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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鬼子懐生

作者: sin0000

私が投稿する初めての作品です。荒削りではありますがどうか楽しんでいただけると幸いです。

名前 柊月(ひいらぎつき)

1日目

今日から日記を書いてみることにした。


誰に見せる訳でもないが自己紹介を書とこう。


私は柊月、とある村で忌み子と称され両親に自宅の2階で監禁されている。


こんなところでは何もすることがなかったためちょうどいい暇つぶしに日記を書こうと思いついた。


いつかは外に出てみるのが私の夢だ。


2日目

今日は雨のようだ。


窓にある鉄格子の隙間から雨粒がよく見える。


私がここで、できることは 両親が持ってくる食事を食べることか寝ることか少しの情けでおかれた本を読むことのみだ。


外ではどんなことが起きているのかとても気になる。


ここにある本は読み飽きた。


外の世界ではどのような物語があるのだろうか?


3日目

弟が帰ってきた。弟は私の事をとても嫌っている


私が忌み子と呼ばれるせいで村に住めなくなり辺境に飛ばされてしまったからである。


好きで忌み子として生まれた訳では無いのに…。


弟が二階へ上がって来る音がする。


また何度も殴られるのだろうか?学校での憂さ晴らしを私でしないで欲しい。


4日目

身体中が痛い。


昨日は結局散々殴られた。


私がなにか悪いことをしたのか?なぜ殴られねばならない。


5日目

痛みが徐々に引いてきた。だが運が悪いのだろうか…。


今日は母の機嫌が悪いようだ。


お腹が空いたが今日のご飯は期待できないだろう。


それだけならまだマシだ。


もしふろ場に連れてかれたら洗面器に顔を突っ込まれる。


噂をしていたら母が階段を上がって来る音が聞こえる。


生きていればいいなぁ。


6日目

何とか生きているようだ。また目が覚めたらベットの上にいた。


呼吸がしずらい、首でもしめられたのだろうか?昨日の記憶が無い。


今は生きている事に感謝をしておこう。


次があるか分からないから。


7日目

今日もご飯は無いようだ。


そろそろお腹が限界だ。


何か食べれるものが欲しい。


それに体調があまり良くない。


どうやら風邪を引いたようだ。


少し横になって休憩しよう。


明日には良くなっていればいいなぁ。


8日目

風邪が酷くなった。歩くのですらとても辛い、かろうじてご飯は食べることが出来たが意識が朦朧としている。


それに時々呼吸の仕方を忘れてとても苦しくなる。


取り敢えず寝よう。


9日目

父が鉄格子を直しに階段を上がってきた。鉄格子が外れかかっていたからだ。


それよりも目に引いたのが父が肩からかけていた猟銃だ、父が何処から肉を手に入れていたのか気になってはいたが納得がいった。


体の調子も良くなり色々落ち着いて考えてみる事にしよう。


幸い考える時間はまだあるようだ。


10日目

何かよく分からないものが見える。


精神的な疲れだろうか?認識することが出来ずこれといった表現ができない形状しがたいものだ。


何かは分からないがとても恐ろしいのは理解出来る。


寝ようそれしか解決方法が見つからない。


11日目

以前よく分からないものは見えたままだ。


何時になったら消えるのだろうか?更に最近では変な夢を見るようになった、あのよく分からないものがずっとこっちを見つめてくるという夢だ。


そのせいかとても寝つきが悪い。


寝ることが1番の休息なのにそれさえも出来なくなるのはとても辛い。


12日目

よく分からないもの以外に変な音が聞こえるようになった。


喋りかけてくるような声から叫んでいる声、更には母や弟の恨みつらみが延々と聞こえてくる。


このままでは頭がどうにかなってしまいそうだ。


とても辛い。


13日目

症状は全く治らない。


夢も同じものばかりだ。


精神的にとても疲れてきた。食事も喉を通ってくれない。


更には寝ることすら苦痛となってきた。この症状の思い当たる節はどう考えてもこの場所に監禁され暴力や恨みを言われ続けたからだろう。


どうにかこの場所から逃げ出さなければ……


14日目


コウモリが鉄格子の間を縫って入ってきた。こちらを見ているようだ。


コウモリはとても自由だなと思った。


翼があって何処へでも飛んでいけてしまう。


私は自由にできるものなんて無いのに…。

コウモリはどうしてそんなに自由なものが多いのだろう。


羨ましい。


君の自由を私にくれないだろうか?コウモリ、君もここで私と居よう。


15日目

命を自由にできるという感覚を初めて味わった。自由にできるというのはとても素晴らしいものだなとしみじみ感じた。


コウモリには悪いと思ったが命を奪ったその瞬間だけ幻覚や幻聴が一切無くなった。


その感覚が忘れられない。


命を奪うことは、自由を奪うということだ。


散々奪われてきたんだ。


少しぐらい私が奪ってもいいだろう。


16日目

最近誰かがご飯を持ってくる時にドアの鍵を閉め忘れることが多くなってきたようだ。


少し様子を見てみよう。


このまま監禁されて生きていくのは苦しい。


あのコウモリのように外に自由に出て走ったり歩いたりして見たい。


そしてまたコウモリの命を奪った時の感覚を味わいたい。


自由になりたい。


17日目

最近自由に対しての渇望が強くなってきた。逃げようなんて考え遥昔に消え去ったと思ったが、まだ希望を失っていなかったようだ。


これから少しでもいい父と母と弟の行動パターンをなるべく理解しよう。


そして逃げる。


37日目

父は扉の音を聞く限り朝の9時から午後4時までは家にいないようだ。


弟は朝6時から夜の6時までいないみたいだ。


母は平日ほとんど家にいるが水曜の10時から11時だけ少し外に行ってるみたいだ。


外に出るならこのタイミングだな。


38日目

最近鍵を閉め忘れることがかなり多くなってきた。


なんならほとんど空きっぱなしという状況だ。


これはチャンスなんじゃないか?いやもう少し待とう万全を期すために天候が雨でないと…わかってから少しでも捜索しずらくする為に…。


50日目

今日が絶好のチャンスだと思った。


外は雨が降っていて、水曜日の家に誰もいない時間。


そして部屋の扉のドアは鍵が開いていて、外に出られる状況。


絶好のチャンスだと思っていた。


だが絶好のチャンスなんかではなかった。


両親は最近私が脱出を考えているのではないかと勘ぐっていたようだった。


下の階におりて玄関を探していたところ扉が急に開き父と母がそこに立っていた。


そこでパニックになってしまった私は机に置いてあった父の猟銃が目に入った。


考える間もなくそれを手に取り父と母を打った。


あの感覚だ。


命を奪ったあの感覚。


この感覚に私は震えた。


もう自由なんだと思った。


だからもう1人だけ奪ってやろうと思った。


父と母と共に私から自由を奪った人間。今度は私が奪う番だ。

_____________________________________________


…………………日記を書いた私はこれを最後の日記としそこにおいて。


弟を待った。


それほど長く待った感覚はなかったが、既に弟が

帰ってくる時間だった。


そうすると玄関の扉が開き弟が入ってきた。


弟は血まみれの私と父と母の死体を見た瞬間驚いた顔をして腰を抜かしてその場に尻もちを着いた。


その瞬間私は直ぐに引き金を引き頭を打った。

直撃だった。


たまはしっかり弟の眉間を捉え貫通した。


その瞬間私には2つの衝撃が走った。


ひとつはこれで自由だという衝撃。


もう1つは家族全員の命を奪ったことで正気に戻ったような感覚の衝撃だった。


その瞬間とてつもない罪悪感に飲まれ私は家を飛び出しどこへ向かうでなく走り出した。


………………数時間いや数十分と経ってないかもしれない、だが走り続けた結果ひとつの建物が見えた。


大きな廃墟だ。


元々学校だったのではないかという作りの廃墟に着いた。


取り敢えずここで休憩しようと思った。


廃墟に入ると当たり前だが誰もおらず、とても静かだった。


1度今日起こった事を整理しよう、と考えた。


まず家族を殺してしまった。


これはいくら正気でなかったとは、いえ抗うことの出来ない現実だ。


そう改めて理解するとどうしようもない罪悪感に飲まれこの手で殺した家族に足を引きずり込まれてるかのような感覚に陥った。


このままではいけない、と気分転換に廃墟を探索してみることにした。


廃墟内は落書きが多くよく分からない文字も多かった。


ものもあまり残っていなかったためここで生活するのは苦しいかもなと思った。


そんなことを思いつつ歩いているとひとつの広間に繋がった。


そこには広い割にものが少なく真ん中に大きなフックが1つ、ついてるだけだった。


そのフックに近づいてみると近くにロープがついていた。


私にその瞬間自分の手で殺してしまった家族の声が聞こえた。


そして私はフックにロープを通し、結んでそのまま近くにあった椅子を使って、ロープを首に通し首を吊って


自殺した。


………年月が経ち

「こちらの廃墟では昔とある少女が監禁されていて、その少女が父親の持っていた猟銃を使い家族全員を撃ち殺してしまったという、場所なんですよねぇー」


「でその後少女は走って逃げてこの後行く、心霊スポットにて自殺してしまったという話だそうです。」


END

拙く荒削りではありますが最後までお読みいただきありがとうございます。もし気に入って頂けたのならとても嬉しい限りです。またどこかでお会いしましょう。

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