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“一成君”の家から、一人暮らしの部屋・・・“一成”と一緒に暮らす家に帰って来た。
時計を見ると18時。
早退させてくれたので、いつもより早い帰宅だった。
スーパーで購入した大量の食材や調味料を冷蔵庫や棚に片付ける。
スーツを脱ぎ、部屋着に着替えると・・・
洗面所で手を洗った。
無添加の固形石鹸ではなく、来客用として準備していた泡ポンプのハンドソープで。
お風呂場にも入り、無添加のシャンプーとトリートメントを手に取り、中身を全て洗い場に流した。
そして、無添加の固形石鹸と一緒に、容器をゴミ箱に捨てた。
部屋着の上にエプロンをして、料理を作る。
料理を、作る・・・。
私は、料理を作る・・・。
簡単ではあるけど、美味しい料理を・・・。
簡単だけど、美味しい料理を・・・。
人生は続いていくから・・・。
死なない限り、人生は続いていくから・・・。
先に、進むことにする・・・。
先に、先に、私は、進む・・・。
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作り終わった後、ローテーブルに並べ・・・スマホのカメラで写真を撮った。
そして、登録していたアプリを消去する。
離乳食が始まった赤ちゃんが、新しい食材を食べた時に記録していくアプリ。
反応が出にくい物から試せるよう分類されていて、食材1つずつの詳細も書かれていて、素晴らしい現代の便利ツール。
そのアプリがスマホの画面から消えたことを確認した時・・・
玄関の扉が開いた・・・。
いつも元気な声で「ただいま」を言う一成が、今日は言わない。
少し困惑した顔で、玄関から私を見ている。
たぶん、マンションの廊下までキッチンの換気扇から匂いが漂っていたのかも。
他のお宅の時も、よく分かるから。
困惑している一成に、笑い掛ける。
そして、今日の夜ご飯のメニューを、念の為伝えた。
一成が昔から大好きなご飯。
私には食べられないような、一成が大好きだったご飯。
「今日の夜ご飯は、カツカレーだよ。」




