キューン!


突然の大きなな音ににその場にいた俺と香織は飛び上がった。


「兄さん!今の何?」

「裏庭の方だ!行ってみよう」


町が開発されてから夜でも明るい。

裏庭についた俺たちが見たものは母さんと見る影も無い妹の佐奈。

悪夢が始まった・・・

宮島 謙(みやじまけん

烏賊織市に住む高校2年生

熱い心と冷静な性格を併せ持つ

家族は父、母そして中学の妹と1歳の妹がいる


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