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上にたつべき王がリスクをとり前線に立つ。その姿は末端の兵士を否応にも ふるいたたせ、勇を示す。 この蒼生軍はその極地だった。 つまり軍主が超ド級のやべぇやつ。
「あれが……」
「蒼生大和……」
弾圧されし者はあおぎみた。
それは”蒼”。
通常の、本来の”蒼”ではない。
その蒼は深き海の青だった。
だがそれが”彼”の蒼なのだ。
鮮烈な蒼、もう大丈夫だと味方に伝える蒼であり、俺はここだと敵に示す蒼だった。
本質としてのワンマンアーミー。
軍主にあるまじきスタンドプレー、一人軍隊。
ゆえに、蒼生大和の軍は勇壮だった。
古今東西、和洋折衷問わず、王が戦場に出ると士気があがるのが軍というものだ。
それは単純な論理だった。上にたつべき王がリスクをとり前線に立つ。その姿は末端の兵士を否応にも
ふるいたたせ、勇を示す。
この蒼生軍はその極地だった。
つまり軍主が超ド級のやべぇやつ。