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封鎖特区
日本の中心の一つだった■■■は、今や神聖国による支配の象徴として“封鎖区”へと変貌していた。
歴史ある赤レンガは、紅蓮の紋章に焼き染められたかのようにゆがみ、内部へ足を踏み入れた瞬間――
そこはもう、誰も知る地ではなかった。
通路は変じ、階段は無限に折り返し、ホームは複製された異界の空間として無数に並ぶ。
現実を模しながら現実を裏切るその構造は、まさしく神聖国式の“ダンジョン化都市”。
目的はただ一つ。
捕らえた日本人を祈りの供物として上層へ運ぶ、収奪ルートの中枢である。
――まるで、祈りの工場だ。
魂を削り、祈りを搾り取り、バベルへと捧げるための。




