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異世界に魔王はいない  作者: 滝沢良也
『些細な願い』
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第1章15『天使説明会』

 「いやいや、は?じゃないですよ。自称神の堕天使さん」

 なんか腹立つな。自称神の堕天使って連呼されると。こんな事を考えていると、お姉さんの言葉に、おっさんが答える。

 「いやいや何も俺は、聞かされてないっすよ。神の理とやらを」

 あれー。お姉さんの言葉は、すげえ信憑性あんのに、おっさんの言ってることは、全く信じられない。

 と、思っているとお姉さんは、呆れたような声を出して反論する。

 「はぁ。自称神の堕天使さん覚えていないのですか?あなた方が、天使になるとき、天使説明会というもので、天空法律を叩き込まれたじゃないですか」

 うんやっぱり、自称神の堕天使って言われるとなんか無償に腹立つな。あとでそこんとこ言っておこう。それはさておき、このおっさんの反応は、どうだろう。

 見てみると青ざめた顔で、汗を吹き出し、ガクガク震えている。そこにお姉さんが、追い打ちをかける。

 「まさかとは思いますが、天使説明会の時、自称神の堕天使さんは、聞いてなかったのですか?」と、お姉さんは、おっさんの顔を覗くと、顔を気まずそうに、そむけた。

 この展開は初めてだな、なんて言うしょうもないことを考えながら俺は一言。

 「「おい」」

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