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2

一成は驚いた後、困ったように笑った。

それからゆっくりとリビングに入ってきて、ローテーブルに並んだカツカレーを見た。




「美味しそう・・・」




「食べようよ。」




「俺、まだ食べられない物沢山あって・・・」




「知ってる、今日お母さんから聞いてきたから。」




一成が珍しく苦笑いをして、私を見下ろす。




「新しい食材、何も食べられてなくて・・・。」




「うん。だから、食べよう。」




一成を見上げ、笑う。




「一緒に食べよう、一成。

私も食べるから、一緒に。

私も食べるから・・・カツカレーも、牛乳も。」




「瑠美も・・・?」




そう小さく呟いた後、一成はまたローテーブルを見た。

そこには、カツカレーと牛乳が並んでいる。

2人分、並んでいる。




「瑠美、カツカレー食べられないよね?

いつもカレー少し食べてるだけだったし。」




「一成、私・・・一成に話してないことがあるの。

一先ず、私の話を聞いて欲しい。

手、洗ってきて?」




洗面台までついていくと、案の定・・・一成が固まっている。

無添加の固形石鹸がないから。




「捨てたの。

無添加の固形石鹸も、シャンプーもトリートメントも。」




「俺・・・ダメだった?

男として、見られなかった・・・?

それで、今日わざと・・・カツカレー?

ここから、追い出すために・・・。」




「一成・・・」





一成が泣きながら、私を見た。





「まだ、1ヶ月半・・・ある。

それまで頑張るから・・・っ」




「うん、あと1ヶ月半。

念の為付き合うのに、付き合ってくれるんでしょ?」




「うん・・・。」




「申込みと承諾の意思表示が合致していれば、契約は成立してるから。

口約束をした場合でも、意思表示の合致があれば契約は有効に成立するの。」




「そう、なんだ・・・。」





一成の涙を、手で拭う。





「私の手も、泡ポンプのハンドソープで洗ってる。

何かあったら、すぐに救急車を呼ぶ。」





スマホを見せ一成に笑い掛けると、深呼吸を何回かしてから・・・ゆっくりと、少し震える手で・・・手を洗っていた。

泡ポンプのハンドソープで・・・手を、洗っていた。









カツカレーと牛乳が並べてあるローテーブルを前に、一成が無表情で座っている。




それを確認してから、私は洗面台に戻った。

扉のないレイアウトなので・・・

少しの脱衣スペースで部屋着を脱ぎ、下着も脱いだ・・・。




それから、手に持った物を見て・・・少し悩んだ。




「一成!中学の時の私と、高校生の時の私、どっちの方が好きだった?」




脱衣スペースから少し大きな声で、聞いてみた。




「どっちも・・・。」




そんな、返事が返って来て・・・。




それに笑いながら、仕方ないので自分で決めてから・・・着た。




着た・・・。




久しぶりに、着た・・・。




いつぶりか分からないくらい、久しぶりに着た・・・。




洗面台の鏡で自分の姿を確認してから、自分では苦笑いをした。




そして、ゆっくりと・・・




ゆっくりと・・・




ゆっくりと・・・




一成のいる、部屋へ・・・。




一成がチラッと私を見て・・・




見て・・・




驚き、目を見開いた・・・。




それは、驚くと思う。




だって、私は今水着だから。




私は今、水着を着ている。




それも最近主流の競泳用の水着では、ない。




昔の水着を着ている。




これは・・・




これは・・・




これ、は・・・

















「瑠美が・・・高校の水泳部で着てた、水着だね。」

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