表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/76

3

そして月曜日、お昼休みから戻ると・・・




「瑠美たん、お疲れ!!」




「中田部長、お疲れ様です。

今日は本社ですか?」




「副社長と打ち合わせなんだよね。」





中田部長が・・・それはもう、甘い顔で笑いかけてくる。

それに苦笑いをしながら、チラチラと視線を感じるエレベーターの中、2人で並んで立っている。





「瑠美たん、今日定時?

ご飯食べに行こうよ!!」




「はい・・・中田部長、“瑠美たん”止めていただけますか?」




「じゃあ、瑠美?」




「それはそれで困ります。

“伊藤さん”で。」





そんな会話をしつつ、エレベーターを2人で降りる・・・





2人で、降りる・・・。





「副社長室、まだ上ですよね?」




「・・・やべっ!!!」





そんな中田部長に笑いながら、もう1つ大切なことを言っておく。





「中田部長、今日は月曜日なので23時までの勤務ですよね?」




「・・・そうだった!!」





凄く残念そうな顔をしているので、また笑った。





「行ってらっしゃい。」





それだけ言って、階段の方へ少しだけ背中を押した。











女子トイレの中・・・




「伊藤さん、一成君と仲良いの?」




個室から出たら、さっきのエレベーターに乗っていた女の人がいたので・・・聞かれると覚悟していた。




「そんなことはないはずなので・・・ちょっと、戸惑っています。」




「伊藤さんそういうの免疫なさそうよね。」




「ああいう時、どうすればいいですか?

見て分かる通り、私はそういう関係はサッパリでして・・・。」




別の部署だけど、美人な人で・・・。

秘書課で1番美人な人、仕事もよく出来る。

ここは素直に教えてもらうに限る。




「別に良いんじゃない?

伊藤さんが良いなと思えば付き合えば。」




「え!?そんな感じですか!?」




「他に何があるの?」




「中田部長は私が好きということではないかと・・・思っていて。」




「さっき、あんなに凄かったじゃない。

瑠美たんって何よ?」





それには、また苦笑い。





「1ヶ月くらい前から急にそう呼び出して・・・。

それまでは“伊藤さん”って呼んでいて、約1年半・・・。

なのに急に、なんのキッカケもなく・・・急にあんな感じになったんです。」




「一成君なりにキッカケがあったんじゃないの?」




秘書課の人が口紅をキレイに塗りながら言ってる。




「そうなんですかね・・・。

そう・・・なのかな~・・・。」




「新卒の女の子とか2年目3年目の女の子から凄い人気だから、早めに掴まえときなさいよ。」




「私がですか!?

そういう子達ではなく、私が!?」




「両思いだったら、そんなの関係ないわよ。」





秘書課の美人な女の人からの教えは、こんな内容だった・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ