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私は、高校の水泳部で着ていた水着を着ている。

今では主流になっている、太もも部分がスパッツのようになっている物ではない。

もっと水の抵抗を減らす為、覆われている部分が多い水着でもない。




私が高校生の頃は、今みたいな水着がまだ主流ではなかった。

足やお尻は露出されている、一昔前のデザイン。

そんな水着を、着ている。




久しぶりに着た高校の時の水着で、一成の目の前に立つ。




「どう?」




「どうって・・・。」




「懐かしい?」




「うん・・・。」




「今日、これ着たまま・・・しようか?」




「マジで・・・?」




一成が驚いた顔で、さっきから興奮している顔をもっと興奮させた。




そんな一成に、伝える。




「カツカレー食べてからね?牛乳も。」




「死んだら、出来ないじゃん・・・。」




「死ぬ気で、今回は追い付いてきてよ。」




カツカレーと牛乳を並べたローテーブル、一成の向かい側に座り・・・言う。




「今回は、私も全力で泳ぐ。

追い付かれないように、全力で泳ぐから。

追い付いてみせてよ、一成。」




そう、伝えて・・・




少し呼吸を整え、




呼吸を整え、




震える口を、無理矢理にでも、開けた・・・。





















「私は・・・生理が、ちゃんと来ないの。

だから、ピルを処方されて飲んでる。

ピルを止めても、私は妊娠出来ない。

排卵も出来てないから。小学生高学年の時に始まったけど、中学生の頃はずっと不順で。

でも選手コースにいたから、そういう子ばっかりだった。

高校生の先輩達は生理も止まってる人までいたから・・・気にしてなかった。」




ジッと聞いている一成に、話し続ける。

口は、震えたままだけど・・・無理矢理動かし続ける・・・。




「高校に入ってから、選手コースを辞めて部活1本にして・・・それでも不順なままで。

でも、部活とはいえ週に1日の休みだったから、こんなものかなって。」




夏生さんにさっき言われた言葉を、思い出す・・・。

私の身体は、中学生や高校生の身体のまま、成長を止めている。

大人になることを、身体が拒否している。




でも・・・




でも・・・





「月曜日、秘書課で1番美人な人が言ってくれたの。

“メス”になったって。」




「“メス”・・・?」




「一成が、抱いてくれたからだと思う。

私は・・・“女”になる。

“大人の女”に、私はなる・・・。」





でも、そのためには・・・





もう1つ・・・






「だから、食べる・・・。

私は、ちゃんとご飯を食べる。

美味しいご飯を、いっぱい・・・。

私の身体を“大人の女”にさせる。」





そう伝え、手を合わせてからスプーンを手に取った。

そして、一口・・・カレーライス食べた。





「私は、先に泳ぐから。

“大人の女”になる為、全力で泳ぐから。」





カレーと一緒には食べられなかったトンカツを一口食べ、一成を見る・・・。





「追い付いてよ、一成。

いつもすぐに追い付いてたでしょ?

足の大きさも、手の大きさも、肩幅も、身長も、悔しいことに胸の大きさまで。」





「・・・胸っていうか、筋肉でっ」





そう言って・・・一成が、急に吹き出した。





一成が笑い始めたので、私も笑った。




「一成は、すぐに追い付くから。

いつだって、すぐに追い付いちゃう。

今回もきっとすぐだよ。」




「死ななきゃいいけど・・・。」




「死ぬ気で、追い付いてきて。

あと1ヶ月半しかないから、死ぬ気で追い付いてきて。」




不思議そうな顔で、一成が私を見る。




「2人とも“大人”になっていないと、結婚出来ないでしょ?」




そう言って、一成に笑い掛ける。




「ちゃんと、“大人”になってからにしないと。

年齢だけじゃなくて、身体も。

一成の身体も止まってるでしょ?

高校2年生の夏から、止まってるでしょ?」




「うん・・・。」




「死ぬ気で、追い付いてきて。」




「分かった・・・。」




一成が、震える手でスプーンを手に取った。




そして、カレーライスをスプーンですくい・・・一口、食べた。




「うま・・・っ」




それに笑っていると、一成はあっという間に食べ終わる勢いで食べ始めたので・・・

私も慌ててカツカレーを食べ始めた。

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