第1章1『神は、不敵に笑う』
気付くと俺は、その場で突っ立って体中から汗を吹き出していた。まるで、天敵である猫に睨み付けられ怯えている鼠のように。 これですべて思い出した。俺はここへ来る前けがをした猫を見つけ、追いかけていると後ろから何者かに刺されたのだ。俺はこれまでに起こったことを、理解した後も震えと汗が止まらなかった。 だが神は、俺の姿を見てかは分からないが不敵に笑った。「なんだ神さんよぉ、そんなに面白いか人が死ぬ様見てぇ?」俺は怒りじみた声で言った。 「ん?いやお前をぶっ刺した奴俺の部下だから」俺は激しく動揺した。だが考えると同時に体が動いていた。「んだとてめーぶっ殺してやる!」俺は神に殴りかかっていた。だが俺の怒りのこもった拳はあっさりと神に止められた。「まあそう怒るな。話を聞け」俺は興味深そうに問う。「なんだ話って?」俺は怒りや恐怖などを全て忘れて夢中になって話を聞いた。 「つまり、俺はあんたらの事情のせいで殺されたのか」「まあそうだな」「で、何なんだ事情って」俺がそっけない態度で聞くと。神が「忘れていた」とばかりに「ああそうだった、ここからが本題だ。お前異世界に行きたくないか?」俺は即答する。「詳しく」




