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第1章21『後悔』
俺が、その答えを導き出してしまった時から、実に5年という月日が経っていた。
俺は、その選択を悔いた事は、一度もない。
俺が、その選択をし、どれほど助かったか――――それは俺にしかわからない。
後悔というものは、ただ自分だけを責め続ける。
自分だけを責め続ける―――これを口にするのは、たやすいが、これは想像以上に過酷なものだ。
誰にも愚痴をこぼさず、誰にも怒らず、ただ自分にだけ怒り、責める。
まだ幼かった俺は、後悔に押しつぶされそうになり、俺を、引き取ってくれた叔母さんの家で毎日毎日赤子のように泣き喚いた。
最初は親切で優しかった叔母さん一家も、日に日に待遇は悪くなり、すっかり俺の居場所はなくなった。
そうなるのも当たり前だと、俺は思う。
毎日毎日、泣き散らし、家族同然の扱いを受け、叔母さんたちの好意も俺はすべて遮断した。
今、思い出すと『なぜ?あの時こうしなかったか?』という、自責の念に駆られる。
その待遇は、小学校を卒業しても、変わることはなかった。




