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アフターウォー  作者: IF太郎
8/21

七話 「戦争の代償」

今回も戦闘シーンがありません。スンマセン


 「来たよ」


 「遅かったね」


 湖の片隅にいた少女にまた会いに行ったミクリ。

 少女は昨日と同じ姿だった。


 「なんで今日じゃないといけないの?」


 「おしえられな~い」


 焦らす少女。待ちぼうけになるのかと思っていた。


 「私ね、あなたとお話ししたかったの」


 「じゃあ普通に話せば・・・」


 「だめなの」


 「?」


 訳がわからない。理不尽にはなれているが、ここまで秘密秘密だと意味が読めない。


 「私もうここにいられないの。だから最後にあなたと遊びたかった」


 「いられないって、どういうこと?」


 「いいからさ、遊ぼうよ」


 少女に手を引かれて森に入って行った。

 入ったことが無かった森林は、ミクリの目を彩った。


 少女が連れてきた空間は、様々な花や鳥、生き物がいる不思議なところだった。


 「うわぁぁ・・・」


 「すごいでしょ?」


 「うん・・・」


 すこし怖かった想いもあったがすぐに消え去った。今自分が居る空間が別世界のように感じられた。


 それからは色んな所に行ったり、彼女の作ったもので遊んだりと、楽しく愉快な時間が流れた。

 気づけばミクリは毎日のようにそこを訪れていた。


――――――――――――――――――――――――――


 「最近ミクリ君、森の奥に行っているみたいね」


 「いいんじゃないの、あいつだってまだ子どもなんだから」


 「危なくないかしら」


 「安全だって言ったのおまえだろ」


 ガウェインは今日までの情報を見返していた。しかしある記事を見た時、飲んでいたコーヒーの手が止まった。


 「おい、ちょっとこれ見てくれ」


 「なに?なんの話が載ってるの?・・・・・これは!?」


 「ああ、まずいな」


 その内容は「黒いマシンの被害内容」と書かれていた。それはどれもひどい物で


 「近いうちにこいつとも対面するかもな」


 「ええ、残念だけれど」


 その黒い機体には見覚えがあった。黒と赤の機体になびくマント、右手に構える大きな鎌、そしてなにより。


 「この顔は忘れられないわ」


 マシンの顔が動物の骨の様な形をしていたのだ。

 牛か羊か、なにかの宗教に関わるのかは分からない。が、その顔から伝わってくるのは、死神、悪魔、魔王。そう言ったものが分かる、憎たらしい機体だった。


 「アルデバラン・・・強欲の使者」


 詳細には載っていない名前。それがこの機体の名前のようだった。


―――――――――――――――――――――――


 ジャズが鳴っている、レトロな風景で、カジノの様な雰囲気を味あわせる。

 バーの席に一人の男が座っている。


 「やあ、やはり来たね」


 ジョニー・エイモンド将軍が座っている。グラスに酒を注いでちょびちょび飲んでいるようだ。


 「ええ、ここは私たちだけの場所ですから」


 「ここでは元の言い方でいいですよ。『先輩』」


 「そう言われると腰が抜けそうだな『ジョニー』」


 立場が逆になっている。しかしこれが正解のようだ。


 「まさか後輩に階級を抜かれるなんてな」


 「先輩だって立派に艦長やってるじゃないですか」


 もともと同じ隊にいた二人。しかしアフターウォーの前章「ヴィスタント戦役」で、ジョニーは初めて司令官を務めた。そのときの指揮下にオルガスが乗っている艦があったのだ。実質二人とも司令官を務めたことがあるが、戦役以来、大きな階級変更がされてこなかった。


 「お前は言ったはずだ。俺がエンタープライズに居た時から『俺は変わってない』って。お前も同じで変わってない」


 「ええ、これが世界が私たちに植え付けた代償ならば受け入れます」


 彼らの話は夜まで続いた。同時に酒も進んだ。


 

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