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アフターウォー  作者: IF太郎
7/21

六話 「地面の下のパラダイス」

お粗末ながら、最後にちょびっと戦闘シーンを入れました。


 「失礼します」


 艦長のオルガス・バルトークが部屋に入る。


 「おお君か。お疲れだったね。例の機体も受け取ったらしいな」


 「はい、まだ使いこなせてはいないですが」


 「まあよい。君たちはゆっくり休みたまえ。話はそれからだからな」


 上官の「ジョニー・エイモンド」将軍だ。ここの司令官でもある。そして国連を支える人物の一人だ。

 彼は何か手の上でカラフルな物で遊んでいた。


 「司令、それはなんですか?」


 オルガスが尋ねる。見たことのないものだった。


 「ルービックキューヴと言うらしい。保管庫にあった資料をもとに作ってみたんだがな。なかなかどうして面白くてな」


 ブロック状のピースを回して遊ぶようだ。それぞれに違った色が付いている。昔の人類は遊びに長けていたようだ。


 「まあ、補給と修理は任せたまえ。私とお前の仲だろう」


 「はっ、よろしくお願いします」


 そう言い残して指令室を後にした。

 しかし司令は眉間にしわを寄せた笑みを浮かべて呟いた。


 「かしこまられると調子が狂うな。なるべく戦場とは遠い場所を選んだが。間違いだったかな」


 「先輩」と呟くとルービックキューヴを机にしまった。


―――――――――――――――――――――――――


 「ひゃっほーい!!」


 男のクルーが水に飛び込んだ。


 「あ!私もやーろぉっと」


 湖で泳ぐ男女を見ながらガウェインが言った。


 「どうせこいつらもあとで面倒みないといけないんだなぁ」


 「そんなこと言って。あんたもやる気満々なくせに」


 なんだかんだ言ってもガウェインは水着を用意していた。

 対してレイは本気装備。


 「おまえなぁ、もうちょっと露出が少ないやつにしようぜ。誰かが喰っちまうぞ」


 「あら、誰が喰うというのかしらね」


 「もしかすると後ろからお前を俺がパックリ喰うかもしれないぜ」


 変な話に呆れるミクリ。


 「大丈夫。もしそうなったらあんたのシンボルをチェーンソーで切ってやるから」


 「はうっ!!」


 精神的なダメージを食らったガウェイン、対してミクリは


 「ねえミクリ君~、あっちで遊びましょう~」


 「私が先に取ってたんだからね!」


 「いや取ったとかそんなんじゃないんで!!」


 モテモテなミクリ。身長が低いのは年齢のせいであって、それが可愛いと言うのだ。

 恋愛にはあまり興味のないミクリ。


 「あ!逃げた」


 全力で駆けだした。


 「あ~あ。行っちゃった」


 「あんたが脅かすからでしょ!!」


 「あんただって!」


 喧嘩勃発。


―――――――――――――――――――――


 「はあはあ、あんなの嫌だよもう」


 とぼとぼ歩いていると目が合った。


 「ん?」


 一人の女の子に出会った。


 「あれ?君どこの子?」


 先に質問した。


 「私はユイ。あなたは?」


 「僕はミクリ。こんな片隅でどうしたの?」


 さっきまで女性と話していたからか、女の子に声をかけるのも慣れていた。

 麦わら帽をかぶっている白いワンピースの女の子は近寄ってきて。


 「明日、ここにもう一回来て。そしたら教えてあげる」


 そう言い残して走り去って行った。


 「なんだったんだろ」


 解けない疑問が増えた。


―――――――――――――――――――――――――


 砂漠と荒原の間に建つ研究所。

 夜の静けさだけが立ち込めていたこの建物が


 ドゴン


 奇妙な音をきっかけに爆発した。


 さらに続いて多数の連射音。12ミリの弾丸が連続して発射される。


 「おらぁ!!こんな夜に来たのが間違いだったな!」


 汚い言葉で威嚇する男は傭兵のようだ。

 平均よりすこし小ぶりな機体はバイエル社製の「カフ」だ。


 「死んで出直してきなぁ!!」


 そんな罵声を浴びせているが、一番怖がっているのは本人だ。

 暗闇の中の戦闘は黒い機体が有利だ。そう彼が戦っているのは黒い機体なのだ。


 「汚らわしい。さっさと消えろ」


 黒い機体からの声が聞こえた。


 「なんだとぉぉ!!」


 言い終わったときには機体が真横に来ていた。

 その長い鎌で切り裂くところだった。


 「お前たちは要らないんだよ。だからもう」


 恐怖に駆られた目をする男に止めを刺す。


 「死んで」


 振りかぶった大鎌を機体に横から切り裂く。機体に流れていた油が血のように飛び散った。

 残酷なまでに原形をとどめない機体の人間も同じような状態になっているだろう。


 「どうして皆抗うのだろう。死ねばいいのに」


 黒い機体のマントがなびく。月光に映るその機体は死神のようであり、魔王のようでもあった。


 

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