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次の日の月曜日・・・
「変だな・・・」
お昼休憩が終わる前のトイレで、思わず声が出た。
昨日なったと思った生理がなかなか出てこない。
昨日は少し出血しただけだし、今日も少しだけ・・・ほんの少し生理用品についていただけ。
「精神的なものかも・・・」
前回の婦人科でも言われていたし、精神的なことが要因かも。
不安なんだと思う・・・。
一成の最近の感じも、私が自力で生理を起こせるのかも・・・。
少し呼吸を整えてから、トイレの個室を出た。
そして、トイレを出た所で・・・
「瑠美さん、お疲れ様です!」
元気良く声を掛けられ、振り向くと・・・
「ラーメン・・・」
「つけるなら、もっとお洒落なあだ名にしてくださいよ。
それに名前も教えたじゃないですか。」
「・・・そうだった?」
「それはないでしょ~・・・」
ラーメンの男の子が嘆きながら、でも面白そうにしている。
廊下で立ち止まり2人で少し話していると・・・
ラーメンの男の子が、持っていたスマホを取り出し私に見せた。
「なんか、今日ならいけそうな気がする。
連絡先交換しましょうよ。
彼氏とうまくいってないですよね?」
「上手く・・・いってないの?」
驚き、ラーメンの男の子を見る。
そんな私に、ラーメンの男の子はまた面白そうに笑っていて・・・
「なんかボーッとしてるし、暗い雰囲気なんで。」
「うん、それは自分でも分かってる。」
「じゃあ、連絡先交換しましょうよ。
俺、結構経験豊富なんで話聞きますよ?
瑠美さんって、先輩達の話では最近までこんな感じじゃなかったらしいですね。」
「大人な感じにしてみたの、見た目だけでも。」
「彼氏の為ですか?」
そう聞かれ、少し悩む・・・。
「どうだろう・・・。
自分の為と思っていたけど、そう聞かれたら・・・そうなのかな。
少しでも“可愛い”と思われたかったのかな?」
“一成君”は、私のことを“可愛い”と言ってくれたことはなくて。
“一成君”の彼女は可愛い子だった。
凄い可愛い子で、こういう子が好きなんだって思いながら・・・“お母さん”の私は紹介を受けていた。
「“可愛い”って言って貰えたんですか?」
「うん・・・生まれて初めて、男の人・・・かな、男の人に言って貰えた。」
嬉しかった。
私は、嬉しかった・・・。
女として、私は嬉しかった・・・。
「瑠美さんの彼氏、どんな人なんですか?」
「え・・・知らないの?」
「知りませんけど・・・。社内の人?」
「・・・変だな。
結構知られてるのかと思ってたけど。
お付き合いを始めて、髪型とか変える前から社内でジロジロ見られてたの。
だから・・・結構知られてるのかと思ってた。」
「先輩達も盛り上がってましたね。
“あんな感じだったっけ?”とは聞こえましたけど。
でも彼氏の話は出てませんでしたよ?」
そんな不思議な話をされ、もっと分からなくなってしまう。
「社内の人なんですか。
誰ですか?俺、知ってるかな。」
「どうだろう、本社にいつもいないから。」
「じゃあ、店舗の人?」
そういう質問には、苦笑いで・・・。
一成にも迷惑掛けてしまうかもしれないし、知られていないならわざわざ教えることもない。
「そろそろ、お昼休憩終わるでしょ?
早く部署戻りなよ。」
「彼氏誰か教えてくれるまで戻りませんから。」
「じゃあ、私はお先に。」
「待ってよ。」
そう言って、ラーメンの男の子が私の腕を掴んだ。
その反動で、歩きだそうとしていた身体がグラつき・・・
いつもだったら何でもないようなことなのに、今日はなんだかボーッとしていて・・・
頭だけじゃなくて、身体も。
恐らく、ほとんど出ていないけど生理中も要因の1つだと思うけど・・・。
そんなことを考えながら・・・
でも、頭も身体も上手く反応出来なくて。
腕を引っ張られたまま、ラーメンの男の子の胸にぶつかりそうになった
ぶつかりそうになった・・・
その、瞬間・・・
太い腕が・・・
毛が1本も生えていない太い腕が・・・
私のお腹にソッと回り、後ろに引き寄せられた。
頭の後ろや背中に、大きな身体を感じながら・・・
匂いも・・・
匂いも、感じる。
塩素の匂いだった・・・。
最近よく嗅ぐシャンプーの匂いと一緒に、塩素の匂いも混じっていた。
驚き、その人を見上げると・・・
「一成・・・。」
一成が、いた。




