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聖夜の贈り物  作者: 辻 褄
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殺人予告

早朝、東京都新宿のとあるデパートにて

「店長、今朝こんなメールが届いたんですが…」

「どれ見せてみろ」

 ノートパソコンを店長に向ける

「このメールなんですが、これって殺人予告じゃないんですか?」

 店長は険しい顔で言う。

「そうだな。一旦、警察に言おう。」

 数時間後、中村と名乗る警察が来た。

 格好は警察の制服ではなく私服で

 いかにも怪しい人の格好だった。


「えっと、これを見てほしいんですが。」

「はい?」

 中村さんはニヤリと笑った。

「このメールなんですが、これって殺人予告

 じゃないんですか?」

「そうですね。でも、殺人予告ではなく脅迫文

 ですね。この場合犯人を特定してから逮捕に至るので結構時間が掛かりますが大丈夫でしょうか?」

「はい。仕事に支障をきたさないなら大丈夫です。」

 急に中村さんの携帯から電話か鳴る。

「もしもし、中村ですが…」

「中村君か、別のデパートにツリーの下に殺人予告の

 封筒が置かれていた。至急向かえ。」

「分かりました。至急、向かいます。」

 困惑した顔でこちら見る。

「すみません、別のデパートにも殺人予告が

 置かれていたみたいで至急向かわないと行けないのでそのノートパソコンだけ持って行っていいでしょうか?」

「はい。」

 中村さんはノートパソコンを脇に挟み、

 走っていってしまった。


「よし、着いた。これが殺人予告が

 あったデパートかぁ。時間掛かりそうだな。」

 ため息を吸い、息を吐きデパートに入る。

 デパートに入ると目の前には例のツリーがあった。

 客たちは騒然としていた。

「あの、すみません。ここに置いてあった、

 殺人予告の封筒とはどんな奴なんでしょうか。」

 発見者らしき人に声を掛け問いかける。

「これです。中には青字で文字が

 書かれていました。」

「そうなんですか。少し拝見させて頂きます。」

 その内容がこれだ。

『12月22日の夜、このツリーに時限爆弾を

 仕掛ける。それが爆発した後仮面を被った男達が

 デパート内で暴れます。そしてこの場所が血まみれになり床には頭や胴体が転がっているでしょう。

 SAF22より』


「今日じゃないか。SAF22という人物を誰だか

 特定し、逮捕をすれば誰も死なない。だが、

 逮捕が出来なかったら死ぬという事か。」

「そうなりますね。一旦、デパートの管理者に

 報告してきます。」

「分かりました。」

 深々と礼をしてデパートの人は去っていった。


 背後から気配を感じ振り向いて見ると、

 そこには"尾崎士草"が居た。

「あっ、先輩。結構厄介な事に巻き込まれましたね。

 爆発まで残り6時間。その間に逮捕と解除をしないといけない。そんな大変な事を一人でやろうとしているんですか?私が手伝いますよ。」

「ありがとう。少し手伝ってくれないか?」

「いいですよ。その代わり、人を殺すのではなく

 人を救ってくださいねぇ。中村さん。」

 尾崎は私の肩を叩き、微笑んでいた。

「な、何故それを…」

「いやぁ、冗談で言ったのですが、何かありそうですね。」

 皮肉を言う、言い方で私を睨みつけた。

「と、取り敢えず、ノートパソコンで犯人を特定してほしい…」

「話を逸らさないで下さいよ。中村さん。」

「何も無いよ。本当に…さっきの反応は冗談だよ。」

「そうなんですか。中村さんが人を

 殺す訳無いですぅよねぇ。」

 何故か、尾崎が悪魔の様に思えた瞬間だった。

「そうだよ。私が人を殺す訳無いよ。」

「ですよね。じゃあそのノートパソコンを

 貸して下さい。僕が犯人を特定しますから、

 中村さんは爆弾解除して下さい。」

「わかった。」

 それぞれの作業をする為バラバラになった。


「はぁ。また爆弾解除かぁ。」

 ため息を吐いた後、話を聞いていたかのように

 デパートの人がハシゴを持って来てくれた。

 ハシゴを使いツリーの上を

 見ると3個の爆弾があった。そして、2個の爆弾の

 側にサイコロが置いてあった。

 そのサイコロは4の目を向いていた。

「4って不吉な数字として有名だよな。

 犯人はこれ以外、何か起こそうとしてるのか…」


 ハシゴに乗りながら作業してるからか、

 ぐらついて来た。

「おーい。○○さんー、ちゃんと支えててください。」

 返事が返って来なかった。

 下を見ると支えてる人は居なかった。

「おい、尾崎。○○さんは?」

「知らないです。ハシゴを支えているんじゃないすか?」

「それが居ねぇから電話してんだよ。」

「はい。すみません。でも、僕は今そこから10分ぐらいの所に居るので、すぐには迎えません。」

「そうか。じゃあ、自分でなんとかするよ。」

 ブチという音を立て、尾崎に切られた。

 携帯をしまおうとポケットに手を入れた。

 しかし、ポケットから携帯が落ちてしまい、

 それをなんとか、取ろうとしたら

 ハシゴと一緒に倒れた。




 それはまた次の話で。

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