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お昼休憩の時間が終わり、法務部の部屋に戻る。
今日は時間ギリギリではなく、先に戻り仕事を始めている法務部長を見る・・・。
少し呼吸を整えてから、法務部長のデスクの前に立った。
「部長、お昼休憩が終わったばかりで申し訳ないのですが・・・少し、お時間いただけますか?」
部長が整った顔を少しだけ驚いたようにして、私を見上げた。
でも、すぐに何事もなかったかのように頷いてくれる。
そんないつもの部長の様子を嬉しく思いながら、部長に連れられ会議室に入った・・・。
「どうした?」
会議室に入り座るなり、部長がすぐに聞いてくる。
私がこんな感じで話し掛けたのは初めてなので、部長にしては珍しく前のめりになっている。
それに少し笑いながらも、また呼吸を整えてから・・・
震えてきた口を無理矢理、開く・・・
「念の為、お伝えしますが・・・お付き合いすることになった方がいます。」
「・・・それは、おめでとう。
報告するってことは、社内か。
伊藤らしいな。」
「はい・・・。
これから先どうなるか分からないのですが、念の為・・・。」
「相手は聞いていいのか?」
そう聞いてくれ、まだ震え続けている口を、また無理矢理でも開く・・・
「サポート支援部の部長、中田部長です。」
部長は・・・
驚いた顔をしている・・・。
そして・・・
「そうきたか・・・。」
「はい・・・。」
「そうきたか・・・。」
「2回目ですね。」
「的確な指摘をどうも。
俺は、伊藤ほど社員の情報を把握出来てないが・・・。
付き合ったということは、法的には問題ないという認識で、相違はないか?」
それは、一成に聞かれた時にも頭の中で確認していた。
なので、大きく頷く。
「相違ありません。」
それに部長も安心した顔をして、頷いた。
「そうか。それなら、おめでとう。」
「ありがとうございます・・・。」
「伊藤から頑張ったのか、珍しいな。」
「そう、思われますよね・・・?
1ヶ月くらい前から、急に中田部長からで・・・。
何が起きたのか、私にはサッパリでして。」
今日、部長はよく驚く日になってしまい、また驚いた顔をしていて・・・。
「まあ、うん・・・結果的に、良かったな。」
「そうですかね・・・。」
「何だよ、嬉しくねーのか?」
「私、変じゃないですか・・・?」
部長を真剣な顔で見る。
この質問をした私を、部長も真剣な顔で見てくる・・・。
そして、珍しく笑ってくれた。
「伊藤が変だとしたら俺も変だから、大丈夫だろ。」
「それ、全然大丈夫じゃないですよね?」
この会社の人事部、新卒の女の子が入社をしてすぐに結婚をした部長に言った。




