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そう思われるのも、仕方ないとは思う。
私がずっと生理不順だったことも、今もまだ不安が尽きないことも、知らないのだから。
「二十歳の男の子を、しかも将来有望な男の子を掴まえて、即妊娠とか上手くやったよね。
てか、妊娠早すぎない?
妊娠3ヶ月って、本当に一成君の子なの?」
「うん、中田部長の子で相違ない。」
「そっか、オバサン処女だったんだもんね?
処女だから避妊するの知らなかった系?」
「知ってたけど・・・。」
どう言ったらいいのか分からず、苦笑いしか出来ない。
早く帰りたいところだけど、ここで変に対応すると後で問題が大きくなるのも考えられる。
何事も、早め早めに対処するのが1番良い・・・。
どうしようかなと、悩んでいると・・・
「瑠美!!」
と、一成の声が私を呼んだ。
振り向くと、一成が嬉しそうに・・・でも心配そうな顔をしながら私の所に来た。
「瑠美のこと本社で見掛けたって、今ラーメンの人から聞いたんだよね!
体調、大丈夫?」
「うん、気持ち悪いけど・・・。
病気ではないって分かって、それもあるかも。
帰りは副社長の車って言ってくれたけど、電車で帰るよ。」
「ねぇ、一成君、本当にこんなオバサンでいいの?」
秘書課の若い女の子が、不満そうな顔と声で一成に聞いた。
一成は・・・なんというか、キョトンとした顔で女の子を見て・・・
「オバサンって?」
「この人、“伊藤”だっけ?」
「今日入籍したから、“中田”になってるよ?
婚姻届出した時に他の手続きもしてきたし。
あ・・・銀行とか、瑠美免許も持ってるからそういうのもあるか!
住所そろそろ変わるし、その時じゃダメなのかな?」
「・・・何が良かったの?
この人、何が良かったの?
6歳も上だしさ、顔だって・・・最近化粧して髪型も変えたから見れるようにはなったけど、言う程可愛いわけでもないし。
何がいいのか謎なんだけど。」
若い女の子が怒った顔で、私を睨み付ける。
それにはもう、本当に苦笑いしか出来なくて・・・。
どうしようかと、悩み続けていると・・・
一成の太い腕・・・
“KONDO”のウェアを腕捲りしている、太くてツルツルの腕が・・・
後ろから私のお腹に回り、優しく抱き締めた。
そして・・・
「瑠美以外に誰がいるのか知らないくらい、俺ずっと瑠美のこと好きだからな。」
そんなことをサラッと言って・・・
「ずっと好きだったから、俺。
小学校1年生の時からずっと好きなんだよね。
その時から、ずっと追い続けてるから。」
大きな手で私のお腹を、下腹部を優しく撫でる・・・。
「やっと、結婚できたんだ。
だから瑠美に・・・瑠美とお腹の子に酷いこと言わないでよ。」
優しく撫で続ける一成の手と、私の頭の後ろや背中に感じる、一成の大きな身体を感じながら・・・
目を閉じる・・・
「俺、やっと瑠美の“旦那さん”になれて、この子に“お父さん”にして貰えるんだから。」




