創世記
ちょっと息抜きにファンタジーな戦争ものを書いてみようかと。
ちなみに魔法とか浮遊都市とか浮遊大陸とかは無いです。
ファンタジー要素は背中に翼を持つ人種、翼人が登場する事だけです。
魔法より火砲で戦争しようぜ!
遥か昔、その遥か昔、天上の神が一の大陸に二つの命を創造しました。
一つの命は、1対の腕と1対の脚を与えられました。
一つの命は、1対の腕と1対の脚、そして1対の翼を与えられました。
翼を持たない命は、いつも天を翔ける命を見上げています。
翼を持つ命は、いつも地を駆ける命を見下ろしています。
それでも二つの命は、仲睦まじく愛と友情を育んでいました。
しかしある夜、二つの命が眠りに就いている暗闇の中、突如として地を裂くような轟音が響き渡りました。
いいえ、大地は今まさに切り裂けようとしているのです。
そして夜明け、一つの広大だった大陸は二つの大陸に裂かれ、もう互いが海の彼方へと離れ離れとなってしまいました。
それぞれの大陸に取り残された命は、広大な海によって分断されてしまったのです。
翼を持たない命は、翼を持つ命と再会すべく舟を作って海へと飛び出しました。
しかし、海を分かつ渦に舟は飲まれ、辿り着く事は叶いませんでした。
翼を持つ命は、翼を持たない命と再会すべくその翼で空へと飛び出しました。
しかし、翼で飛べる距離は短すぎて、辿り着く事は叶いませんでした。
翼を持たない命は、いつも天を見上げています。
翼を持つ命は、いつも地を見下ろしています。