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そんな言葉に笑いながら、開脚をしていた足をゆっくりと閉じ・・・真横に立っている人をゆっくりと見上げる・・・。




「一成・・・。」




一成が、いる。




一成が、いる。




競泳水着を着て、スイムキャップとゴーグルを付けた、一成が・・・いる。




少し呼吸を整えて・・・それどころか、何度も深く呼吸を整えたけど・・・




「瑠美・・・?」




一成が心配そうな声で私を呼ぶ。

でも、コンタクトをしているのに視界がぼやけて一成の顔は見えない・・・。




涙で、涙で、見えなくなっている・・・。




泣きながら立ち上がり、一成に向かい合う。




何度も涙を拭き、一成の姿をもう1度見る。







「格好良いね、一成・・・。

またこの姿が見られて、嬉しい。」






笑いながらそう伝えると、一成は困ったように・・・それでも嬉しそうな顔で私を見下ろしていた。







昨日、あの後に一成の水着やスイムキャップ、ゴーグルも買った。

一成が「死ぬ気で追い付く」と言いながら、覚悟を決めていたから。




でも、私の方が今は心配をしていて・・・。




「一成・・・ウォーキングレーンで一先ず一緒に歩こう?

泳いでる途中で出ると、水の中だし気付かないかもしれないから。」




「瑠美は泳いで来たら?

俺は様子見ながら歩いてみて、大丈夫そうで・・・泳げそうなら、そっち行くから。」




「・・・そう?大丈夫?」




「瑠美がいるから、大丈夫。

生きて“大人の男”になって、結婚したいけど。

もし、もし、死ぬなら・・・瑠美を見ながら死にたいから。」




「一成・・・。」




「俺は、瑠美のことが大好きだから。」




一成の甘く整った顔が、もっと甘くなる・・・。




それに、心が・・・戸惑う。

心が、戸惑う・・・。

一成にプロポーズをされた日から、私の心はずっと戸惑っている・・・。




「あと、1ヶ月ちょっと・・・念の為、付き合って?10月も下旬に入る。

12月3日まで、あと1ヶ月ちょっと。」




「こういうこと聞くの、アレだけど・・・。

生理いつ来ればいいの?」





一成にそう聞かれ、低用量ピルのシートを思い浮かべる。




「今月の月末、日曜日頃に来るはず。

でもこれは自力でのじゃなくて、ピルを1シート分・・・1ヶ月分飲み切って、飲まないことによって起こす生理なの。」




「自力のは、11月?」




「うん、11月の最後の週くらいに来ればいいけど・・・。

一成・・・今日一成がプールに来てくれたから、私もちゃんと話す。」




少し呼吸を整え、震える口を無理矢理開ける・・・




「大学2年生から、先生に何度かお願いをしてピルを止めてみてるの。

でも、今まで、止めてみてから・・・次の月の生理は、来たことがない。」




一成が驚きながら私を見下ろし、何度か口を開こうとして・・・何度も止めていた。

きっと、“結婚するつもりなかった?”と聞こうとしているのかもしれない。




でも、それを聞かないのは・・・

一成は知っているから。




微妙なニュアンスで喋ることもある私だけど、誰かを傷付けるようなことは絶対にしない。




それを、一成は知っている。




だって・・・




私と一成は・・・
















「俺が小学校1年生、瑠美が中学1年生の時から知ってる。

嘘とか、裏切るとか、瑠美は絶対にしない。

本当に頑張るつもりで、その覚悟で、期限を設けたんだよね?」

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