終了の合図
「まさか、爆弾がまだあったのか…」
ニュースを見ると家が欠けていた。
家が燃えた件数が9件、死者が27人だった。
近くで見ていた人によると、
「子供の頭部がね、家に飛んできて窓ガラスが割れたんだよ。その頭部がガラス刺さってて顔面がグチャグチャになってたんだよ。怖かったよ。」
家に訪問しようとした人によると、
「結構、胴体がバラバラになっていて、
その胴体から腸が爛れ出てたんです。
手足が自分の方に飛んできて、落ちたのを見ると
皮が燃えて、肉が見えていました。」
それを聞いた時、吐き気がした。
「警察によると犯人は三田義満容疑者だと特定して
いますが、容疑者は既に亡くなっていて逮捕は
出来ないと証言しています。」
それを聞いた時、自分は安心した。
冤罪で捕まるのではないかと思っていたから。
「良かった。しかし、今日はトラックで眠る事に
なりそうだなぁ。」
本を読み、最後のページに辿りつく前に
寝落ちしてしまった。
朝、起きると隣には警察の車が止まっていた。
警察の人が降りて来て、自分のトラックの窓を
軽く叩いたので、窓を開けた。
「はい?」
「警察署の者ですが、少し降りて話してほしいのですが…三田容疑者と爆発について。」
あ、その事かと心の中で思う。
ドアを強く閉じてトラックから出た。
「三田容疑者について知ってる事は?」
「昨日、発注してほしいと頼まれてトラックで配達をしていたんですが、途中でピーピーっていう音が鳴って、中村さんに助けてもらいました。後で、三田氏が爆弾の犯人だと知りました。」
「分かりました。三田容疑者が作った爆弾は何個あるか知っていますか?」
「4個と自分に付けた1個じゃないんですか?」
「あっ、三浦さんでしたっけ?」
「はい。」
「三田容疑者の最後の言葉は聞きましたか?」
「いや、何も答えなかったって聞いてますが…」
「そうですか…本当は中村が解除した爆弾以外も
爆弾が9個あると答えたそうです。」
「知らなかったです…]
「ですよね。中村と話していた佐治さんの部下の尾崎と言っていた男は覚えていますか?」
「はい。」
「佐治さんには部下が中村と中村の後輩しか居なかったんですよ。だから尾崎という男は貴方を冤罪死刑させたかったんだと思います。」
身体が震えた。そんな恐ろしい事を…
「尾崎は三田と手を組んでいたのでしょう。いきなり来てすみません。三田と爆発について知りたかったので。何かあったら電話をしてください。それでは…」
警察の人は手を振って警察車に戻り、
車を走らせ行ってしまった
「冤罪死刑かぁ。怖いな。」
中村さんは本当に味方なんだろうか…
「中村さんは味方だったんだろうか。」
ため息をつき、車に戻ろうとドアに手を当てた瞬間
何者かに背後を刺された感覚があった。
無理やり背後を向くとそこには、中村さんらしき顔が目の前にあった。
「何を…しているんですか…?中村さん…」
中村さんはニヤけながら私に答えた。
「三浦さん。貴方に利用価値が無くなったので殺害をしようと考えただけです。」
まるでロボットのように答える中村さんは
警察が表に出す顔ではなかった。
「痛ぃ…」
刺された刃物が体内の奥に入り、
身体が震え始め、血も吹き出し始める。
中村は私を押し倒し腹を複数回蹴られる。
蹴られた事によって、息を出しづらくなる。
「えーと。先程、貴方に関わった警察はもう息はないです。あと村の人達居たじゃないですか。」
「さっきの警察の人を殺したんですか?
あっ、いましたね。それがどうしたんですか?」
私は苦しみながら話す。
「村の人達は貴方が立ち去った後、
私の手で死んでいきました。という事で私は
三田義満より殺人者という事になりますね。」
「貴方は何者何でぇすかぁ?」
「何者?反社会的な警察ですかね。私に出会ってしまった人はこの手の中で死んでいく。所詮、市民とは警察や国家に支配されて生きていく分際何ですよ。だから貴方も死んでください。」
中村は笑顔を乱さずに私の腹部を複数回蹴り、
私は息を出す事が困難になる。
首に手を当て、胸ポケットからカッターナイフを取り出し私の首に押し付ける。
「痛ぁぁぁぁい。やぁめてぐぁざい」
息を出す事が困難なのに加え、カッターナイフを首に押し付けられているせいで変声が出る。
「何ですかその変声は?まぁいいや。結局死ぬんだからぁぁ。」
急に無表情になって、私の腹部や顔面を
カッターナイフで滅多刺しにされ私は中村の無表情な顔を最後に息を引き取った。
「や、やっと死んだ。はっははは、私が"サンタさん"にふさわしいんだ。てか、この死体をどう処理しよう。」
私は辻岡宅急便の段ボールを利用して
死体を詰め込めば良いと考えた。
私はその場に座り、警察車から電動ノコギリを取り出し、胴体を切断し始める。
左腕と右腕を細長い箱に、
左脚と右脚を大きな箱に、
胴体と頭部は通常の箱に、
入れて作業が終わる。
配達員の格好に変装し、
配達リスト順に胴体が入った箱を渡していき
帰り際に聞こえる悲鳴と嘔吐した音が快感だった。
「やっと配達が終わった。」
安心してトラックに乗り込む、
するとタイミング良く上司から電話が来た。
「もしもし、中村ですが。」
「あっ、中村君?今から東京都のあるデパートに
向かってほしいのだが良いか?」
「はい!もちろんです。」
ニヤけながら、答えた。
序章·完