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戦いの奥
地を進む。
●の領域だった。
全身を覆う凶の気配。
圧倒的なプレッシャー。
まさに異界のダンジョン。
驚愕すべきはこの空間は異界ではない。
だがそれでいて異界じみたプレッシャーを放っている。
それを成しているのが、この奥にいる存在だ。
……いる。
感じる、理解できる。
この先にいる存在を。
この空間を一人で超常の領域に変質させる。
それはまるで核が大気を壊し、別の空間に作り替えるが如き
不吉さを伴う者だった
(……)
あるく。この先へ待つ者とあうために