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アフターウォー  作者: IF太郎
18/21

十七話 「鋼の行進」


 「第二バーニアに損傷軽微」


 「散謹弾。八番まで全部出せ!目標は任せる!」


 「了解!火器管制に命令」


 地面を這いつくばる砲台から攻撃を受けているオルゲンゲーテ。それに対してミサイルランチャーで迎撃を図る。

 艦側面に内臓されてあるミサイル発射管が開き、右側面の発射口八門から筒状のミサイルが発射される。ミサイルは拡散式で、爆発すれば中から小型の爆弾を散布させるという物で『散謹弾』と呼ばれる。別物ではあるが『時雨弾』と言う物もある。


 「目標まで3秒・・・2・・・1・・着弾」


 一斉に爆発が生まれ、砂煙と同時に広範囲にばら撒かれた爆弾が衝撃と共に起爆。車両が吹っ飛び、レールも粉々になってしまった。

 これで砲台の破壊は完了した。だがこちらでも予想してあるが、この砲台レーンが先にいくつも待ち構えていることであろう。


 「状況はいいとは言えんな」


 「このままですと艦隊戦での決着は見込めませんね。対艦兵装をいくつも用意してきているようですから」


 「となると地上での白兵戦か・・・」


 ヨーロッパ側から迂回してきている潜水艦隊はまだ距離がある。艦隊決戦では殲滅することおろか進軍することもままならない。

 

 そのころミクリ達のいる地上は


―――――――――――――――――――――


 「レイ。見えるか?」


 「ええ、よく見えるわ。ただここからの狙撃だと寝るより光学迷彩のほうがよさそうね」


 レイは狙撃ポイントを見つけ、そこで敵機を狙撃する支度をしていた。

 艦隊とはかなり離れており、通信も行われていないため、母艦が今どんな状況に置かれているのかを知らない。

 

 「よし。この先5kmに建築物が見えるわ。何かあるかもしれないから気を付けて」


 「わかった。だそうだお前達」


 「おうよ。何があっても何とかなるだろ」


 「了解しました」


 透明な布を全身にまとったリッツショウダーは、覆った部分が見えなくなった。

 実際には見えなくなったのではなく、光の屈折で周りの景色と同化しただけである。

 保護色状態で移動する理由は、ホバー移動状態でも撃てるように、すぐに狙撃体制になれるようにするためである。

 その時ジャミングを縫ってかろうじて通信がつながった。


 「こ・・ら・・・と・・わん・・・」


 「なんだ!?チッ電波が」


 どの回線に換えても反応がある。どうやら全回線で飛ばしてきてるようだ。

 周波数を上げてみる。


 「こちらオクト1!応答せよ!!」


 「オルゴ1。ヘクト1何があった」


 「ああやっとつながった」


 かなり焦っているようで、ノイズも酷い。

 

 「何があった、説明しろ」


 「実はこっちの艦隊が砲台の攻撃を受けているんだが、それ以上にまずい物が出てきた」


 「まずい物?」


 砲台という存在を知らないフェルガー達だが、それよりもその先の話が気になる。


 「ああ、敵のマシンが出てきたんだが、これが桁違いの強さを誇っているんだ。すまないが何機かこちらによこせないだろうか?すでに多数の新型がやられてるんだ」


 「新型?そんな話あったか?」


 「ああ、少ないが配備されてたんだ。まだ数機残ってるが、もうそんなんじゃ相手にならない」


 新型を凌駕する機体ということは、エース機。もしくはエース専用の特型機・特務機ということになる。

 

 「分かった、こちらから三機回そう。それで持ってくれ」


 「ありがとう。助かるよ」


 三機回すと言ったはいいが、誰を回すのだろうか。


 「じゃあ俺を回してくれ」


 楽しそうな声が聞こえた。瞬間目の前を黒い影が覆いかぶさった。

 そして見えていなかった敵機を串刺しにして立ち上った。


 「死神なんて野蛮なことを・・・・」


 敵を放り投げて、背中のウィングからレーザーを集中して照射した。

 熱に耐えられずに溶けながら爆発四散した。


 「やってみたかったんだよおい!」


 「お前なぁ」


 死神がニヤリとほほ笑み、イナクト機と共に北西へと飛んで行った。

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