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「高校になって、“一成君”が4年生になって・・・食べられなくなった。」
「覚えてる・・・。」
「大人になりたくなかった。
私だけ1人で、大人になりたくなかった。
誕生日が来るのがいつも怖かった。」
「知ってる・・・。
お祝いしないでって言われてたから。」
昔のことを思い出し、また涙が流れてきた。
その涙を一成が両手で優しく拭ってくれる。
「“一成君”が大人になるその時まで、私は・・・私の身体は時間を止めた。
でも・・・一成が抱いてくれたから、またすぐに動き出してくれたみたい。」
そう言いながら、お腹に手を当てる。
「一成の為に止めていたから、一成にしか動かせなったと思う・・・。
ありがとう・・・っ。」
「うん・・・。」
一成が嬉しそうに笑いながら、私の顔にゆっくりと顔を近付ける・・・
それに、私も少しだけ顔を近付ける・・・。
優しく触れた一成の唇が、ゆっくりと開き・・・
久しぶりに、私の唇を割ろうと舌を伸ばしてきたので・・・
私は初めて自分から唇を開いた。
カツカレーも食べないまま、ベッドの上・・・2人で裸で抱き合う。
「安定期まで・・・出来ないからね?」
「今日、先生に何回も言われたから覚えてるよ。」
「でも一成・・・私がつわりになる前も、よく抱かなかったね?」
抱き合いながらも一成が布団を掛けてくれ、2人で入った。
「なんか・・・瑠美いつもと違ったから。
これといって説明出来ないけど、なんとなくしない方がいいかなって。」
「そうなんだ・・・。
区民プールに行った日、最後にした時もゆっくりで1回だったしね?」
「あれは・・・堪能したというか・・・。」
「堪能・・・?」
一成が笑いながら、急に私の身体を撫でてきた。
「久しぶりにプールで瑠美の水着姿見たし、泳いでる姿見たし、水着の下・・・スーツの下の姿を堪能しながらというか・・・。」
「なにそれ?」
「だって、瑠美の身体凄い綺麗だし・・・色も・・・。」
一成がそう言って、私の胸の先を少し刺激してきた。
「ここ、何でこんな綺麗な色してるの?」
「何でって聞かれても・・・たまに、言われたけど・・・」
「・・・は?誰に!?あいつ!?」
急に一成が怒りながら、私に覆い被さってきた。
私のお腹には一成のソコがついていて・・・慌ててお腹を守るように一成のソコに手を添える。
「・・・っ、瑠美そこ・・・っ」
「あ・・・ごめんね、お腹についてたから。」
「そのまま、手・・・握って?」
「え?何で・・・?」
「お願い・・・」
そう言われたので、握ってみる。
「凄い久しぶりだし、すぐだから・・・ごめん・・・っ」
一成に謝られたと思ったら・・・一成が腰を動かし始めて・・・
「あ・・・っ一成!」
「少し、触るだけ・・・見せて?」
私の手の中で動いていたと思ったら、起き上がり・・・
私の下半身の所を見て・・・少し入口を触っていて・・・
「ここも、何でこんなに綺麗なの・・・?」
私のソコを凄い見ながら、少し触りながら・・・
一成が自分で自分の所を何かしていて・・・。
「誰に、綺麗とか言われた・・・?
あいつにも見せた・・・?
処女だったけど、少しは・・・何かしてた?」
「あいつって・・・誰?」
「実家の瑠美の部屋に入ったあいつ!!」
「私の部屋?誰も入ってないけど・・・。」
そう答えると、一成が驚いた顔をしていた。
「マジで・・・?じゃあ、あいつ何?
瑠美の家に来てたじゃん、同じ法律事務所だった男!!」
「・・・ああ、玄関で待ってて貰ってたよ?
借してた本を返してって言われて家に来たけど。」
「部屋・・・入れてなかったの?」
「お母さん達も外でご飯食べてていなかったからか、上がりたがってたけど・・・。
結構しつこかったけど、玄関で待ってて貰った。」
「それ狙われてるから!!
そんな奴から本借りないでよ!!」
「狙うって?」
「まあ・・・もう、いいよ。
瑠美の裸、俺しか見てないってことだよね?」
「それは・・・違うけど・・・。」
「待って・・・まだ誰か出てくるの?
・・・あ、俺・・・そろそろ・・っ」
一成が自分で何かをしているのを・・・もっと早くしていて・・・
「瑠美・・・っ」
私の名前を呼んだかと思ったら、そうなって・・・
その時やっと、何をしていたのか分かって・・・
急に恥ずかしくなった・・・。
「気付くの遅いって・・・。
で?他に誰に見せた?」
「え・・・まだ続けるの?」
「続けるよ・・・」
「会話だけじゃなくて・・・。」
「うん・・・かなり我慢してたし。
泳ぐだけじゃ、俺二十歳だし・・・。」
二十歳を理由にされると、そうなのかなと・・・納得もして・・・。
「それで?誰・・・?」
「選手コースの女子は、みんな見てるから。」
「・・・それかよっ!!」
一成がそう言った後、また笑って・・・私の上に覆い被さってきた。
「手・・・もう1回、ありがと・・・」
「・・・一成こそ、見せたでしょ。
見せたし・・・彼女としたじゃん。
あんなの・・・知りたくなかった。」
「ごめん・・・」
「いつかそうなると覚悟はしてたけど、あんな・・・酷いよ。
頑張って、あの子の前で“お母さん”したけど、あんなの・・・知りたくなかった。」
「・・・怒ってる所申し訳ないけど、そういうのいいね。」
「最低・・・」
一成が本当に嬉しそうに笑うので、私も笑ってしまった。
「でも、笑ってる顔が1番可愛い・・・。」
「うん・・・。」
すっかり冷めてしまったカツカレーを、一成が電子レンジで温めてから持ってきてくれた。
それを2人で食べながら、ずっと気になっていたことを聞く。
「一成・・・」
「ん~?」
カツカレーに夢中の一成がテキトーな返事をしている。
それに少し怒りながら、その勢いのまま聞く。
「サポート支援センターにたまに来てる、若くて可愛い子・・・誰なの?」
「・・・若くて可愛い子?
そんな人いないよ?」
「いるじゃん・・・一成にプリン持ってきてくれた子。」
「プリン・・・?
持ってきてくれた人はいるけど・・・その人じゃないと思うし、誰だろ?」
「・・・一成のこと“一成君”って呼んでて、一成が23時までの月曜日も21時頃に来てたの見ちゃった。」
一成がカツカレーの最後の一口を食べ終り、何回か頷き私を見た。
「柳川さんっぽいね。
でもあの人、瑠美より2歳上だから若くないよ?」
それには驚いたけど・・・
「凄い・・・仲良いよね?」
「俺と?全然じゃない?
あの人他の人ともあんな感じだし。」
「そうなの・・・?
何しにサポート支援センターに来てるの?」
一成が何故か嬉しそうに笑った後、牛乳を一気に飲んでから私をまた見た。
「一般社団法人KONDOアスリートサポート支援ってさ、競技に戻る為のサポートだけじゃないよね?」
「そうだね、競技に戻ることを断念した部員達が、新たな人生をスタートさせる為のサポートをしてるね。」
そう、自分で言っていて気付いた。
「人材紹介の人?」
「うん、ちょうど俺が瑠美に猛アタックし始めた頃かな・・・。
断念した部員がいてさ。
それから副社長も含め検討して、人材紹介の会社といくつか契約したんだよね。
部員達の新たな人生のサポートを協力してもらってる。」
「そうだったんだ・・・。」
「あの人材紹介会社の担当者は、その柳川さんにお願いするって副社長が。
新卒の俺を、うちの会社に紹介してくれた人なんだよね。」
「そんな・・・命の恩人みたいな人に、ごめんね。」
「あの人には瑠美のこと全部話してる。
あ~・・・それ話してたりもしてたから、仲良くは見えたのかも。」
一成が・・・甘く整った顔をもっと甘くして、私を見た。
「俺のこと、大好きだね?」
そう言われ・・・恥ずかしくて、両手で顔を隠した。
「隠さないでよ、見せてよ。」
「やだ・・・。」
一成の大きな笑い声が聞こえる。
「俺と2人きりの時は、メガネ外して?」
「一成・・・昔、眼鏡してた方がいいって言ってたよ?」
「メガネ外すと可愛すぎるからね。
それは、俺だけが見ることにする。」
両手を少しずらして、一成を見る。
「可愛いって、私6歳も上なのに・・・。」
「昔から可愛かったよ?」
「そういうことは、事前に言ってよ・・・。
“お母さん”の話も・・・。
事前じゃなくても、経過報告とか・・・。」
「はい。」
一成が笑いながら、私が食べきれなかったご飯をペロリと食べてくれた。
「瑠美、今日お風呂一緒に入ろうよ。」
「いいけど、急にどうしたの?」
「やっぱりさ、メガネしてなくて、身体が濡れてる姿が1番綺麗なんだよね。」




